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雑誌目次

雑誌文献

病院20巻9号

1961年09月発行

雑誌目次

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病院における労使関係

著者: 所沢道夫

ページ範囲:P.631 - P.638

 ただいまご紹介にあずかりました所沢でございます。別にことさら申し上げることもないと思いますが,先程来ご承知のとおり病院関係が争議をいたしました。もともと労働委員会の事件は大体中小企業関係でありまして,そのことと今度病院争議の事件を取り扱いまして,それらの経験を綜合しまして病院の労使関係について考えたことをご披露申し上げてあるいはご参考になるかと思いましてきようおじやました次第でございます。

専門医制度をめぐる諸問題(Ⅱ)—主要各国の現状とわが国の将来の方向

著者: 佐分利輝彦

ページ範囲:P.641 - P.649

Ⅴ.主要各国における専門医制度はどうなつているか
(1)法制(2)認定機関(3)専門医の定義(4)専門科目(承前)
(5)修練期間

病院の診療収入分析

著者: 一条勝夫 ,   車田松三郎

ページ範囲:P.651 - P.660

 病院の経営能率について,従来は経費の面からいくつかの分析がなされてきたが,ここでは収入の面から病院の医療類型を求め,これと採算との関係について分析を試み,更に医師の稼働診療状況をみることにした。

病院給食における栄養学的改善—特に粉食と生野菜の普及について

著者: 御園生圭輔 ,   北原千江

ページ範囲:P.663 - P.665

1.まえがき
 病院の食事は患者の症状に適したものでなければならないが,栄養価の高いものが必ずしも患者に好まれるとは限りません。栄養士の仕事は患者の病状に合つた栄養価の高いものを如何にしておいしく食べて貰うかという事であると思います。この点について数年来患者全体の嗜好調査,給食懇談会等を通じて患者の好みをきき,さらに給食した食物について栄養学的な解説を行い,より多く食べて貰えるように努力して来ました。その中給食量の1日におけるバランスについては昨年の病院学会で報告しました。その後の結果について今回は報告します。
 粉食は米飯に比しビタミンB1B2が多く塩類の比率も良好であります(東京都衛生研究所臨床試験科長,柳沢文正博士の説によれば,カルシウムと燐の比が1対4かあるいはもつとカルシウムを多くとることが良いとなつているが,日本食品標準成分表でみると,めしは1対30,パン,麺類は1対5〜8となつている)。特にパンは脂肪,蛋白質,ビタミン類をとりやすいので結核の食事に好適であります。また粉食は米食より消化もよいので食事時間が接近している療養所ではとくに昼食に適していると考えパン,麺類の他,スパゲッティ,マカロニ,ビーフン,クラッカー,支那まんじゆう等も用い粉食の回数をなるべく多くする方針にしています。

わが国における病院の公衆衛生活動の現況とその考察(Ⅵ)—衛生教育,栄養指導,医療社会事業,救急業務,救護班,健康管理,及び医療開発(附属診療所,出張所,巡回診療)の各領域における公衆衛生活動

著者: 原素行

ページ範囲:P.676 - P.686

まえがき
 本稿は,厚生科学研究「病院における診療活動と公衆衛生活動との連繋方式に関する研究」の分担研究者として,提出した表題各章の報告の概要である。これら各章の総括及び各論の記載に先立つて,特に注目を要する事項について,少しくマークしておきたい。
 本調査研究の開始に際し,既に,予想したことではあるが,これらの諸業務が,病院の義務として,行われたものは少く,いずれも,病院の善意によるものであることが判明した。この原因として挙げ得ることは:—①病院の費用が,殆んど医療費1本によつて賄われているため,公衆衛生に関する病院活動が思うに任せぬこと。②病院の医療収入は,患者の直接診療によるものに止り,間接に患者に利益を与える病院業務に対する財源を医療収入に期待し得ぬこと。③医療が広域化するに当り,その必要性を病院活動に盛り得ない現状について,多くの問題点を示している。また医療担当者側が,「明日の病院は如何にあるべきか」という近代社会と病院活動との繋りについて,稍々懐疑的な若干の意見をもつことを察知し得たが,それは,これまでの医学数育の問題点だけでなく,医療行政及び医療経済問題へも,強い示唆を与えていると思われる。

病院管理研究所の発足を祝う

著者: 吉田幸雄 ,   佐藤市四郎 ,   石原信吾 ,   岩佐潔 ,   塚本蝶子 ,   一条勝夫 ,   岩中芳国 ,   紀伊国献三 ,   小川健比子 ,   川添卓男

ページ範囲:P.687 - P.693

 厚生省病院管理研修所は,厚生省設置法改正にもとづき,去る6月1日付で研究所に昇格し,吉田幸雄氏が所長に就任したが,同月10日に発開式が行われ,医療各界の責任者の出席のもとに,盛大な祝賀式が催された。

グラフ

公立刈田綜合病院の公衆衛生活動

ページ範囲:P.667 - P.675

 公立病院の任務は今や治療面のみならず,予防医学,社会医学への参画が要望されつつある.即ち地域住民の健康保持,増進,疾病予防,早期診断,早期治療,Rehabilitationに関する活動などである.
私達の病院も,かねてこの公衆衛生的業務に関心を持つていたが,現在,実施しているものの主なものは次のものである。(1)伝染病予防に関連する活動(主として結核,トラコーマ,赤痢).(2)乳幼児対策に関連する活動(先天股脱,育児相談,集団検診,予防接種,未熟児),(3)妊産婦対策,(4)成人病対策(高血圧,癌),(5)巡回診療,(6)医療社会事業

外国資料

病院医療の支払いの原則

著者: K.K.

ページ範囲:P.695 - P.697

 医療費の値上げ問題とからんで,現在の健康保険の支払方式のあり方が,多くの場所で検討されて居る。米国に於ては,日本の場合と異り,療療保険制度は主としてブルー・クロス或は他の民間保険会社の手により運営されて居るが,その支払い方式については,1953年米国病院協会(A.H.A.)が病院及び保険団体の双方を招いての論議の末,作製した,病院医療の支払いの原則(Principles of Payment for Hospital Care)が一つの基準となつて居る。以下その大要を見てみよう。

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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