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文献詳細

雑誌文献

病院24巻2号

1965年02月発行

文献概要

特集 病歴の中央化

病歴解析論

著者: 津田豊和1

所属機関: 1病院管理研究所

ページ範囲:P.56 - P.61

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1.病歴解析の意義
 とにかくまず過去1年間の全退院患者の病歴を読んでみよう。そうしたら病歴が何を無言のうちに訴えているかがよくわかってくる。病歴を正確に作成しておかなければならないことも,病歴中央管理,診療管理,あるいは病院管理の必要性や要点,さらにはわが国の医療全般に関する問題までも読む人の身近かにクローズアップされてくるだろう。そして病歴がこれら諸問題の早急な解決や対策を切望していることに気がつくであろう。
 記載不完全な病歴は読む人をして嘆かせるが,病歴を読んでその患者の既往や入院中の経過,治療の効果さらに退院後の措置などが医学的にも社会的(とくに医療社会事業関係)にもよく理解できる病歴こそ完全な病歴であるといえよう。書いた医師の記憶による補足説明がなければ,その大半を理解することができないような病歴からは,何の訴えも聞いてやることもできず,したがって医療に関する諸問題の提起も対策も非常にたち遅れてしまうことになる。またもしその医師の記憶がうすれてしまったり,あるいは病院を辞めてしまったらなおのこと,せっかくのあらゆる意味での貴重な資料も闇に葬られてしまうことになる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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