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文献詳細

雑誌文献

病院21巻7号

1962年07月発行

文献概要

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質疑応答

著者: 高橋正春1

所属機関: 1科学技術庁計画課

ページ範囲:P.78 - P.78

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 問 手術承諾書の法的効果について
 答 手術承諾書が法律的に有効なためには,次のような条件が必要である。まず第1には,その承諾が患者自身によってなされなければならない。もし患者自身に意思能力(承諾した事柄の意味を理解する能力)が欠けている場合には(たとえば精神病者や幼児)法定代理人(たとえば親権者や後見人のように代理権が法律規定によってあたえられているもの)の承諾を得なければならない。このような者を同意権者というが,それ以外の者はたとえ肉親や知己であっても承諾は効果がない。つぎに承諾は同意権者の自由意思にもとづいた真面目なものでなくてはならない。脅迫や錯誤による同意,冗談の承諾は効果がない。たとえば重大な手術前にそれが少しの危険性もないように説明して,相手の承諾を得たり,患者側に医師の感情を害することをおそれさせて,やむを得ず承諾させた場合の承諾は有効といえない。なお承諾は事前が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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