文献詳細
文献概要
ホスピタル・トピックス 特殊病院
国立療養所の防疫対策
著者: 柳瀬正之1
所属機関: 1厚生省医務局国立療養所課
ページ範囲:P.88 - P.89
文献購入ページに移動かような疾病,境環の特殊性に加えて,国の施設であるところから,伝染予防法第20条によって取り扱いに特例が定められている。この条文に日く,「諸官庁及官立,学校,病院,製造所等に伝染病発生シ若ハ発生ノ虞アルトキハ其ノ首長は都道府県知事ト協議シ此ノ法律ニ準シ予防方法ヲ施行スヘシ」。知事や市町村長らが,国の機関,施設に対し,伝染病予防の見地からとはいえ,患者の強制収容,交通遮断等の強い権限を無制限に発動することは,国の行政目的を阻害するおそれがあるとして,国の機関施設の長が知事と協議して伝染病予防法の規定するところに準じて予防事業を実施さえすればよいと特例を認めているのである。本条にいう「予防方法」の内容は,都道府県知事または市町村長の権限に属する一連の防疫事務および患家において施行すべき事項がおおむね含まれ,したがって国立療養所長はつぎの予防方法を講ずる責任がある。
掲載誌情報