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文献詳細

雑誌文献

病院24巻9号

1965年09月発行

文献概要

特集 病院業務の委託・外注

外注問題の基本的考察

著者: 石原信吾1

所属機関: 1虎の門病院

ページ範囲:P.17 - P.21

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1.「外注」の意味
 自給自足経済は,経済発達史的にみれば原始的段階に属するといわれる。その意味からいって,消費場面にせよ生産場面にせよ,そこで必要とするものを,何でもかでも自分で作り出さねばならないとする考え方は,遅れた考え方であるといわなければならない。しかし,これは何も生活や生産に必要な「もの」を作るという場合には限らない。それに必要な「こと」をするという場合にも当然あてはまるはずである。
 生活に必要な「もの」とは消費資材であり,生産に必要な「もの」とは生産資材であるが,今日のように交換経済の発達した時代に,それらの「もの」をみな自分で作らなければならないと考えるような人は,まずないであろう。「もの」についての場合はそうであるが,一方,生活に必要な「こと」,あるいは生産に必要な「こと」という問題になると,事情は多少異なってくる。人々の認識や考え方も,その点については必ずしも明確ではなくなる。それは「もの」の場合は手段的性格がはっきりしているが,「こと」の場合にはそこに目的々性格が加わってくるからである。そして,最終的には「こと」は,「生活すること」「生産すること」というように,それ自体がすべて目的というところにまで至る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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