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編集主幹ノート
著者: 吉田幸雄
所属機関:
ページ範囲:P.100 - P.100
文献購入ページに移動この補給の問題についてはこういう挿話があります。終戦後軍病院が国立病院として国民に開放されて間もない頃でした。占領軍からパージの旋風が巻き起こり,全国を吹き荒らしましたが,国立病院もご他聞にもれず,医師さえ元職業軍人は退職しなければならなくなりました。ましてや事務に働いていたものは貴重な元衛生兵もその対象となりました。事実,事務はこの人びとでようやく維持されていたので,何んとか少しでも確保するようにいろいろの理由を上げて司令部に抵抗しました。ところがその中で思いがけなく当ったのが用度係でした。「この職のものは除外してもよろしい。病院のsuply officerは容易に養成できないものである」ということで,X線や検査の衛生兵出身の技官と一緒にこの種の事務官だけは特に対象から除外してもらえることになりました。
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