icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院26巻7号

1967年07月発行

文献概要

病院図書館

—浅賀ふさ 監修—「医療社会事業事例集」

著者: 中重喜代子1

所属機関: 1杉並西保健所

ページ範囲:P.32 - P.32

文献購入ページに移動
患者を人間としてみる
 この本は,第1部と第2部からなり,第1部にはわが国の医療社会事業の歴史と,内外の同事業の実際が浮きぼりにされている。限られた面でしか接していない私は,まずこの事業の広さと深さをあらためて認識した。たとえば脊髄損傷者のリハビリテーション過程で,あるいはハンセン病院において,また,死を目前にした患者に対した時の,それである。そこに人が生活していたから,そしてそこに障害や悩みがあったから,と言われればあまりに当然のことであるけれども……。この事業が医療ティームの中で大そう重要な役割を占めているものであり,その活動は,場合によっては保健婦活動と非常に近いものであるということも知ることができた。
 第2部には実際の業務にたずさわっている医療ソーシャルワーカーの方の事例16例が収められている。生きた記録は不思議なほど大きな力をもつ。たとえば重症の身障者が,絶望の中からどのようにして生きる力を,さらに社会に復帰しようという意欲を自分自身でかちとることができたか,そこには医療ティームのどんな支援がなされたかなど,私達にいくつかの示唆を与えてくれる。これはリハビリテーション関係の書物にもあまり書いてない。医学書を基礎とした教育を受けることが多かった私達にとって,あるいは看護教育の場においてこのような事例集のはたす役割は大きいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら