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文献詳細

雑誌文献

病院26巻11号

1967年10月発行

文献概要

第17回日本病院学会臨時増刊号 パネルディスカッションの部 座長報告

—5月25日(木)16.00〜17.15—複廊下病棟

著者: 吉田幸雄1

所属機関: 1厚生省病院管理研究所

ページ範囲:P.76 - P.78

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 1941年アメリカのNeergaardが初めてこの方式の設計を発表した。その後次第にアメリカに普及し,戦後欧州ならびに日本に流行しはじめた。日本最初のものは1958年の虎の門病院である。
 従来の病棟は片廊下または中廊下方式であるが,この方式は病棟内に二本の平行する廊下が存在するゆえに複廊下式と名付けられる。そのねらうところは矩形の周囲に病室を並べ,複廊下の挾むところにサービスの部屋をまとめたものである。たまたま二本の廊下のあるところから複廊下式double corridorといわれているが,芯の存在の意義から考えるならば,芯式コア・システムの一種類とも考えられる。本学会ですでに円形病棟がとり上げられたが,芯式としてはこの円形病棟が理論的には最も看護婦の動線を短かくするものであるが,円形からくる他のいろいろの欠陥があることがわかった。したがって複廊下方式は,従来の中廊下方式とこの円形方式の中間のものとして魅力があるわけである。しかし,病室の規模および配置の仕方,あるいは中心のコアの構造などによっては必ずしも動線を短かくしないこともあるし,また病棟面積も作り方によってより広くなったり,またコアの部分は自然光線が入らず,通風も悪いために,人工光線や空調を必要とすることが多いなどの経済的に負担が多くなるなどの欠点がある。したがって複廊下方式を採用するには,その長所を生かすとともに欠点について十分検討されねばならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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