文献詳細
特集 病院の倫理
文献概要
はじめに
われわれが人間存在というものに深く思いを至すとき,そこにどうしても倫理の問題に当面せざるをえない。病院経営についても同じである。人間も病院もともに社会的存在体であるところにその理由があるものと思われる。和辻哲郎博士によれば,倫理とは「人々の間柄の道であり秩序であって,それあるが故に間柄そのものが可能にせられる」ものであるという。つまり,倫理は人間個人にせよ個々の病院にせよ,それぞれの存在体が具体的によって立つところの社会共同体の可能根柢であるというのである。
しかし,そうした根柢的思惟は,われわれの日常行動の中では,ふつうとかく忘れられがちであることも否定できない。そこに倫理よりの逸脱が生れる。逸脱とは一種の欠如態である。そうした欠如態において,まさにかくあるべしという当為の命題がはじめて意味をもって登場してくる。
われわれが人間存在というものに深く思いを至すとき,そこにどうしても倫理の問題に当面せざるをえない。病院経営についても同じである。人間も病院もともに社会的存在体であるところにその理由があるものと思われる。和辻哲郎博士によれば,倫理とは「人々の間柄の道であり秩序であって,それあるが故に間柄そのものが可能にせられる」ものであるという。つまり,倫理は人間個人にせよ個々の病院にせよ,それぞれの存在体が具体的によって立つところの社会共同体の可能根柢であるというのである。
しかし,そうした根柢的思惟は,われわれの日常行動の中では,ふつうとかく忘れられがちであることも否定できない。そこに倫理よりの逸脱が生れる。逸脱とは一種の欠如態である。そうした欠如態において,まさにかくあるべしという当為の命題がはじめて意味をもって登場してくる。
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