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病院の広場
国立病院の使命—国立松山病院の現況から
著者: 三木直二1
所属機関: 1国立松山病院
ページ範囲:P.17 - P.17
文献購入ページに移動 最近,国立病院の使命についての論議が,しばしば聞かれるようになった。終戦後しばらくの間は,海外からの引揚者・復員者の収容,荒廃した一般病院の収容不足のため,軍病院の一般への解放は,国民医療に対して無視できない存在であった。
しかし,世の中が落ち着いてくるに従って,地方公共団体が設立する病院が急速に復興し,近代化のおくれた国立病院はその存在意義さえ疑われる状態となってしまった。このような時点に至って,おくればせながら国立病院の近代化が行なわれはじめたのである。しかし,一般総合病院としての整備では,他の公立病院に近接している場所では,いたずらにこれと競合するのみで,国立たる存在理由に欠ける病院が多数生じてきたことは否定できない。もちろん,その地方に一般総合病院の存在しない地域では,国立であることに対する議論は別として,その必要性は認められるが,同一地方に同性質の病院が乱立することが国の施策として許されるかという問題は,国の予算の有効適切な使用という観点にたたなくても頭をかしげざるをえない。
しかし,世の中が落ち着いてくるに従って,地方公共団体が設立する病院が急速に復興し,近代化のおくれた国立病院はその存在意義さえ疑われる状態となってしまった。このような時点に至って,おくればせながら国立病院の近代化が行なわれはじめたのである。しかし,一般総合病院としての整備では,他の公立病院に近接している場所では,いたずらにこれと競合するのみで,国立たる存在理由に欠ける病院が多数生じてきたことは否定できない。もちろん,その地方に一般総合病院の存在しない地域では,国立であることに対する議論は別として,その必要性は認められるが,同一地方に同性質の病院が乱立することが国の施策として許されるかという問題は,国の予算の有効適切な使用という観点にたたなくても頭をかしげざるをえない。
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