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文献詳細

雑誌文献

病院24巻8号

1965年08月発行

文献概要

特集 総合病院における精神医療

精神医療のうごき

著者: 鈴木淳1

所属機関: 1病院管理研究所・下総療養所

ページ範囲:P.15 - P.21

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大きな流れ
 哲学,社会学,心理学などの精神医学隣接諸科学は,今世紀になって,ようやく"人間存在"を追究し始め,それまで世間の片隅にうち捨てられていた,いわゆる狂人にも"人間理解"の眼が注がれるようになった。その結果,鉄格子のかなたにおしこめられていた精神病院入院者の処遇や,退院後の復帰能力がしろうとの識者の話題にのぼった。
 2回にわたる大戦は,国内や国家間の新旧勢力の交替,住民所得の平均化を招き,生活テンポの高速化と生活様式の変化は,情緒の不安定や心的緊張の高揚をひきおこし,社会の複雑多岐化は適応をますます困難にしている。これらの影響で,潜在精神障害者の顕化,行動異常者の増加,社会不適応者のひん出となり,健康者も生活基盤のもろさから,より確実なwell-beingをのぞみ,精神科学に人々は多きを求め,精神分析は流行し,精神衛生は日常語となった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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