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文献詳細

雑誌文献

病院24巻2号

1965年02月発行

文献概要

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病院管理とカウンセリング・サービス

著者: 金子敏輔1

所属機関: 1神戸医科大学

ページ範囲:P.70 - P.76

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医療と宗教の結びつき
 古来から医術医療と宗教は切り離せない歴史的関係がある。東洋西洋の歴史にはいずれも医療の宗教的背景が強いが,病院医療からみれば西洋の病院は宗教とくにキリスト教に基盤をもって発展してきた。宗教団体が病院を開設経営し,シスターなどが一生を医療奉仕に捧げ,その宗派病院で看護から経営管理に当たっていることは昔から近代社会の病院につづいている。看護も教会が併設した診療所から病院へと発展の歴史を示している。近代病院の経営は欧米ではその大半が宗教団体によって運営され,アメリカではキリスト系のカトリック病院協会,プロテスタント病院協会はともに有力で強力の財的背景をもち近代病院医療の役割を果たしている。これらの病院のほとんどは病院内に礼拝堂やチャペルをもち,大多数は病院専属牧師,神父,伝導師をもち,宗教的精神指導を(Chaplaincy Service)行なっている。
 一方欧米とくにアメリカでは,諸外国で医療水準の低開発国に対して,宗教的医療活動をつづけているながい歴史をもち,医療伝導は今日ますます盛んで莫大な基金が,毎年キリスト系各派を通じて行われている。最近のアメリカ医師会雑誌によると,医学と宗教は近代歴史にみられないほど連結が深くなったとのべ,約50万に近い白衣の人たちと,黒衣の人たちが協同医療しているといわれ,この両者の関係が再検討され,保健と信仰は一致化されつつあるとみている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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