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雑誌目次

雑誌文献

病院21巻6号

1962年06月発行

雑誌目次

グラフ

母親学級

ページ範囲:P.9 - P.16

 母親学級は,近年,病産院における公衆衛生面の事業のひとつとして,脚光を浴びてきたものです.
 正しい知識を得て,無事に分娩をすませ,育児にあたろうとする妊婦にとって自分がこれから入院しようとする病産院の,先生や助産婦,栄養士さんから,講義を受けたり,同じ妊婦同志が気安く話合いのできるこの母親学級は,たいへん楽しく勉強でき,近代婦人の要求にはピッタリと合っています.

座談会

外国の病院に入院して—アメリカの病院生活

著者: 矢野茂 ,   矢野幸子 ,   佐藤巧 ,   吉田幸雄 ,   紀伊国献三 ,   守屋博

ページ範囲:P.18 - P.31

日ごろの健康があだとなって
 本誌 それでは,病院管理研究所の所長吉田先生がちょっとおくれてみえる予定でございますけれども,守屋先生の司会で始めさせていただきます。この雑誌は,日本唯一の病院管理に関する雑誌でございまして,この雑誌の読者は,だいたい病院の院長,事務長といった方がたであるわけです。いままで実際に病院にはいって,いろいろ体験された方のご意見というものは,あまり載っておりません。特に外国の病院の体験をした方のお話というのは,ドクターの立場では,いろいろみて来られて,発表された方もおりますけれども,まだ患者の立場で書かれたというのはあまりはいっておりませんので,たまたま貴重な体験をされたというので,きょうの座談会になりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 司会(守屋)いま話がありましたようにドクターの立場では,みなさん病院にお出かけなのですが,ご承知のように病院機能とドクター機能とは分かれているために,片側しか見ていないわけなのですね。患者の側から見るようなチャンスをお持ちの方は非常に少ない。ことにご入院になったフラワー・フィフス・ホスピタル,こういった贅沢な病院におはいりになった経験を持っている方は少ない。贅沢な病院というのは,すぐ日本ではまねはできないかもしれませんが,これもまたこれで貴重な経験で,そのへんの忌憚のないご経験をお話し願いたいと思うのです。

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外来患者の受付方式の検討について

著者: 高橋元𠮷

ページ範囲:P.33 - P.42

まえがき
 病院の新しい経営組織の特徴として,特に目立つことは,設備ならびに業務の集中によって,合理化を計るということである。医療事務についても,そうした基本的な考え方のうえに立って,能率の向上が計られているが,本稿でとりあげた外来患者の受付方式についても,業務の集中化がいろいろ検討されている。
 この外来患者の受付方式は次にあげる各種の条件が関係してくるので,必ずしもあらゆる場合において,中央化方式が最も有効であるとは限らず,現実にもこれらの条件に離反しない範囲において,各種の方式が取り入れられている。

第12回日本病院学会予告

ページ範囲:P.42 - P.42

■日時 昭和37年7月18日 専門集会 19日総会 20日総会
■総会場所 総会—「都市センター」大ホール(東京都千代田区平河町2の6)

アメリカの病院数と病床数の動き

著者: 大久保正一

ページ範囲:P.43 - P.51

 伝染病患者,行旅病者を収容することをおもな目的とした昔の病院は恐るべき死の家であった。今日の病院は健康を回復し,生命の延長をはかることのできる喜びと希望の家にかわった。そして医学の進歩,技術の革進につれて複雑,精密な器具,機械が装備され,またよく訓練された多数の医師をはじめ従業者がいきいきと活動している。恐怖の病院から喜びの病院に移行するには相当の年月を経て,質的にも,量的にも病院は変化を起こしたに違いない。その変化の模様をアメリカの病院数,病床数の年次変動から観察しようとしたのがこの研究の目的である。
 アメリカの病院は,病院協会のリストに登録病院としてのること,病院認定合同委員会の認定をうけること,インターン病院の指定をうけることなどを,きそって希望する。

看護婦のおき方について(2)—病院看護サービス要員配置の手引き

ページ範囲:P.53 - P.58

 「病院」の昭和36年7月号(第20巻7号541頁)に,WHOから提供された「病院看護サービス要員配置の手引き」の第1回翻訳が掲載された。今回はその第2回として,1病棟に看護要員を配置する際に考慮されなければならない各種の要素についての質問と,実際に要員配置を実験する場合,どのようにことを進めるかの手順についての質問の部分をまとめて掲載する。これらの問いは病院看護の本質にふれるもので,ただ単に,看護婦の配分を考慮する時に利用し得るばかりでなく,日常,病院で行なわれている看護の内容と実質とを評価する場合にも基本となる大切なものである。また第1回の総論的なものが今回はずっと実際的に取り扱われている。それぞれの病院において,研究会などにより,ここに示された要素が,現実には何を意味するかなどについて検討され,また加えられるべきあるいは除かれるべき要素などについても検討されるならば,なお一層の効果を持つものと考えられる。

病院とオートメーション

著者: 紀伊国献三

ページ範囲:P.59 - P.64

病院原価の上昇は世界的な問題となっている。昨年ベニスで開かれた世界病院会議での中心課題の一つも,この高騰に対処する方策であった。(本誌21巻12号参照)
 コストの低減と患者サービスの質の向上に希望を与えるのが,最近産業界で実施されているオートメーション諸設備である。近着の外誌から,病院におけるオートメーション利用の可能性の問題をとり上げてみよう。病院の活動にはさまざまなものがあるが,米国スタンフォード研究所での,病院における労働力軽減諸設備の研究では,どの部門が多く人件費を要するか,その部門の原価の上昇の度合はどうか,患者の世話に直接関係する活動かどうか,本質的に医療に関することがどうかの点からとり上げている。

社会保険診療報酬改訂をめぐって

著者: R.S.

ページ範囲:P.65 - P.70

 昭和35年春以来の医療費値上げの動きは,その間病院ストのあおりをくって活発化し,昭和36年7月の点数改正で一応の値上げが実施された。しかしながら,この点数改正を不満とした医療担当者側は,保険医総辞退をもってこれに応じ,医療費問題はさらに紛糾を続けたが,政府,自民党と医師会側との間の話し合いがまとまり,かろうじて保険医総辞退の危機をさけることができた。その結果生まれた医療懇談会でまとめられた了解事項のうち,診療報酬について書き,すなわち「なお,現行の診療報酬につき,特に緊急是正を適正と認められる事項については,政府部内においてとり急ぎ十分な検討を加え,成案を得しだい,医療協議会に諮る」とあるのに基づいて,去る12月1日に告示された。いわゆる緊急是正による医療費改訂によって,昭和35年以来2カ年にわたって紛糾を続けた医療費問題も,ひとまずケリがついたようである。

「病院の日」10周年行事を終えて

著者: 大森誠

ページ範囲:P.71 - P.72

 戦後は,祝祭日が「春分の日」とか「天皇誕生日」「勤労感謝の日」などと親しみやすい名称で呼ばれるようになり,さらに「成人の日」「こどもの日」など加わり,国民にとっては身近な楽しい日として親しまれている。
 しかし岡山県民にはなじみである「病院の日」というのは,まだ国民的なものではないだけに,耳新らしく感ぜられることと思う。

研究所便り

著者: 病院管理研究所

ページ範囲:P.75 - P.75

第2回病院管理研究会
 4月号でお知らせしましたように,今年度も研究所は,短期(9日間)13回,長期(1カ月)2回,の例年どおりの研修に加え,専門性を加味した,人事管理ゼミナール(8日間)を6月に開催いたします。
 今年度第1回の病院管理研修会は病院長の方がたを対象として,4月12日〜20日に開かれました。ご参加の先生方に下記のとおりです。

質疑応答

著者: 石原 ,   岩佐 ,   日鉱中央病院 ,   小川

ページ範囲:P.76 - P.77

病院費用の固定費と変動費
 問 損益分岐点を出すために,病院費用を固定費と変動費に分解するのにはどうしたらよいでしょうか。(事務長研修会)
 答 費用を固定費と変動費に分解する方法としては次のようなものがあげられます。

固定欄 医療制度

病院従業者の構造

ページ範囲:P.73 - P.74

1)病院の従業者数
 全国の病院,一般診療所および歯科診療所の従業者の総数は,昭和35年末では636,773人であるが,このうち病院従業者は367,265人で全医療施設従業者の57.7%,一般診療所は211,717人で33.2%,歯科診療所は57,791人で9.1%である。
 全医療施設の従業者を職種別にみると,医師(非常勤を含む)は125,735人で19.7%,歯科医師(非常勤を含む)は36,175人で5.7%,薬剤師は10,726人で1.7%,看護員(保健婦,助産婦,看護婦,准看護婦,看護人および看護補助者を含む)は,265,974人で41.7%,技術員(栄養士,歯科衛生士,歯科技工士,診療X線技師およびその他の技術員を含む)は38,255人で6.0%事務職員は69,953人で11.0%,その他の職員は89,955人で14.1%である。

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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