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第16回日本病院学会特別号 パネルディスカッションの部
II.病院の放射線科はどうあるべきか(5月20日10:30〜12:00)
著者: 加納寛一1 宮川正2 野辺地篤郎3 堀内光4 浅井一太郎5
所属機関: 1東京厚生年金病院 2東京大学 3聖路加国際病院放射線科 4東京都済生会中央病院内科 5虎の門病院診療部
ページ範囲:P.65 - P.67
文献購入ページに移動放射線による診療が現代医学において必要欠くべからざる重要な分野をしめしているにかかわらず,独立した放射線科となると,その組織なり診療内容が各施設ごとにまちまちであって,統一されていないことは確かである。歴史があさいとはいえ,最近つぎつぎに設立される新しい診療科に較べれば,すでに壮年期にはいっているといえよう。要は放射線による診療が過去において単なる方法論的なものとして各分野にゆきわたり,発展してそのままの概念から脱しきれず,そのほうが各分野の医師として便利であり,また一方,放射科医師が個人では放射線診療の全体をカバーする能力に限界があること,放射科として放射線診療内での各分野のエキスパートを保持するだけの定員,あるいは組織が確立していないことによる。装置が高価であるために設備の点では中央化されつつあるが,放射線診療が日本的に画一されなくては,臨床放線医学が世界的水準から漸次おくれをとっていくことは確かである。放射科医師には診療サービス的人格と主治医的人格がある。前者は各分野(各診療科)の放射線診療にたずさわっている医師(いわゆるfack Radiology特にX線診断)と共同の場をもつことが現段階では大切であろう。後者は主として放射線治療に関することになるが,入院患者(ペッドの問題)などが討議されることになる。
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