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研究と報告【投稿】
急性腹症と地域総合病院の役割
著者: 四方淳一1
所属機関: 1東京都立墨東病院外科 2東京大学
ページ範囲:P.73 - P.77
文献購入ページに移動筆者が昭和37年5月に墨東病院外科医長として赴任した際に,筆者の前任者であった杉原礼彦院長が次のごとき信念を述べられた。すなわち,"大学病院は奇病を治すところであるが,都立病院は救急患者を取り扱うべきところである"と。筆者は腹部外科医であるのでその前任者からの申し継ぎ事項を守って"急性腹症"をハウプトテーマとして,研究に治療に励んできた。
病院の役割には,ジックリと診断し治療する慢性的なものと,マッタなしの急性的のものとある。病院の地域性という時は後者のほうが関係深い。急性病のうち交通災害,頭部外傷など最近大きくクローズアップされたが急性腹症もこれにおとらず重要である。この意味において筆者の病院のデータより,この問題を追求したい。
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