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雑誌目次

雑誌文献

病院27巻12号

1968年11月発行

雑誌目次

特集 物の搬送

病院における物の運搬

著者: 石原信吾

ページ範囲:P.19 - P.21

はじめに
 移動と運搬とは違う。同じくA点からB点へ物の位置を移すことであっても,移動のほうは場合によればそれ自体目的となりうるものであるが,運搬はあくまでも手段としてしか考えられないものである。また,移動は‘1回終結性’が強いが,運搬のほうは‘くり返し性’がつよい。そうなると,そういう運搬という問題を考える場合,その主要テーマが合理性および能率性の問題に集中するのは当然であろう。もし,ある目的のためにくり返し行なわれる運搬という作業に不能率な点があれば,それは全体としての業務の運営上に大いに影響することになるからである。
 病院の業務全体について考える場合にも,そこに運搬という作業をなしにすますということは,どうしてもありえない。ありえないどころか,それは相当大きな比重をもつ。運ばれる物の種類は多種多様であり,その動線はまた縦横に入り組む。したがって,病院管理上,この問題はひとつの重要なテーマとなるべきはずのものであるのに,なぜか従来はあまり大きく取りあげられることがなかった。いわばそこでのひとつの盲点であったのである。盲点であれば,それはいつかは取り除かなければならない。それがこの問題を今月号の特集にした理由である。以下,序説的にこの問題をながめてみよう。

搬送の中央化は可能か

著者: 落合勝一郎

ページ範囲:P.23 - P.25

はじめに
 私に与えられた題は"運搬の中央化は可能か?"ということである。
 はじめに結論を出してみよう。

病棟内の物の運搬

著者: 吉武香代子

ページ範囲:P.27 - P.30

はじめに
 病棟の中で"もの"を運搬する機会は数かぎりない。これらの物品をどんな方法で運搬するかによって,看護婦がそのために費やすエネルギーも時間も違ってくる。患者の直接看護により多くの時間を投入するために,患者からはなれた"もの"の運搬に関しては大いに能率をあげるくふうが必要と思われる。
 本稿は病棟外から病棟内に物を搬入する方法にはふれず,病棟内部における移動に限定して考える。なお当然のことながら,患者の輸送の問題は除外した。

特殊運搬について・1

塵芥・汚物およびリネンの運搬

著者: 吉川遼 ,   伊瀬寿子

ページ範囲:P.31 - P.35

はじめに
 病院としては,まことに末端の機能ではあるが,そうかといって一時もおろそかにできない業務の1つに物の運搬がある。この業務は,大きくは病院管理上・建築上からも重要なことになるが,われわれハウスキーパーの立場から考えても,病院ハウスキーピング業務の1つとなっていて,1日として休むことのできない重要なものである。1日病院内にいて観察すると,全く驚くほど,物の運搬が縦横左右に休みなく行なわれていることに,いまさらのように目を見張るのである。
 手術関係器具・薬品類・リネン類,さらにごみ厨芥や検査物の運搬,備品・消耗品・食料品などの運搬が,作業員・ナース・業者などの手によって,なんらかの形で,どの日に限らず,病院のどこかで必ず行なわれている。これだけ多くの運搬が何の制限もなく,効率も考えずに行なわれているとしたら,いろいろの支障が起こるだけでなく,全く驚くほどのむだな結果になるのは当然である。

特殊運搬について・2

危険重量物の運搬

著者: 川勝好重

ページ範囲:P.37 - P.37

物品受け渡しの経路
 病院ほど,物品の品種の多いところはないと思うが,それを運ぶという仕事がまた複雑である。一般会社なり工場なら,倉庫へ行けばあらゆる物品は請求できるが,病院の場合は,それぞれの物品を,それぞれの部門へとりに行かねばならない。
 当院では,上記経路を経て物品はいきわたる。

座談会

病院における物の搬送と建築設備

著者: 石原信吾 ,   渡辺茂夫 ,   伊藤誠 ,   上林三郎 ,   横山すゞ

ページ範囲:P.38 - P.48

病院における物の搬送--これがまったく仕末におえないのは,運ぶ方向が四方八方,運ぶ物も千差万別,そのうえめっぽうその数は多いということ。運搬に要する人手と手間は,早晩機械にかわってしかるべきものではあろうけども……

グラフ

搬送車のくふう—聖路加国際病院虎の門病院武蔵野赤十字病院

ページ範囲:P.5 - P.8

 物や人を運ぶのには車が利用される。車にのせれば,まとめて移動させることができ,また移動の労力が軽減される。
 病院では,治療や看護のために車を利用することが多い。既成品を用いることもあるが,いろいろくふうして車を考案しているものもある。そこで,実際にどういう車が考えられ,使われているのかを見ようと,聖路加国際病院,虎の門病院,武蔵野赤十字病院の中をあるいてみた。病院管理の"こころ"というものは,こういう用具にもおよんでいるものだと感じた。

グラフ

名古屋大学医学部付属病院高気圧治療室

ページ範囲:P.9 - P.12

 名古屋大学医学部付属病院は世界でも異色とされる総合的高気圧治療施設を,昭和43年3月に竣工した。内部には,主として手術に用いる大型の高気圧治療室,小型高気圧酸素治療装置を収容した治療室,ICU,検査室などが設けられている。将来,さらに2基の高気圧治療装置の増設が予定されている。
 建築総面積470m2,総工費2981万円。高気圧治療室は7800万円。

病院の広場

精神科病院の一隅から

著者: 鈴木喬

ページ範囲:P.17 - P.17

 近年,精神病院のあり方が国内的にも国際的にも注目され始めた。国内的には,昭和32年結成された"病院精神医学懇話会"が本年度から"病院精神医学会"に発展したし,国際的にはWHOの専門委員会が精神病院問題をとりあげ,昨年暮以来英国精神病院協会のD. H. Clark博士の日本の精神病院視察があり,そのレポートがこのほどWHOを通じて厚生省に報告された。
 一般に,精神病院の任務は精神障害のため社会性を失なった人に対して,再び社会に適応できるように医学的に指導することである。したがって病院の建築や運営方針はもちろん,その他すべてが患者の社会再適応を促進させる方向に向かわなければならない。しかしながら,しばらく前までは精神病院といえば危険な患者を収容する施設としか考えていない者が多かったのである。たしかにかつてはたくさんの閉鎖病棟を持ったcustodial (拘束的)な運営が精神病院の主流を占め,患者の再適応よりは患者を社会から隔離する方向をとっていた時代もあったし,まだこのような段階からじゅうぶんに脱けきっていない病院もある。だが,現在の主流は再適応のために開放管理(open door policy)をとり入れた社会復帰(rehabilitation)を主軸としたtherapeutic (治療的)な運営に方向づけられ,精神病院の体質はいちじしく改善されつつある。

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滅菌の原理と実際(11)

著者: 牧野永城

ページ範囲:P.50 - P.50

VIII.乾燥と冷却
 滅菌材料内の湿気の温度は,滅菌の最中は周囲の蒸気と同じになっているが,滅菌が終わって蒸気を放出して内罐圧を下げると,その湿気は材料のもつ余熱と外罐に継続して供給されている蒸気の熱で蒸発する。乾燥の問題は,この内罐内の蒸発気体をどうして早く除去するかに帰着する。古くは罐体内にある陰圧をつくってやりさえすれば,乾燥が満足に行なわれると考えられたことがあるが,やがてこれは誤りで,通常の滅菌器ではせいぜい(−)250mmHgの陰圧しかつくれず,たとえ(−)500mmHgにもっていっても罐体内の1/3の気体は除去できないから,ある時間以上たてばその陰圧を維持する努力はむだであるといわれるようになった。
 最も簡単な乾燥の方法は,外罐圧を維持したまま,罐体内圧を0にした後,扉を0.5cmくらいあけて蒸気がにげるようにしてやる。この方法では約20分ほどで乾燥するが,欠点は蒸気が室内に逃げることである。また材料が湿気を含んでいるうち外気を吸いこむことによる汚染の危険もあり得るとして反対する人もある。

精神病院に対するWHO顧問の意見

著者: 鈴木淳

ページ範囲:P.53 - P.58

はじめに
 わが国の精神病床数は近来とくに増加し,かつての努力目標‘人口1万対精神病床20’に近づいている。また一昨年精神衛生法をあらため,精神衛生センターも1969年まで46に達しようとしている。今後に残された問題としては公衆衛生活動との統合,地域医療資源との協同化である。
 日本の政府はこの現況を見直し,評価し,助言してくれる専門家の派遣を,とくに英国の精神科医Dr. Maxwell Jonesの来日を世界保健機構(WHO)にたのんでいた。Jonesのかわりに,Dr. David DlarkがWHOのConsultantとして咋年11月来朝した。彼は1920年生まれで,Cambridge大学を卒業し,Edinburgh病院(院長はHenderson)とMaudsley病院に勤め,精神科専門医となり,1953年にはFulbourn精神病院長に就任し,Cambrige大学の講師を兼任している。1963年には米国Stanfordの行動科学研究所員となり,"Administrative Therapy"(拙訳:精神科医の役割,医学書院,1968.)を著わしている。彼は3か月間東京にとどまり,その間に9県を旅行し,精神病院15,精薄施設7,精神衛生センター5,大学5を訪ね,帰英後にWHOに報告書を提出した。

名古屋大学医学部付属病院高気圧治療室

著者: 榊原欣作 ,   森澄 ,   榊原文作 ,   鷲津卓爾 ,   高橋英世 ,   川村光生 ,   小西信一郎

ページ範囲:P.71 - P.77

高気圧環境の医学的応用
 大気圧よりもたかい気圧環境を医学,とくに医療に応用しようとした試みはすでに1600年代に認められる。しかし進歩した現代科学を基礎とした高気圧環境の臨床医学への導入は,まだ比較的新しく,1950年代になってからのことである。
 今日,臨床医学の各領域で注目を集めている高気圧酸素治療(または高圧酸素療法) hyperbaric oxygen therapyはその一分野であって,わが国でも最近次第に普及の傾向をみせている。この高気圧酸素治療の基本的な概念は血液ガスの生理学の基礎の上に立っている。大気圧下に生体がおかれているとき,肺において空気から血液中に摂取された酸素は赤血球中のヘモグロビンと結合して,生体の全組織へ輸送され,この酸素を消費して生体はその生命を維持する。一般に正常人の動脈血には酸素が約20Vol%(血液100mlあたり20ml)含有され,他方静脈血には14Vol%内外の酸素が存在する。生体の酸素消費量はこの動・静脈血酸素較差すなわち6Vol%前後であるとされている。この場合には血液中の酸素はほとんどすべてヘモグロビンと結合したいわゆる結合酸素であって,血液水分中に溶解する溶存酸素は0.3Vol%という微量にすぎない。ところが呼吸気の酸素分圧を上昇させた場合にはこの溶存酸素が著明に増加する。

欧米病院偏見旅行記・11

アメリカ看護への疑問—アメリカにて(その3)

ページ範囲:P.51 - P.51

 アメリカの病院で目をうばわれたことはいくつかあったが,そのなかで最大のものはやはり驚くほど高い医療費であった。そしてその最大原因はいうまでもなく人の多さにある。急性一般病院では,人院患者100人あたり平均で250人という。わが国はご承知の通り,100床で65人にすぎない。
 この多さの中でひときわ目だつのは,看護部員である。ボストンのハーバードの産科病院で178床で実に300人,シカゴ郊外の地域病院の35床に420人,ロスアンジェルスの郡立病院2300床に2800人と,ベッド数と同じかそれ以上である。患者4人に1人という規則の国からは,まことにパラダイスであろう。さすがにわが国の看護が占領軍の影響もあって,模範としてきたアメリカだけのことはある。考えてみると,患者の頭数で看護要員数を決めるというのはむちゃな話である。どの病院にも同程度の看護サービスを必要とする患者が均等に来院するというのであろうか。

病院図書館

—日本病院協会編—「病院栄養管理」

著者: 宮川哲子

ページ範囲:P.58 - P.58

栄養部門のポイントを解説
 病院に入院して,よい病室でよいベッドにやすみ,より高度な診療をうけ,心あたたまる看護サービスがなされても,毎日の3度の食事が,"まずい""つめたい""心くばりがない"の連続であれば,どんなさびしい思いをすることでしょう。まして食事療法は治療の一環として重大な役割をなしているのです。
 病院給食も,一般食・特別食があり,特別食も細かく分けられて献立て作成面においても苦労は多いことですが,その献立てが心くばりよく,嗜好がとり入れられたものであるならば,ある程度は満足して食べてもらえるのです。

—Emanuel Goldberger著 実地医家のための会訳—「病人と病気医師たちは考える」

著者: 阿部正和

ページ範囲:P.64 - P.64

病気に悩む病人を診るのだ
 内科医が患者に1枚の処方箋をわたすとき,あるいはまた外科医が手術の適応を決定するとき,はたして心の底から患者の真の幸福を願って行なっているだろうか。もちろん,そうあるべきであり,またそうなければならない。
 新しい薬が次から次へと,あたかも洪水のように世の中に出てくる今の時代に,この問題はもう一度あらためて反省すべきであろう。

—原 素行 著—「病院管理のすすめかた」

著者: 今村栄一

ページ範囲:P.77 - P.77

病院のあらゆる人にすすめる
 原素行先生といえば話が好きであり,話に味があるという定評がある。その原先生が書いた「病院管理のすすめ方」という本は実にたのしい。おもしろいのでどんどんとページをめくっていったら,"自分はしゃべりすぎる悪い癖がある"と書いてあった。その癖の良い面がこの本にあふれている。
 序文に"寝そべって読む本である"と書かれているが,病院管理の根底となる問題がつぎつぎに飛び出してくるので,のんびり寝そべってなどいられなくなる。そのひとつひとつが,実際に体験し見聞したことであるので,いきいきとした病院管理の意見に接することができる。

病院建設の基本問題・7

地域の医療需要と施設計画—2.病院の入院患者構成

著者: 伊藤誠

ページ範囲:P.59 - P.64

はじめに
 数々の矛盾をはらんだ現在の医療施設体系をあるべき姿にたてなおすためには,思いきって抜本的な改革を必要とする。そのような改革への提案は既にこのシリーズの中でも述べられている。具体的な方向についてはもっと多様な考え方があるだろうし,またそうなければならないが,少なくともその必要性についてはそれほど異議もあるまいと思われる。しかし,このような改革は,言うまでもなく,一朝一夕に成就できることではない。じゅうぶんに腰をすえて気長に地味な努力をつみあげていく以外に道はない。
 ところでわれわれは,今日明日にでも病院建設の具体的な問題に当面しなければならない。そこで,問題をやや現実的な線に引きもどして,現状ではどのような患者が病院に入っているかを分析してみたい。つまり,ある地域にひとつの病院を建設する場合,そこではどのような患者構成になるかを推定するための手がかりがほしいのである。さらに言いかえれば,地域の医療需要に適合した病院を計画するためには,まず一般的な傾向を把握しておく必要があるということである。

病院を考える

縁の下の力のみでなく……

著者: 宮川哲子

ページ範囲:P.67 - P.69

 私の今までの長い病院生活を通じ,一貫して思うことは,どこの,どんな理解がある病院でも,栄養部または給食部門は縁の下の力であって,なかなかかえりみられることなく,"食べさせればよい"式のところが多いようだ,ということである。口では"大切な部門です"といいながら,何か事があってもかえりみられることもなく,他の部門が自分のほうの都合のよいように報告していたりすることもあって泣くことが多い。
 そうしたことから多くの問題をもちながらも,いろいろな角度からおたがいに勉強をし,励ましあうような多くの機会を作り出すようになったことは,喜ばしいことである。問題が解決とまではゆかないまでも,おたがいの心がほぐれる,よりよいいき方と信じている。

研究と報告【投稿】

電子計算機導入による診療報酬請求明細書の作成—インプットの構成とその具体例(1)

著者: 片岡正 ,   安藤秀雄 ,   白鳥初

ページ範囲:P.79 - P.83

はじめに
 病院における情報管理の重要性とその問題点については,すでに多くの検討が行なわれており,すぐれた検討の成果が発表されているが,依然として,医事業務の合理化・能率化に関するこれという決定的な手段・方法が発見されたとは言いがたい。
 ことほど病院医事業務の複雑性・困難性は,質・量ともに日ごとに増嵩する一途をたどり,ますます困難の度を加えつつある。なかでも診療報酬請求明細書の作成は,いずれの病院においても,最も困難な,しかも重要な業務として,担当者はそれぞれその業務改善の方途を必死のおもいで研究し続けているが,現行の請求方式の中では,あるいは,もうその改善の手段はないのかもしれないというところまできているのではないか,とさえ考えられるに至っている。

レントゲン診断料簡易計算法(改訂第2報)

著者: 角田信三 ,   斎藤正 ,   野上宏達 ,   伊藤茂樹 ,   牧利男

ページ範囲:P.85 - P.88

はじめに
 私どもは,昭和34年10月,本誌上にレントゲン診断料簡易計算法と題して計算図表を発表した。昭和42年12月健康保険診療報酬点数表の改正があり,レントゲン診断料は甲乙表同一,なお一部の改正が行なわれたので,先に発表した計算図表を改訂し,ここに発表して,大方のご批判を願いたい。

ホスピタルトピックス 建築設備

臓器移植専用病棟

著者: 伊藤誠

ページ範囲:P.90 - P.91

 臓器移植の問題が一般の人々の間でも話題にされるようになった。医学的なことは別として,建築・設備の面でもこれに関していくつかの課題をかかえている。そのうちもっとも大きなものは,移植をうけた患者をいれる環境をいかに無菌的に保つかということであろう。いうまでもなく,拒絶反応抑制剤を使用することによって患者の抵抗力が落ちるからである。
 スコットランドのエジンバラにあるウェスタン総合病院に最近完成した"ナッフィールド移植手術専用病棟"は,この問題を徹底的に追求した例としてきわめて興味深いので簡単に紹介しておこう。

特殊病院

フランスの精神科医師数

著者: 鈴木淳

ページ範囲:P.92 - P.92

 どの先進国でも医療全体のなかに占める精神疾患の比重がたかまり,今世紀をl'Ere psychiatriqueとよぶ人たちさえみられる。フランスでもこの流れの枠外ではない。調査によると,フランス学生の30%がなんらかの臨床心理的問題をもっており,フランス人の身体疾患罹患者の50%が心理的または精神医学的治療を必要とするとされている。身体医学ばかりでなく,一般社会もまた臨床心理・精神医学的知識を求めることが頻繁になってきている。
 この需要の増大に対して,精神医療担当者の養成が先決問題である。Information psychiatrique Vol. 44,N°5はフランス精神科勤務医連盟(しいてわが国に相応する団体をさがせば精神鑑定医の集まりに相当する)は現状をつぎのように分析している。

霞ガ関だより

放射線技師の身分制度の確立診療エックス線技師法の一部改正

ページ範囲:P.94 - P.95

一部改正の内容
 最近のがん対策の花形であるリニアック,ベータートロンなどの高エネルギー放射線を取り扱う技師の身分制度を定める法律案である診療エックス線技師法一部改正案がこの5月10日に衆議院で可決された。
 医療行政の最近の動きのなかにあっては,はでな医師法改正の国会内外の騒動にげんわくされてあまりめだたない法律改正であったが,今後のわが国の医療のあり方,ことにパラメディカルのあり方をめぐって,関係者とくに当の放射線技師をめざす人にとっては深刻な関心をよせていた法律であることを忘れてはならない。

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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