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文献詳細

雑誌文献

病院21巻12号

1962年12月発行

文献概要

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患者と病院職員との人間関係

著者: 金子敏輔1

所属機関: 1神戸医科大学

ページ範囲:P.17 - P.21

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病院医療の性格
 患者と病院の職員との人間関係問題を論ずるにはまず始めに近代病院の姿,つまり病院の目標,その機能を充分把握しておくことが前提となる。すなわち,近代病院は公共的社会的医療のサービス機関であるから医療を中心とした近代的サービス観念があらゆる立場で現われなければならない。近代病院は複雑な組織の下に管理経営が行なわれ,医療をある水準に保ちそのための設備を完備し,患者の病気を治し,それは救命的治療から生命延長,痛みの緩和,身体機能を回復し,患者や家族に満足な医療を与える場所であるから,医師,看護婦,管理及び他の職員全体の近代的サービスのあり方が発揮されなければならない。従ってそれは専門職業的,プロフェショナル・サービスのあり方を認識して行なわれるのである。また専門職業的ナービスが発揮されることは病院医療機能を保つ重要な意義があり,医師団,看護婦団だけの医の倫理,看護倫理でなく,事務,技術職員全部を含めた病院職員倫理が近代的サービスの根底をなし,患者との人間関係に深い関係があることが滲透しなければならない。
 病院の人間関係を論ずるには,どうしても医療の病院職員倫理を根元とした患者へのサービス観がにじみでなければならない。つまり病院管理経営は倫理的概念によらなければ病院医療サービスの水準が保たれないし,発展が期せられない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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