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文献詳細

雑誌文献

病院27巻5号

1968年05月発行

文献概要

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滅菌の原理と実際(5)

著者: 牧野永城1

所属機関: 1聖路加国際病院外科

ページ範囲:P.15 - P.15

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3.滅菌器内の空気とその除去
 前回にも述べたように,空気がまじっている不飽和蒸気では,同じ圧力をかけても飽和蒸気の際のように温度が上がらない。空気は蒸気の滲透を妨げ温度の伝達を妨げる。滅菌器内に残っている空気が多いければ多いほど,滅菌は不完全になる。滅菌器の中に残る空気が多ければ,滅菌材料の包装の中に含まれる空気も外にぬけきれず,包みの中まで温度が伝達しにくく,包みの周囲の温度が上がってからもその中心部まで温度が達するには飽和蒸気の場合よりずっと時間がかかってしまう。
 蒸気滅菌の効果を上げるためには,滅菌器内の空気をできるだけ除去しなければならない。そのため現代の滅菌器は通常いわゆるサーモスタットと言われる弁を使っている。この弁は金属体の中に揮発性の液体を封入したもので,その熱膨脹を利用して温度が低いときは弁が開き,熱せられてある温度に達すると弁が閉じるようにできている(図3)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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