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精神科病棟の開放管理のために—国立肥前療養所環境衛生規程
著者: 岡部重穂1 江越春樹1 平野源次1
所属機関: 1国立肥前療養所
ページ範囲:P.49 - P.55
文献購入ページに移動われわれの国立施設は,全国に4箇所あるその一つで,九州の穀倉といわれる佐賀平野の山麓農村地帯にあり佐賀市から16kmの地点にある。療養所の敷地29万m2,定床473の精神科施設である。
この施設は前所長,伊藤正雄氏のとき,昭和31年11月頃開放病棟管理の運営をはじめた。そのために,医療体系はつぎつぎに脱皮して,新しい医療チームの編成がなされていった。それにつれて所謂開放された患者は,治療社会ならびに,地域農村に出歩くことになったわけである。これらの患者の出歩きに対して,病院内及び地域社会の環境衛生的顧慮が,あらためて討議されることになった。昭和34年2月9日に所長は,当施設の環境衛生の新らしい検討と内規作成方を診療会議に付詫した。診療会議の討議に提出する草案は,従来どういうふうにやっていたか,そのままを記載し,それに従って,誰が,何時,何処で,どういう方法で,その責任の所在,報告すべき上司,残すべき記録などの各項について,方法論的に最適なもの,衛生行政六法,防疫必携などを照しあわせ,保健所にも問合せて,できるだけ資料を集めて,各委員会ごとに刷らせて,現況に最も適した実際に行ないうる方法が検討された。実際に開放に踏切って3年を経過しているだけに,従来の環境衛生の在り方が衛生の名に価いしないものであったかを,その都度,印象強く感じた。
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