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雑誌目次

雑誌文献

病院20巻2号

1961年02月発行

雑誌目次

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わが国における病院の公衆衛生活動の現況とその考察(そのⅠ)

著者: 吉田幸雄 ,   岩佐潔

ページ範囲:P.85 - P.89

はじめに
 本報告は,昭和34年度35年度厚生科学研究「病院における公衆衛生と医療の連繋方式に関する研究」の第1報であり,その概要はすでに第10回日本病院学会および第2回社会医学研究会において筆者から発表したものであるが,主任研究者である吉田および各分担研究者により,その詳細について報告せんとするものである。

国際病院連盟の病院視察族行に参加して(Ⅱ)

著者: 村田三千彦

ページ範囲:P.91 - P.99

 Hunterdon Medical Center, Flemington, New Jersey.
 1953年建設の新しい121床の病院である。New Jerseyの北西部の田園の,5万人の地域社会に,大学並の医療をする。
 New York University-Bellevue Medical Centerの協力があり,また,18人のfull-timeの専門家と24人のGeneral practionerとを統合した田園医療の一つの実験例である。ここでは,家庭医を,良い医療の中心とするけれども,しかも近代医学は複雑なので,家庭医はスペシアリストの支援を要するという哲学を固く守つている。

アメリカ病院協会第62回年次大会と国際病院連盟視察族行とに参加して(Ⅱ)

著者: 平賀稔

ページ範囲:P.101 - P.104

 アメリカ病院協会大会第2日の行事から記そう。
8月30日(火)—19609:00—11:30ホイットコム,クリスタル舞踏室

第11回日本病院学会演題募集

ページ範囲:P.104 - P.104

開催日時 昭和36年5月18,19日
会場 東北大学川内講堂

短期人間ドック

著者: 小野田敏郎

ページ範囲:P.115 - P.119

 成人病対策のひとつとして短期人間ドックがひろく全国に行われるようになつたことはまことによろこばしいことである。
 日本病院協会が健康保険組合連合会とむすんで短期人間ドックを開始した経緯についてはすでに本誌に紹介1)されたところであるが,ここではその規模と内容,運営等の概観について述べることとする。

病院事務長の人事と待遇—病院事務長にかんする調査研究(Ⅰ)

著者: 前田信雄

ページ範囲:P.131 - P.138

 事務長職の人事は,開設者によつて行なわれているのが一般的実情である。任免にあたつて実際に関与するものも開設者側の部課長である場合が多い。これら一般的なもののほか,院長決定のばあいは,一つの開設者に多数病院がある場合でも,それぞれ独立した運営を行つている病院に多い。従つて,事務長職は,病院開設者にとつて重要な役職である点がこれら人事関係の事情からも知られる。
 他面,人事交流の面からみると,事務長の多くは諸官庁の役職と関連が深く,従つて,専門職というより一般的な行政職員とさして異ならないばあいが多くみられる。一つは,病院の経営主体が多種類であるうえに,同系統病院間でも必ずしも十分な事務長交流がないこと,他は現在の病院事務長の職務内容がかならずしも特殊専門的なものではないことなどが,問題であろう。

患者は看護サービスをどう受け取つているか(第Ⅰ報)

著者: 湯愼ます ,   大森文子 ,   安藤小夜子 ,   浅田美智子 ,   林滋子 ,   亀田安子 ,   小島由子 ,   大塚寛子 ,   竹山香津子 ,   都留伸子

ページ範囲:P.141 - P.151

この調査は,東大の衛生看護学科の,基礎看護講座を臨床看護講座のナースの教師達が協力して行つたもので,本文にもあるように,病院に入院している患者が与えられている看護を,どのようにうけとつているか,ということを知つて,患者のニードにこたえられる看護をするための研究のもとにする目的で,まず,その予備調査として実施されたものです。従つて,まだ本格的な調査結果ではないので,発表の段階ではないのですが,その内容には,いろいろと関係者が考えなくてはならない多くの問題を含んでいますので,了解を得て紹介をする次第です。金子 光

あとがき

著者: 吉田幸雄

ページ範囲:P.152 - P.152

 いよいよ来年度予算の政府案が,国会に提出されました。今年は大蔵省と各省との間の予算折衝が1月4日から開始され,池田内閣の政策の三本柱の一つである社会保障費は各関係団体の運動とからみあつて,約半月の間もみにもまれました。その結果,病院関係では,(1)医療費については診療報酬の総枠を10%増額し,改めて中央医療協議会の決定によつて,その配分を措置すること(2)病院ストを契機として問題になつた病院の経営管理改善については,厚生省医務局内に病院指導課を設置し,更に病院管理研修所を病院管理研究所と改めて,その機構を整備すること,の2つが決定しました。
 第一の問題については,厚生省の原案によれば,病院14%,診療所6%アツプとなるということで,各団体間に大きな波紋を投じたようである。これについては,誤解があつたようであるが,算定方法は,個人立診療所長の生計費を119,000円と27年当時より3倍以上にみこみ,病院勤務医の平均給与を39,215円,正規看護婦18,847円と算定,医薬品は薬価基準より1割弱安い購入価格で,その他の物件費は患者の増加率のほか,医療器械や光熱水費内容改善を見込んでいる。その結果,支出は一病院平均で1カ月約270万円,診療所は24万円と算定,現在の保険収益とくらべると,病院で約14%,診療所は歯科も含めて約6%,平均10%の増加となると算出されたものである。

グラフ

冬の病院調気設備

ページ範囲:P.105 - P.112

 建築設備の本に,こう書いてある.
"暖房,冷房,換気法のように,室内空気の温度,湿度,気流などを調整する方法を総称して,調気法と呼ぶ.これら暖房法,冷房法,換気法の一つ一つが独立して用いられることもある"

第2回短期人間ドック研究会抄録

約半年間における短期人間ドックの観察,他

著者: 国兼信一 ,   黒滝良宏

ページ範囲:P.121 - P.129

 本院に於ける短期人間ドックは,昭和35年2月1日に開設され,7月16日に到る約半年間の利用者は総数113名で,その中,男87名(77%),女26名(23%)である。年齢は男女併せて,40歳及び50歳代が共に37名宛,60歳代は17名で,40歳以上の者が2/3以上を占めている。体重が標準体重より20%以上多い肥満者は,男9名(10%),女4名(15%)で割合少い。地域的には,青森市内在住者が40名(35%)で最も多いが,略々全県下に分布している。職業別では,商業が31名(27%),会社員22名(19%),次いで公務員14名,農業13名の順であるが,農業県である本県としては農民の利用者が極めて少いと云える。血圧は,年齢と無関係に最高血圧150以上,最低血圧90以上を高血圧症とすると,男26例(30%),女6例(24%)であつた。心電図所見では,ST.Tの異常を示したものが20例で最も多く,刺戟生成異常が7例で之に次ぎ,その他,肺性P,僧帽性P等も少数例に認められた。胸部レ線検査によつて要治療と判定された肺結核症は5例(5%)である。胃レ線検査では,慢性胃炎23例,胃十二指腸潰瘍9例,全体として有所見者は67例,その中4例が要治療者であるが,その他,胃癌及び胃ポリープの疑われたものが各1例宛数えられている。胃液検査では各年代共に無酸症が最も多く,全体として76例(67%)が無酸症であつた。

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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