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文献詳細

雑誌文献

病院26巻10号

1967年10月発行

文献概要

特集 看護婦と与薬

与薬における看護婦の責任と法律上の問題

著者: 山田里津1

所属機関: 1厚生省医務局看護課

ページ範囲:P.18 - P.19

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注射行為における過失が多い
 看護の責任として次の2点をあげたい,1)間違いなく正確にその患者に与えること。2)薬剤師の管理からはなれている薬物の保存,たとえば病棟,外来などで,日常多く使用される薬物は,看護婦は責任をもって管理すること。
 薬物を正しく取扱うには,薬物の主作用とその副作用をよく知悉し,副作用については早期に発見し適切な処置がとられなければならない。また薬物の効果判定など,患者の観察は看護の重要な役目であり責任である。看護行為には誤ちは許されないのであり,過失によって相手に傷害を与えた場合は,刑法第211条により業務上過失致死罪として刑事責任を問われ,そのほか民法第709条による不法行為として民法上の賠償責任を問われる場合があり,さらに,保健婦助産婦看護婦法によってさらに行政上の責任を問われることがある。行政上の責任というのは行政処分であって,情状により免許の取消しまたは一定の期間業務停止がなされることがある。しかし刑罪の重さと行政処分とは,必ずしも一致するとはいえない。看護婦として最も多い医療事故の判例をみると,ほとんどが注射行為による過失である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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