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雑誌目次

雑誌文献

病院25巻4号

1966年04月発行

雑誌目次

特集 病棟の看護設備

病院の患者ベッドとその周辺

著者: 御巫清允

ページ範囲:P.23 - P.27

 病棟の看護設備の特集をされるに当たって,実はベッドの研究という命題をいただいたのであるが,私は病院ベッドについて特に研究しているわけではないが,幸いにベッドのことについて従来のものに対して不満をもっていることが知られ,その考えをはきださせたらという編集者の意図と思われる。したがって,とても詳しいデーターなどあげるわけには行かないことを,あらかじめお断りしておく。ただ一整形外科医として日頃考えていることを述べ,その正否を読者諸賢にご批判いただき,それがわが国の病院ベッドのあり方についていく分なりとも考える動機でも作り得るならば幸いと思って,あつかましく筆をとった次第。お許しを願いたい。したがって,もとより当を得ない点もあると思うが,ご叱正いただけることを期待している。

病院マットレス

著者: 倉田正一

ページ範囲:P.28 - P.31

 日本人の住生活は,最近かなり変わってきている。洋風化である。サンマの臭いの充満するリビングキチン,敷物のないリビングルーム,便所と風呂の同舟など,形式のみの模倣によるお笑いをおりまぜながら変ぼうをつづけつつある。ベッドの普及もめざましい。しかし大部分の日本人はいまだに畳にフトンを敷いて寝ていることと思う。畳が使われ始めたのは平安朝の由で,当時は床板の上に1枚の畳を置いて寝たのだそうである。1人必要占有面積は寝て1畳,起きて半畳合わせて1畳半という考えはこの辺からでたのであろうか。綿ブトンが出現したのは江戸時代になってからというから,昔,乾草や藁を地面に敷いて眠ったであろう先祖からみると,寝具の変遷もいちじるしい。
 最近はベッドへの憬れかどうかしらないが,ふんわりふわふわを看板とするフォームマットレスが普及しだして,敷ブトンを2枚重ねるなら1枚はマットレスでということで,宿屋などで大幅に採用されている。しかし,ベッドはそんなにやわらかな感触を与えるものなのであろうか。

病棟内の輸送設備

著者: 島内武文

ページ範囲:P.32 - P.42

1.病棟内輸送への要請
 世の中の事柄には時間と空間の両要素が関係していて,何か活動をするには人や物を動かしたり運んだりする仕事,すなわち輸送ということが伴うことが多い。しかし,輸送ということは通常,目的ではなく手段にすぎないので,結果として同じ状態に達するならば輸送はなるべく少ないことが望ましいのであって,何らかの工夫によって輸送がなくてすめば一層よいわけである。
 病院においては,患者の日常の生活が営まれた上に,これを診療看護する必要上から,患者自身を始めとして,衣食や診療看護に関する諸器材が多量に輸送されなければならない。そして医療の複雑な性格からいってその極類もはなはだ多様である。とくに患者の大部分が運動を制限されていることから,患者自身の輸送がしばしば必要であり,また衣服・食料・薬品などが患者の枕もとまで運ばれなければならないことも,病院ことに病棟において輸送の多い要因である。このように多種多様の輸送・運搬が必要であるばかりでなく,病院での輸送には次のような要請がある。

インターホンと呼出し装置

著者: 清水敏男

ページ範囲:P.43 - P.51

1.はじめに
 今日の病院管理においては,敏速な連絡は必要不可欠の条件であり,看護地域内での情報の伝達手段としてのインターホンの活用や,院内における呼出し,報知に拡声装置や無線呼出し装置を利用するなど,連絡業務の合理化を計ることは必然的ななりゆきでありましょう。病棟内では完全看護を目的とし,人員不足を補い,その労力を緩和するためにナース・コール・インターホンが一般的に使用されています。また院内における呼出しや放送には拡声装置に加えて無線呼出し装置が採用されつつあります。そこで今回は主としてナース・コール・インターホンと呼出し装置についてふれてみることにしましょう。

ユーティリティーの設備

著者: 内田卿子

ページ範囲:P.52 - P.54

 ユーティリティー(準備室)は,その病院の構造や配置により,広さも,物の置き方も多少異ってくる。
 ユーティリティーは病棟や看護単位に合わせて作られるもので,他の配膳室,リネン室,治療室,面会室などの一連の病棟の付属室であるが,どの場所よりも良く使用される所である。患者の看護に必要な物品や,材料が何時でも使えるように備えられ,また,看護処置の準備と後始末が行なわれる所である。それだけに,ナーセス・ステーションに近い場所で患者の所に行くにも早く行ける所にあるのが望ましい。また,後始末には洗い流す場所と十分な水や,時にはお湯も必要である。捨てる物を入れる容器も入用である。

諸外国病院の病棟看護設備

著者: 幡井ぎん

ページ範囲:P.55 - P.59

 昨年6月,西ドイツ・フランクフルトにおいてICN (国際看護会議)大会が10日間にわたり開催された。私はそれに参加する機会を得たので,その時期を利用して約2か月間を費してヨーロッパ諸国,アメリカ数都市をまわり約10か所の病院を見学した。しかし期間が短いこともあって細部にわたってその長所短所を論ずることはできないが,まず目についた病院の設備,看護要具についての一端を紹介してみたい。
 見学した病院のほとんどが千床〜2千床の病床を持っていた。近代建築の病院もあり,なかには百年以上を経た老朽の病院だと説明を受けた病院もあったが,それにもかかわらず,実に整備が行き届き,くすんだ美しさをたたえたそのたたずまいは,むしろ好ましい感じさえ抱かされた。建築様式が日本とは根本的な違いがあったにもせよ,日本の創立百年目の病院との現状における違いがあまりにも大きいことに,まず驚かされた。

わが病院のくふう

注射用スタンド

著者: 出垣冴子

ページ範囲:P.60 - P.62

 看護設備には,科学的技術が必要とされるが,患者の生活にジカに接している者の小さな創意くふうが,大きな効用をもたらすことも,いうまでもない。そこで,"体験の科学"を2,3紹介していただいた。

病棟内の掲載板

著者: 岡本恒美

ページ範囲:P.62 - P.64

1.はじめに
 四国中央病院では,「患者と職員と病院を結ぶ新聞」をキャッチフレーズとした院内新聞が毎月発行されておりますが,この中に「私の提案」欄を設け患者ならびに職員から病院運営上の建設的な意見や,創意くふうを投稿してもらっています。提案されたよい意見に対しては,病院運営委員会で審査し,内容に応じた記念品をお贈りし,謝意を表することにしていますが,標題の掲載板を作ったのも,発端は,患者さんのご意見からでした。
 私たちが,病室を訪問して眉をしかめたくなるのは,患者さんが毎日の無聊を慰めるために,病室内の壁やロッカーにベタベタ貼られた写真やグラビヤです。また病院から患者さんたちに知らせる掲示にしても,不揃いな用紙に画一的で無味乾燥な文句が並んでいて,いくら麗々しく貼られていても,無視されがちになります。そこで当院では,前述のとおり患者さんのご意見を採用し,病室内に各個人用の掲載板を設け,ベタベタ貼紙をなくし,また病院の掲示用紙を統一することによって,院内の美観を少しでも損わないように努力していますので,その一端をご報告いたします。

スケジュール・グラフボード

著者: 鹿内俊江

ページ範囲:P.64 - P.68

 これは,元来アメリカの企業界で生産管理・販売管理などに使用されているもので,全国にある労災病院の経営を主掌している労働福祉事業団が病院の看護部門にとり入れるよう提唱したもので,一口でいえば,病棟での予定された診療および看護業務が正確にかつ能率的に処理されることにより,看護管理の円滑化をはかるために使用されているものである。

座談会

病棟の看護設備をめぐって

著者: 原素行 ,   酒井政子 ,   倉持一雄 ,   横川敬子 ,   渡辺久子

ページ範囲:P.70 - P.81

 看護設備は患者を中心にして考案,くふうされるべきことは,いうまでもない。しかし,実際に働く人びとにとって使いやすいということも大切なことであろう。そこで今回は,現場の方がたに看護設備の問題点や注文を話し合っていただいた。いわば"現場の声"である。

グラビア

結核医療から総金病院へ—公立学校共済組合関東中央病院

ページ範囲:P.5 - P.8

 第16回日本病院学会の開催を担当する関東中央病院(東京都世田谷区玉川用賀町3丁目15番地)は、オリンピックで活躍した馬事公苑の近くにある。
 明治28年に公立学校の教職員とその家族を対象として、おもに結核療養に重点をおいて出発したが、昭和31年より33年にかけて増改築を行ない、総合病院としての体制をととのえ公立学校共済組合の関東ブロックの中央病院となった。

ここにも光を—重症心身障害児施設 島田療育園

ページ範囲:P.9 - P.12

 病院は病んだり、傷ついたりした人びとをなおし、社会に復帰させる。しかし、はじめから生活機能を失って自立できない人びとはどうなるのだろう。
 重症心身障害児ということばは決して明るくはない。世の中の人は、ここまでかまっていられないというのであろうか。この子どもたちのための施設はわずか3か所しかない。島田療育園(東京都南多摩郡多摩町)はその中で一番古く、昭和36年5月に開設された。島田伊三郎氏の寄付をもとにして、園長の小林提樹先生の熱意が、この子どもたちにわずかの光をさしこませた。そして、その光を守るために善意の人たちが毎日努力し、そして悩んでいる。

第16回日本病院学会ニュース

第16回日本病院学会の開催に当たって

著者: 中島克三

ページ範囲:P.13 - P.13

 昨年の京都の日本病院学会で,美甘院長が今年の会長に指名され,わたくしが幹事長の役を仰せつかるハメになってしまった。学会の世話役をお引き受けしたからには何か新機軸を出してみたいと思い,その運営についていろいろと工夫を試みた。
 その1つが専門集会である。これが学会に登場して以来数年になり,年々改善されて参加者も多くなって来たが,せっかくよいテーマを並べておりながら,従来は会場が数か所に分散して同時に行なわれたために,全部を聞きたいと思っても,どれか1つで我慢せねばならなかった。そこで今回は会場を1つに絞って,どれでもお望みの演題を聞くことができるようにプログラムを組んでみた。歓迎されるだろうと思う。

第16回日本病院学会プログラム

ページ範囲:P.14 - P.18

会期:昭和41年5月18(水),19(木),20(金)日
場所:渋谷公会堂(○印は発言者)

日本病院学会会則

ページ範囲:P.19 - P.19

(名称)
 第1条本会は,日本病院学会と称する。

日本病院学会評議員

ページ範囲:P.20 - P.20

北海道佐川誠一(江別市立総合病院長・故人)
奥田義正(斗南病院長)

病院の広場

病院監視と病院経営管理指導要領によせて

著者: 宮崎達

ページ範囲:P.21 - P.21

 年度末になると,例年のごとく,保健所病院医療監視が行なわれる。病院監視が,現在のような形式で開始されたのはたしか昭和23,4年頃ではなかったかと記憶しているが(この点に関してはあまり自信はない),いずれにしても,時代がマニトフ旋風など進駐軍の威勢の強い頃であり,調査に当たる県や保健所もまた調査される側の病院も皆随分緊張して,病棟内外の清掃だ,破損個所の修繕だ,帳簿の整理などと大騒ぎして万全を期した想い出がある。お蔭で,前近代的な運営のオンボロ病院もどうやら最低の基準には合格するようになり,全体として,わが国病院の向上発展には随分役立ったものと思う。
 ところで戦後20年,わが国の病院も中央地方を問わず近代的な立派な建築と設備を誇り,物的,人的な診療内容も格段に充実して来た今日では,この監視制度もマンネリズム化したとでもいうか,監視する保健所も受けるほうの病院も,何となく年中行事をお座なりにやっているといった感じがないでもない。調査内容は,もちろん少しずつ改廃されていってはいるが,基本線は何といっても昔年のそれと大差なく,今日の病院を測る物差しには適合しなくなっていると思う。

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武藤多作(松江赤十字病院)院長を偲んで

著者: 神崎三益

ページ範囲:P.69 - P.69

 「病院」3月号をみると,まるで武藤院長の死が予期されていたような編集ぶりだ。彼の巻頭言,彼がお世話した日病の山陰地方病院視察旅行のグラビア,偶然といえば偶然だが,あまりにも武藤院長がクローズアップされている。彼から病院をとったら何も残らない。そんな男の死んだ月に出た「病院」だから,こうあっても不思議はない。私に追悼文をかけとのことだが,彼の追懐はそのまま私の自叙伝にもなる間柄,とても示された字数には収まらない,無理な注文だ。
 彼との出会いは,今から51年前,大正4年に岡山の六高三部にはいった時,それから東大,日赤とずっと同じ道を歩んできた。

編集主幹ノート

著者: 吉田幸雄

ページ範囲:P.100 - P.100

 ようやく陽春をむかえましたが,第16回日本病院学会が目前に迫りつつあります。幹事長中島先生の用意周到な準備も完了し,開催を待つばかりです。本号の巻頭にはその計画の全貌が発表されました。内容といい,会場といい,読者とともに大いに期待しましょう。
 さて本号は,「病棟の看護設備」を特集しました。病棟の設備についてはまず患者の療養の場として合理的でなければなりませんが,看護が合理的に行なえねばならぬでしょう。病棟は単なる患者の部屋ではありません。病棟こそ病院の本質の看護や診療が行なわれる場所であり,看護要員がこれらを実際に行なう場所であります。この病院で最も関心を持たねばならぬ場所の設備について,どれだけ真剣に検討がなされたかというと案外ないので,今回これをとり上げることにしました。

院長訪問・9

—社会保険中央総合病院長—渡辺茂夫先生

著者: 岩佐潔

ページ範囲:P.87 - P.87

 われわれの病院管理研究所前面の道路を西のほうに10分も歩いて,渋谷から池袋へ行くトロリーバスの道路を越えると社会保険中央総合病院があって,現在増改築を進めている。
 小さな個人病院であったのを社会保険協会が買収して,社会保険山手病院としたのが昭和22年のことであるが,その後,鉄筋コンクリートの本建築になり,昭和28年には八田善之進先生を院長に迎えて300床の社会保険中央病院となった。渡辺先生は八田先生の辞任後昭和38年に同じ社会保険の中京病院から移って当院院長となり,現在当院の拡充強化を計っている。この病院は保険庁が健康保険の特別会計から建築および設備費を支出し,全国社会保険連合会が開設している70病院中の1つである。すなわち厚生年金病院や船員保険病院と同じ国有で,しかし法人が経営し,減価償却を含めて経常費は独立採算で賄う病院なのである。政府管掌の被保険者を対象とした病院であり,また保険のモデル的運営をすべき病院であるが,現在の健康保険の医療費では十分満足な医療サービスの提供ができない事が先生の悩みである。

私の一週間

若さあふれる"御用聞き"

著者: 鈴木博通

ページ範囲:P.88 - P.90

 "病床係"…生まれてまもない職場——ベッドをコントロールする司令部——である。大安吉日ともなれば,ワンサと出る退院者でテンテコマイ。世の哀楽と無縁ではない。若さで張り切る"ベッドの御用聞き"ぶりは…。

病院図書館

—近藤文二編—「医療費問題」

著者: 川上武

ページ範囲:P.91 - P.91

医療費問題を与える好材料
 医療問題が医療費問題としてクローズアップされてくるところに,わが国の医療の不幸がある。勤務医師・看護婦の不足,インターン問題にみられる医学教育の混迷,医療機関の都市集中,保健所の動脈硬化など,どれ一つをとってみても簡単に解決できる問題ではない。これらは根源的には,医療経済というよりむしろ国の経済・政治のあり方と密着しているので,医療費問題の部分的解決だけではどうにもならない性格をもっているはずである。
 ところが,現在の医療機構を自動車にたとえれば,ボデーや運転者の問題は現状のままで無理おしするとしても,ガソリンのほうはやりくりできないといった形で社会問題になっているのが,いまの医療費問題である。このような発想にたてば,ガソリンの単価とガソリン消費の増大の直接的原因のみに分析の視角がむくのも当然であろう。「問題だらけの医療費」(健保連,昭和40年8月)もそうだったが,「医療費問題」にもこの傾向がうかがえる。

ホスピタルトピックス 診療

医療費の問題

著者: 佐分利輝彦

ページ範囲:P.92 - P.92

 医療産業は第3次産業に属している。第3次産業は,周知のように,第1部門:運輸・通信業・ガス・電気・水道業,第2部門:卸売・小売業,金融・不動産業,第3部門:サービス業(飲食・娯楽・保健・自由職業など),第4部門:公務,軍隊,の4部門に分類されるので,医療産業は第3次産業のなかの第3部門であるサービス業の範ちゅうにはいることになる。
 ところで,人びとが第3次産業に要求しているものは,具体的な形をもった"物財"ではなく,目に見えがたい性質をもつ"サービス"である。第3次産業の多くのものは,このサービスを作りだすさいに,第2次産業のとくに重化学工業に比べて,物的な資本,とくに"機械設備"よりも"人間"にたよる面が相対的に大きい産業である。したがって,第3次産業は,全体として"物財の経済学"とはやや性格のことなる"サービスと人間の経済学"が必要な分野だということになる。つまり,第3次産業の提供するサービスについては,工業が提供する商品に焦点をあわせて構成された経済学の仮説や用具は,そのままの形ではあてはまらない。このため,サービスの料金には,普通の需要供給の原理そのものは適用しえないのであって,市場機構を通ずる需要・供給の原理と,社会的・公共的な配慮との併用によって価格が決まるという意見がだされた。

給食

給食と衛生

著者: 森田百合子

ページ範囲:P.93 - P.94

 古い諺に「食は命なり」といわれているとおり,病院における患者給食の使命は病気を直すために入院してくる人たちに対し栄養を提供する--食事を供する--ことである。
 この病院給食において,美味,衛生のいずれが優先するか,という質問をうけたことがあるが,病人の食事である以上何よりもまず衛生的であることが当然であろう。

建築設備

ICUの照明

著者: 伊藤誠

ページ範囲:P.94 - P.95

 既設の病院にPPC方式を導入しようとする場合,一般には,病棟に相応の改装がほどこされることになる。しかしIntensive Care Unitだけは新たに建設されるのがふつうであろう。建築的にも設備的にも高度の機能を求められるがゆえに,若干の改築程度では解決が困難だからである。医療的な諸設備は別にして,温度・湿度・照度といった物理的な環境条件の調整だけについても問題は複雑である。
 たとえば,照明ひとつをとりあげてみても,そこには診察室・処置室・救急室・看護婦ステーション・病室としての諸条件がひとつの空間に重複してもとめられる。いいかえると,小手術の場から絶対安静の場までをも含む幅の広い要求に対応していかなければならない。照明設計としては大変厄介な課題である。これに対する解決への一提案として,最近のアメリカの照明学会誌が,ノースカロライナ・バプティスト病院のICUを紹介しているので参考のために抄訳しておこう。

特殊病院

デンマークのデイ・ホスピタル

ページ範囲:P.95 - P.95

 昨年創刊された国際病院学会の機関≪世界の病院≫第1巻・第5号(7月号)に,デンマークのエルズノール所在のモンテベロ神経サナトリウムに付設されたデイ・ホスピタルの論文が掲載されている。
 デンマークの精神病床数はすでに人口1,000に対して4であるが,英国の経験を参考にして,精神病院を半減ないし2/3に減床せしめようとし,それには精神障害対策の前進化を図り,デイ・ホスピタルを設置することになった。

霞ガ関だより

国際疾病分類の修正について

著者: 糸永義明

ページ範囲:P.96 - P.98

 現在,各方面において膨大な数の死因統計および疾病統計が取られているが,これらの統計を相互に比較検討するためには,当然これら統計相互間の共通のものさしとなるべき病名の分類基準が必要となってくる。独自の分類で集計された統計は,それ自体に価値を有するものであるが,他の類似の統計と比較検討ができないものであっては,その統計のもつ価値も半減してくる。
 このことは,単に1国の統計を相互に比較する際にのみ見られることではなく,国際間の統計の比較検討の際にも当然考えられることである。

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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