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Hospital Topics 経営
厚生省医務局の「病院勘定科目」(1)
著者: 一条勝夫1
所属機関: 1病院管理研究所
ページ範囲:P.100 - P.101
文献購入ページに移動 病院の勘定科目の標準化については病院経理関係者の間で話題にのぼってから久しいのであるが,それぞれ系統機関別に独自のゆき方をしてきたため,全国的な視野での統一化はなかなか困難であった。このため,経営実態の調査においてはその都度,科目を適宜に設定しなければならず,被調査施設ではそのたびに新たな調査や計数の組替えに無駄な労力を費やすことが多かった。そしてとくに問題であったことは,そのようにして無理に作りあげられた計数には信ぴょう性,客観性がうすく,比較,分析がすこぶるあやしげなものとなったことである。
このような状態では今のように病院経営問題が急迫をつげているとき,経営情勢の把握にもことを欠くし,病院としても経営分析,比較において判定評価すべき対象も基準も得られないことになり,不都合はますます強く感じられるようになった。勘定科目の標準案の作成について,さきの病院経営管理改善懇談会が勧奨し,厚生省医務局がその作成に乗り出すと同時に,日本医師会でもとりあげ,日本病院協会,全国自治体病院協議会などの積極協力参加もあって,極めて短期間に統一案がまとまり得たのは,機運がすでに熟成していたからであるといえよう。もちろんこの標準勘定科目は何等強制力をもつものではないし,各経営主体にとって最善のものではなく,不都合の点もあるであろうから,今後の普及にはまだまだ時間がかかるであろう。
このような状態では今のように病院経営問題が急迫をつげているとき,経営情勢の把握にもことを欠くし,病院としても経営分析,比較において判定評価すべき対象も基準も得られないことになり,不都合はますます強く感じられるようになった。勘定科目の標準案の作成について,さきの病院経営管理改善懇談会が勧奨し,厚生省医務局がその作成に乗り出すと同時に,日本医師会でもとりあげ,日本病院協会,全国自治体病院協議会などの積極協力参加もあって,極めて短期間に統一案がまとまり得たのは,機運がすでに熟成していたからであるといえよう。もちろんこの標準勘定科目は何等強制力をもつものではないし,各経営主体にとって最善のものではなく,不都合の点もあるであろうから,今後の普及にはまだまだ時間がかかるであろう。
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