icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院26巻6号

1967年06月発行

文献概要

病院図書館

—菅谷 章著—「看護労働の諸問題」

著者: 佐口卓1

所属機関: 1早稲田大学

ページ範囲:P.37 - P.37

文献購入ページに移動
実態の分析から問題を摘出
 看護婦が,その高い職業理論をもたねばならず,またもつことが要請されても,今日の社会にあっては基本的には婦人労働者である。この職業倫理と労働者とを対立的にとらえることから多くの問題が発生しているとみてよいであろう。そして多くのばあいに,この対立が管理者と従事者のそれとなって現われてくるところに困難な事態があったとみられる。だが,職業倫理の要請は適正な経済的条件の裏づけによって可能となるし,まずもってこの対立的関係をとぎほぐしていくことからはじめられねばならない。
 いま看護婦をめぐる諸問題をとりあげるときに,以上のような視角をもつことによって,いうなれば社会科学的な問題のとりあげ方によって,今日の意義を明らかにすることが可能であると思われる。この点では従来は一部の評論家などによって断片的にとりあげられたにすぎなかったが,今回は菅谷氏によって全く専門的領域にふみこんだ著書をまとめられたのであって,関心をもつものにとってまことに喜ばしいことである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら