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霞ガ関だより
医療制度調査会の答申について
著者: T.S
所属機関:
ページ範囲:P.92 - P.94
文献購入ページに移動しかし,今回の答申の内容を熟読すればわかるように各紙のこれに対する批判は,医療制度調査会の真の考えを正しく理解した上で述べられたものではないと思われる。このような誤解が生じた主な理由は,戦後の医療施設の急速な整備と,医療保障制度の急激な拡大のムードのなかで,医療の社会化とその推進役の一つとしての公的医療施設の拡充が必要であるという通念が,国民の間に次第につちかわれてきたために,自由主義社会における医療保障制度下の医療制度は如何にあるべきかという新しい観点から,現在の諸制度を検討し,その将来の方向を打ちだした今回の答申が,国民にきわめて奇異な感じをあたえたからではないかと思われる。
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