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文献詳細

雑誌文献

病院23巻4号

1964年04月発行

文献概要

特集 医療社会事業

大学病院における医療社会事業

著者: 大島元子1

所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院医療社会事業部

ページ範囲:P.58 - P.62

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Ⅰ.はじめに
 最初に社会事業部が設けられたのは,1905年アメリカのマサチューセッツ綜合病院においてであるが,その創設に刺激を与えるとともに,それ自身成果の高かったいくつかの事業の一つに医学生の実際活動があった。
 すなわち,ジョンズ・ホプキンズ大学のH.M.ハード博士は1902年同大学の第4学年の学生を社会事業施設にボランティアとして派遣したが,学生達はそこで身体上の病気と家庭の環境条件との密接な関係を観察することを覚え,真に患者を知り,疾病を正しく理解し,「病める人」をいやすためには彼等が大学で学んだこと以外に多くの要因に考慮をめぐらさねばならないことを知った。そして,それぞれサービスした家庭の問題について討議するために研究会を持つようになった。当時ジョンズ・ホプキンズ大学病院の院長であったオスラー博士は,かねてから医師達が「病める人」として人間全体を対象にして医療を行なわれねばならない。それには身体的側面に家庭的,精神的,社会的側面をもあわせて対象とすることの必要性を痛感していたので,この研究会に深い関心をよせた。マサチューセッツのキャボット博士が,ボルチモアを訪問してこの学生の研究会に興味をもったのは1903年のことであるが,オスラー病院長はこの学生の研究会の経験を学生教育という面から取り上げた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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