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研究と報告【投稿】
病院における医用写真室のあり方について
著者: 塩見二郎1
所属機関: 1京都逓信病院放射線科
ページ範囲:P.73 - P.76
文献購入ページに移動ダゲール,タルボットらによって写真術が開明されてから数十年にも満たない昨今,その進歩発達は瞳目すべきものがある。また表現芸術としての写真もこの十年ほどの間にしっかりと根をおろした感じである。一般分野はいうに及ばずわれわれの関係する医学的部門においてもその有用性は今さら論をまたない。すなわち,医用写真における写真の最も大きな役割は,その忠実な記録性が第1にあげられる。より正確に,より純粋に,客観的に証明し得る手段としての写真こそ,医用写真における根本大義である。
しかしながら,これらのことを医用写真に望むには,現在得られている写真技術を医用部門においても最高度に利用し,この技術の正確性を基調としなければ医用写真としての価値は半減してしまうことは誰しも感ずるところである。一般写真術に秀でていることがすなわち医用写真に忠実であるという証明にはならず,また,それぞれの医用部門の正確な知識と観察的理解能力のない者には,医用写真を取り扱う資格は生まれてはこない。
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