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雑誌目次

雑誌文献

病院23巻2号

1964年02月発行

雑誌目次

特集 第13回日本病院学会

第13回日本病院学会を終えて

著者: 奥田義正

ページ範囲:P.19 - P.19

 佐川市立江別総合病院長,三宅旭川日赤病院長,有末北海道医務局長の3先生が御訪ね下されて,第13回日本病院学会の会長を私にやれとのことであったが,突然のことでもあり,過去において自分に関係のない学会でもあるので,辞退いたしましたが,皆が協力するからぜひにとのことでついにお引き受けいたしました。
 主脳役員は協議の結果,副会長に三宅院長,石井札幌逓信病院長,中川市立札幌病院長,幹事に佐川院長,顧問に有末局長,準備委員長には斗南病院外科医長宮坂先生を選び,それぞれ御快諾を得て準備のスタートをいたしました。

プログラム

ページ範囲:P.21 - P.24

期日:昭和38年10月1,2,3日
場所:札幌市北大クラーク会館

第13回日本病院学会に出席して

著者: 一条勝夫

ページ範囲:P.73 - P.76

 隔年に地方に進出するという慣例にしたがって,第13回学会総会は札幌で行われた。混雑する観光シーズンをはずし,気候もよく,名物のトーモロコシのうまい季節に,という佐川総会幹事長の昨年の御言葉どおり,10月1日から始まる3日間,北大クラーク会館で開催されたのである。
 本年は一般演題70,専門集会3,宿題報告2,招待講演,映画といった多彩な,そして量的にも相当な内容のものであって,昨年にひきつづいて会期は3日間であった。

一般講演抄録

1 手術室の空気調和の実態について—(Ⅱ報)冷房期の実態,他

著者: 大村勉 ,   吉村喜好 ,   松下与 ,   安倍弘昌 ,   佐伯修二

ページ範囲:P.27 - P.71

 前回発表の通り暖房期における手術室の空気調節は甚だしい不調和を見せたが,冷房期においてはどのような状態であるかを実験測定して見たところ次のようなことが解った。
(1)建物による熱損失は60分後で南面の手術室では+4℃で北面のそれでは+3.5℃であった。

座談会

第13回日本病院学会を顧みて

著者: 吉田幸雄 ,   青柳タゲ ,   奥田義正 ,   石井主器夫 ,   佐川誠一 ,   石原信吾 ,   島内武文

ページ範囲:P.78 - P.92

 吉田(司会) お疲れのところを,ご出席いただきましてありがとうございます。病院学会が終わりますと,すぐこれを顧みての座談会を催すのが恒例になっておりますので,よろしくご歓談のほどをお願いしたいと思います。今席の人選につきましては,雑誌「病院」の編集側と,学会をご担当になった幹部の方,それに,次期の学会をお引き受けになる側と,3者が集まって話し合おうということで,これも恒例に従って構成されています。
 私,雑誌「病院」の編集主幹をしております関係上,進行係りをつとめさせていただきます。

グラフ

札幌の病院学会

ページ範囲:P.9 - P.16

 昭和38年10月1〜3日,第13回日本病院学会は,札幌市北海道大学クラーク会館において開催された。北海道は,明治の夜明け前後から時代の歩みに目醒めたパイオニアの舞台であった。その開拓精神は"ボーイズ・ビ・アンビシャス"と,札幌農学校の学生達に残された永遠の言葉とともに,われわれの病院学会が創始されたときのフィロソフィーと,一脈相通ずるところがあるかのように思われる。記念すべき地に記念すべき学会が開催され,思想を一にせる全国病院の友が一堂に会した3日間の表情をグラフにまとめてみた。

随筆

こんな人がひとりでも多かったら

著者: 常山貫司

ページ範囲:P.32 - P.32

 雪深い上越沿線の田舎町に別れをつげ,新しい生活を東京に求めて,去る九月上京した。初の新春を迎えるに当つて過去を顧み、行く先を仰いで誠に感深いものがある。決して感傷ではない。過去になずみたくもない。これからの指標として過去を活かし得たらと思うからだ。
 世は高度の経済成長を遂げている。社会も経済も政治も構造の改革が進んでいる。しかし人間そのものの内面構造が変わるわけでもあるまいし,よし遠い将来変わっても人間性には普通の要素があるはずだ。

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"医学教育に関心をもつなかま"について

著者: 菊地博

ページ範囲:P.86 - P.86

 最近,医学教育に関心をもつなかまの名簿の発刊が行われ,筆者の手許にも一部届けられた。もともと,ことのおこりは,東大の緒方富雄教授の提唱で,前々から続けられて来たものを,このあたりで一つの名簿として一応のピリオドを打たれたものである。
 この問題は医業に携つている人々の深い関心のあるところであり,終戦後十八年も経過した現在,おしつけられた米国式教育から離れて,真に日本の国情にふさわしい医学教育を樹立する時期はすでに到来していると思う。あるいはおそすぎるかもしれない。

事務長日記

著者: 桧原謙

ページ範囲:P.102 - P.104

12月2日(月)
 今年は暖冬だという気象台の長期予報のとおり,12月に入ったというのに,それほどの寒さを感じない。オーバーを着るのが変なぐらいなので,まだスプリングのままで出勤している。
 今日は,都合で主任会議が中止になったため,その空いた時間に,歯科でこの頃特に具合の悪い下顎第4歯を抜歯をしてもらう。この歯は4,5年前に一度みてもらったことのあるものだが,主任のK先生が自分の依頼に対し言下にその歯を言い当てられたのには,全く敬服した。毎日夥しい患者を扱っていながら,1人の患者の,しかも数年も前にみた歯をどうしてそんなに覚えておられるのだろう。まさに,専門家恐るべしだ。そして,この専門家のあり方は見習わなければならない。

あとがき

著者: 吉田幸雄

ページ範囲:P.108 - P.108

 本号は第13回日本病院学会の特集となりました。昨年の総会はたまたま10月になったので,例年とは違って年を明けた2月になって学会特集をしなければならなくなりました。そこで,本年の学会総会が7月に行なわれますので,今秋に再び学会特集が発刊されるということになります。つまり今年は2回学会特集が出ます。どうかこの点を御承知下さい。
 さて本号の特集は,恒例に従って編集されました。学会の一般講演の抄録を中心としまして,学会長御挨拶,学会風景のグラフ,学会見聞記,学会運営の座談会です。それに連載の病院管理講座と資料欄を加えました。

病院管理講座 理論編・14

病院の組織(XI)—管理者論(その2)

著者: 吉田幸雄

ページ範囲:P.94 - P.100

4
 前号では,病院管理者の病院組織全体に通じた義務について述べたが,本号においては,医療業務に対する義務について述べよう。
 わが国の病院管理者すなわち病院長は医師であって,多くはその病院の医師の中では,臨床医として最も経験のあるものであり,名声の高いものが管理者の職に当てられている。しかし,病院管理者というものは病院組織全体を包括的に管理することが職務であるから,いかに臨床医として有能であっても,臨床に従事することよりも,その包括管理の職責をはたすことが院長たるゆえんでなければならない。このことはちょうどオーケストラの指揮者がかりにヴァイオリンの名手であっても,楽団全体を指揮して,良い交響楽を演奏せしめる役割を演ずることが職務であるのと同様である。従って指揮者は指揮者としての専門性が要求され,奏者としての能力は問題にならない。これに類似したことは映画の監督,野球の監督,建築の監督,会社の社長等同様な性格であって,病院だけが論外ではない。

霞ガ関だより

三井三池災害医療調査団について

著者: 佐分利輝彦

ページ範囲:P.106 - P.107

 客年11月9日15時15分三池鉱業所三川坑に起った炭塵爆発は死者450名に及び,炭坑事故史上類例の少ない大事故となった。事故発生時が坑内作業員の替代時に一致したため,数多くの従業員が坑内にいたこと,炭塵爆発と同時に発生した一酸化炭素の異常な流れによって、多くの作業員が急性一酸化炭素中毒に侵されたことが事故の規模を大きくし,事態を一層悪くしたといわれている。
 事故の発生直後から始められた傷病者の救出作業は,三井鉱業所天領病院の医師出動により進められ,救出された患者は大牟田市,荒尾市消防署,自衛隊,民間輸送機関の協力により,天領病院を中心として最寄の病院7カ所に分散収容されるなど,救急措置の段階は比較的円滑に進められたのである。

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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