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文献詳細

雑誌文献

病院26巻6号

1967年06月発行

文献概要

特集 病院の倫理

病院の経営倫理に関する基本的考察

著者: 石原信吾1

所属機関: 1虎の門病院事務部

ページ範囲:P.29 - P.32

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はじめに
 われわれが人間存在というものに深く思いを至すとき,そこにどうしても倫理の問題に当面せざるをえない。病院経営についても同じである。人間も病院もともに社会的存在体であるところにその理由があるものと思われる。和辻哲郎博士によれば,倫理とは「人々の間柄の道であり秩序であって,それあるが故に間柄そのものが可能にせられる」ものであるという。つまり,倫理は人間個人にせよ個々の病院にせよ,それぞれの存在体が具体的によって立つところの社会共同体の可能根柢であるというのである。
 しかし,そうした根柢的思惟は,われわれの日常行動の中では,ふつうとかく忘れられがちであることも否定できない。そこに倫理よりの逸脱が生れる。逸脱とは一種の欠如態である。そうした欠如態において,まさにかくあるべしという当為の命題がはじめて意味をもって登場してくる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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