icon fsr

雑誌目次

雑誌文献

病院27巻7号

1968年07月発行

雑誌目次

特集 使い捨て物品

病院と使い捨て物品

著者: 紀伊国献三

ページ範囲:P.19 - P.22

 近代の病院医療は,きわめて多種多様の物品の使用の上に成り立っている。しかも病院はたえざる医学の進歩の成果をとり入れ,同時に一般社会の変化に対応していかねばならず,その機能の高度化に伴ってそこで使用される物品はますます複雑化し,種類を増している。最近病院で急速に普及しつつある使い捨て物品も,この病院機能の高度化に伴うものであろう。

使い捨てか再使用か—経済性からの追究

著者: 神門昇三

ページ範囲:P.23 - P.26

使い捨てと再使用との考え方
 従来われわれの考え方からすれば,物は大切に使うべきであり,それが使える間は繰り返し最後に使えなくなるまで使うことが美徳であり,戦前の教育もそのように行なわれてきたのである。したがって,物を捨てることは,もったいないという感情が常に働いているのであって,捨てることに抵抗を感じる。これも,従来は物資に乏しく人手をかけて繰り返し使う,その人手は安いという気持があって,物が大事にされ人手は重視されなかった時代の影響である。その関係を示すと,物資>人手という形になる。
 一般的に物が中心になり,人手はそれに従属している感じであった。病院で使用する消耗品についても,1度使用済みのものを人手を使って分解,掃除をして点検し組み立て,再び使用のルートに乗せている。これは使用のための組立,整備のための人手のほかに分解,解体などの手間が加わっており,最近まで良質・安価な労働力が容易に得られたので,物中心にすべてのことが考えられてきたのである。

使い捨て物品と安全性

著者: 河合忠

ページ範囲:P.27 - P.29

はじめに
 使い捨てあるいはディスポーザブル(disposa-ble)物品というのは,ただ1回使用するだけでそれぞれの使用目的を果たし,それ以後は再び使用されることなく廃棄されるものである。このような使い捨て物品の病院内における利用度は,近年とくに増加している。その理由として,ひとつには一般的に衛生観念が向上したためでもあるが,それよりも文明国の共通した傾向として,人件費が上がって,用器の洗浄に従事する人たちを確保するのが困難になってきたためであろう。
 すなわち,使い捨て物品は一見衛生的に処理されており,手軽に取り扱うことが可能であり,さらに患者自身に与える心理的影響も少なくない。こうして病院ばかりでなく一般家庭にまで,使い捨て物品に対する需要が急速に増大してきたわけである。ところが,使い捨て物品の"手軽さ"という特徴から,ともすればそれらの廃棄処分が安易になっていないだろうか。この点については,すでに本誌26巻8号において"病院の廃棄物"と題する特集として,一部とり上げられたことがある。しかし,改めて使い捨て物品に対する安易な考え方に対して,院内感染の立場から考え直してみる必要があると思う。

使い捨て物品の在庫と配給

著者: 平野栄次

ページ範囲:P.31 - P.35

はじめに
 使い捨て物品の在庫と配給というテーマをいただいて,この問題について,いろいろな面から掘り下げてみた。
 使い捨て物品の在庫とか,その配給という問題は,使い捨て物品の経済性の問題,あるいは滅菌というような問題に比べて,従来それほど重視されていなかったようである。

ディスポーザブル医療器材の滅菌

著者: 伊西清人 ,   海老沢毅 ,   田辺俊 ,   堀部隆

ページ範囲:P.37 - P.40

市販製品の種類
 ディスポーザブル医療器材は近年とみに需要が増大し,最初,輸出専用品の感がしたこの種製品は,かなりの病院で見かけるようになった。現在,市販されているディスポーザブル医療器材をあげてみると,1)注射針(針基にプラスチックを使用)2)プラスチック製注射筒3)輸液セット4)輸血セット,採血セット,血液バッグ5)各種カテーテル(留置用・栄養補給用・小児用・多用途用など)6)人工心肺,人工腎臓などの回路,血液酸素化装置7)針付縫合糸8)替刃メス,採血メス9)手術用手袋10)人工肛門などかなりの種類におよんでおり,このほか単なる医療用チューブ,マスク,綿球なども見受けられる。また,人工血管,腸線縫合糸も当然のことながらディスポーザブル医療器材といえよう。量的には注射用器具,血液用器具が最も多く,輸液セットは月間100万本以上生産されている。

使い捨て物品の使用経験

看護関係物品について

著者: 春藤幸江

ページ範囲:P.41 - P.42

早い使い捨て物品の普及
 若葉はひかり,風薫る5月と人はいう。がしかし,排気ガスや騒音に悩まされる私たちには,ほととぎすはおろか,初鰹さえもなかなか姿を現わさない。変わったのは自然だけではない。私たちの先祖は,たとえぼろ布1枚,紙切れ1枚をも大切にするのが,特に,女子の美徳と教えた。この長い歴史が大きな軋轢音を私たちの心に残し回転しつつある。使い捨て製品の出現がその1つである。
 マスプロの波は医療界にも打ち寄せ,川を作り流れだしている。3年ほど前の看護学会で,使い捨て製品を展示していた業者が竹ひごの先に綿を巻き消毒してある綿棒を見せ,もったいないからもう1度だけ使うといわれ歎いていた。また注射針洗浄機を展示していた業者に,使い捨ての時代がくるのに償却期間の長いこんな機械を買う病院があるかと聞いたら,5-6年はまだだいじょうぶだろうといっていた。だが予想より早目にその波は寄せてきた気がする。

給食関係物品について

著者: 長久保淑子

ページ範囲:P.43 - P.44

はじめに
 使い捨て物品は特に内容が分化・高度化し,多様化の現状にある病院においては,中央材料室における注射針,臨床検査科での検査物入容器,シャーレ,試験管など,その使用は,また範囲は,増加の途をたどっている現状で,その成果は使い捨て物品の消耗品費を十分上回って余りあり,業務の簡素化におおいに寄与している。
 給食関係についても,同じく使い捨て物品について種々検討を加えているが,前記の使用部門と異なり,限定された食糧費で見返りのない給食部門ではなかなか消耗品として取り扱いきれない難点が伴い,実施にまで踏みきれないのが現状ではないかと思われる。

座談会

使い捨て物品の将来

著者: 紀伊国献三 ,   山下九三夫 ,   林康之 ,   井上昌彦 ,   森田昌子

ページ範囲:P.46 - P.55

割り箸であれば,その簡便さと値段--これが使い捨ての条件であろう。だが,医療用の使い捨て物品ともなれば,安全・衛生面が顔を出して,事は面倒になる。人手不足のおり,はたして病院医療の新しい担い手となるかどうか,現況と将来を占ってもらうと……

グラビア

使い捨て医療用品

ページ範囲:P.5 - P.8

 "もったいない""節約する"ということがふるくからわが国でいわれてきた.そこで,家庭においても,新聞紙・包み紙・ボロきれなどが,いつのまにかたまってしまう.病院でも材料の再生が必要とされ,ガーゼ再生係のおばさんが専任でおかれたりした.
しかし世は変転し,物は豊富となり,逆に人件費が高くなってきた.再生よりも,"使い捨て"へと頭のきり替えが必要になってきた.アメリカの病院へ研修旅行に行った看護婦さんが最初に覚えた英語,それがdisposableであった.予防衣も診察台のシーツも,紙でディスポーザブル,輸血セットも哺乳びんも,ディスポーザブル………

防音にとりくむ基地の病院—大和市立病院

ページ範囲:P.9 - P.14

 大和市立病院は,昭和30年に国保病院として24床で発足した.その後しだいに増床されてきたが,木造の建物が老朽化し,また近代的医療施設としての不備を改めるために,新しい病院の建築に着手した.
 ところが,病1院から2.5キロのところにアメリカ軍の横田基地がある.そこの軍用機による騒音は診療に支障をきたし,患者の療養をおびやかしていた.そこで新建築にあたっては,防衛施設庁の援助を受けて防音対策に重点をおいた.

--------------------

滅菌の原理と実際(7)

著者: 牧野永城

ページ範囲:P.15 - P.15

V.加圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)
 今日,加圧蒸気滅菌器には大別して2種あり,1つは最も一般に外科滅菌に使用されている二重壁の型のもので,他の1つは検査室や時には工業用に使われている一重壁のものである。

編集主幹ノート

著者: 吉田幸雄

ページ範囲:P.92 - P.92

 小生,この春にいたってはじめて健康が害されていることを如実に知らされ,残念ながらこのノートの執筆も休まざるをえませんでした。2,3年来高血圧を気にはしていましたが,この秋無事に還暦を迎えるものと過信していました。しかし還暦を目前にひかえて,もう身心の無理は許されないことを知らされました。加えって"若気の致り"とでも申しましょうか。
 幸い2回とも軽い発作で済み,精検では異常がないように回復しましたが,これからは精ぜい老人学の示すものを身につける修養を志す覚悟をしています。そして,もしも私に社会に必要である仕事があるならば,私の身心の許される範囲でこれからも努めて参りたいと思います。

欧米病院偏見旅行記・7

国際試合の必要性WHOにて

ページ範囲:P.16 - P.16

 今回は世界の衛生関係の大本山,WHO本部の参詣記である。
 WHO本部は新築されたばかりの堂々たる大ビルディングで,ただでさえ絵のように美しいジュネーブ市のジュネーブ湖をみおろす丘の上の緑の中に雄姿をそびえさせている。やはり大本山は伊勢神宮などと同様おのずから身のひきしまる思いをなす環境におかれなければならない。

病院の広場

医療とリハビリテーション

著者: 今田拓

ページ範囲:P.17 - P.17

 先日,ある県立の結核療養所を担当している主管課の係りが訪ねてきた。結核患者の減少によって病院経営の赤字がかさみ,地方自治体の財政を圧迫して,縮小とか廃止とかという声が起こっているという。そして再興の意味でリハビリテーションを取り上げてはということになり,内容教示におよびたいとのことである。この傾向は重症児施設と併設しつつある国立療養所の問題もあることから,現今決して珍しいことではない。
 しかしその係の頭の中には赤字補填対策としての転化ということのみがあったためか"リハビリテーションというのは儲かるそうですが,どんな内容ですか"と開口一番の質問をしてきた。不勉強な役人にありがちなこのような失礼な質問には,私も近頃慣れっこになって憤慨もしないけれど,ともかく儲かる内容を教えなくてはならぬナンセンスな立場には,いささか戸惑ってしまった。"まあひとつご案内しましよう"と園長室を出た。

病院図書館

—原 素行著—「病院管理のすすめかた」

著者: 小野田敏郎

ページ範囲:P.29 - P.29

病院近代化の史的記録
 原先生は明治26年に秋田にお生まれになられた。お年はもう喜寿ということである。昭和10年に東京の市立病院長になられ,都立広尾病院長を昭和30年に退かれるまで,20年間を病院長として過ごされたわけである。退官後も,病院管理研究所の講師として,現在にいたるまで"病院管理学"を講ぜられている。
 この書はその序文にもあるとおり,他の雑誌に連載された病院雑話に筆を加えられ,病院管理に関係ある20篇を選ばれたものである。著者は,これは方々の大中小病院での見聞をあつめて著者なりの私見を加えて気軽に読める雑話集としたと,その序文の中に申されている。

—石原 信吾著—「病院管理を考えるヒント」

著者: 榊田博

ページ範囲:P.35 - P.35

病院管理の現実に"知恵の鍵"を与える
 著者は虎の門病院の看板男だ。本書を一読して"病院事務長10年のこけ(苔)"の生成された過程が了解できた。病院における人事管理の要諦を,イソップの寓話を引用して語る妙を心得ている(太陽と北風,62頁)。
 この書は単なる回想録でもなく,難解な理論大系を解説するでもない。それでいて病院管理の現実に"知恵の鍵"を与えてくれる。著者のたどった後をおいながら,自分の経験を組み合わせて,新しい着想へと誘導される。

—藤沢 正輝著—「診断工学 診断の新しい考え方」

著者: 吉利和

ページ範囲:P.83 - P.83

体系化された診断の論理
 医学はジャーナリズムをにぎわすために存在するものではない。ところが,最近の医学の傾向は,医学の価値判断の基準を,ジャーナリズムの評価においているのではないかと疑いたくなるほどに,情ない状態にある。
 コンピューターが医学に導入されて,すぐれた機能を発揮することができるようになった--これは確かな事実である。しかし,一般の人がジャーナリズムからうけとる態度は,そのこと自身が進歩であり,今後の医学はこの方向に進むであろうということである。ここに問題がある。

病院建設の基本問題・4

病院側からみた需要調整および施設再編成計画—1.患者調査からのアプローチ

著者: 栗原嘉一郎

ページ範囲:P.57 - P.67

はじめに
 現在のわが国の病院のあり方について多くの問題点があることは,すでに各方面で指摘されてきた。中でも大きな問題と思われるものは,第1には,病院という病院が家庭医としての開業医に関係なく,風邪ひき・腹痛に至る大量の外来患者群の処理に忙殺されていることであり,第2には,入院施設としての病院もどれもが急性疾患から慢性疾患までを一様に含んで特色がなく,患者の入院期間も回復期ケアーまでを含んで,いたずらに長いものになっていることであろう。それがベッドの回転率を低め,病院機能の向上を妨げる大きな要因となっているからである。
 病院の機能を高めるために,高度なスタッフや設備を整備する努力はこれまで常に払われ続けてきた。だが,結果としてそれらが風邪ひき・腹痛のたぐいの患者や慢性の患者の低診療にエネルギーの大半をさかれ,スタッフがせっかくの高度の技倆をふるう折も少なく,高度な設備の利用率も高くないというのでは,社会的にまことにもったいないやり方だといわねばなるまい。すなわち,病院の機能を高めていくためには,現在のままの整備では限界があるのであり,病院の患者自体が真に病院のスタッフや設備にふさわしい者におのずからしぼられてくるような方策が,医療施設体系全体の問題として考えられなければならないのである。

ニュース

臨床研修病院きまる

著者:

ページ範囲:P.67 - P.67

 医師法の一部改正により,従来のインターン制度が廃止され,臨床研修制度が施行されることになった。臨床研修は,全国56カ所の国立私立大学病院のほか,厚生省の指定する国立私立病院で行なうことになっており,このたび,下記の病院(一般病院108カ所,精神病院18カ所)が研修病院に指定された。

第2回日本診療録管理研究会

創成期の診療録管理をになう

著者: 小川保彦 ,   大井淳道

ページ範囲:P.68 - P.68

 去る5月28日,第2回日本診療録管理研究会は,病院管理研究所大講堂に全国各地から百数十名におよぶ参会者を得て開催された。
 冒頭,病院管理研究所所長吉田先生の祝辞の中に"診療録管理の問題は今から20年前当研究所を中心に,日本の病院の近代化の重要な課題の一つとしてとりあげ研究が始められ,数年前から当研究所において診療録管理の研修を始めたので,それ以来急速に発展してきたようであるが,いざ実施の段階にはいるといろいろな問題点があって,将来先進国と肩をならべるまでにはいろいろな問題を整理していかなければならない。そのワンステップとして本日の研究発表がなされることは誠に意義深い"と結ばれた。全くその通りで,われわれの前途にはけわしい道があるように痛感させられた。

研究と報告【投稿】

患者数を中心とした病院管理

著者: 角田信三 ,   鬼頭勇 ,   牧利男 ,   今井美千雄

ページ範囲:P.71 - P.78

はじめに
 医療に関係する者にとり,来院患者の数は,治療実績上また収益上最大の関心事であって,患者の数には鋭敏となるものである。その患者数を中心として私どもは,統計事項の2,3について検討を進めたので,ご批判を得たい。

中央印刷室の病院運営面への貢献について

著者: 稲垣泰彦

ページ範囲:P.79 - P.80

 一昨年,日本病院学会において,虎の門病院内の印刷物の中央化についてのアウトラインを報告したが,今回は,設立来3年目をむかえた当中央印刷室が,病院運営面へ,どのように貢献しているかを具体的に述べ,ご参考に供したい。

病棟における夜間専門看護婦の導入について

著者: 佐藤弘子

ページ範囲:P.81 - P.83

はじめに
 第16回日本病院学会において,"労働条件別採用の看護婦"について虎の門病院幡井ぎんが発表している。
 その中で,夜勤専門看護婦をとりあげていたが,種々の問題が,含まれている。その後,この問題を解決するための方策がさまざま考えられ実施に移されたので,その中の1つをとりあげて報告する。

栄養科業務分析からみた病院給食管理

著者: 手島悌子 ,   山川恵美子 ,   足立ムツ子

ページ範囲:P.84 - P.86

調査の方法
 病院栄養科の業務としては,患者の給食サービスと同時に,給食管理を忘れることはできない。私どもは久留米市内の基準給食を実施している6病院および本院の栄養科業務のタイムスタディを行なった。調査の方法は5分単位の作業調査用紙を作業員に配り,作業が変わるつどに記入させ,また看護婦が給食作業に参加した場合には,その時刻と人員を明記してもらった。これにより各病院の栄養科の運営時間,総作業量,患者1人に対する作業員1日あたり作業量,作業員1人あたり作業量,食事時間間隔を調査した。
 以上より病院の規模,栄養科の施設,献立,および入院患者の種類などによる作業負荷の変化につき考察を加え,2,3の間題点を見出したので報告する。

資料

国立病院入院患者の平均在院日数について

著者: 甲斐忠

ページ範囲:P.88 - P.89

 厚生省が開設する国立病院は全国各地にあり,その運営内容は毎年度国立病院年報によって公表されている。この年報から国立病院入院患者の平均在院日数について若干の考察を試みたので報告する。

ホスピタルトピックス 看護

あるナースインターンプログラム

著者: 吉武香代子

ページ範囲:P.90 - P.90

 アメリカの看護教育は,ここ2—3年の間に急速に高等教育機関への移行の傾向を強めてきた。看護教育に従来多少とも含まれていた徒弟式訓練から遠くなるにつれて,看護学校は看護を行なうに必要な基礎知識と技術を与えることを目的とするようになり,病院で要求するような,いわゆる"一人前として通用する看護婦"を供給するところではなくなってきた。そして,卒業してはじめて本当に看護を行なう立場にたつ看護婦が増えはじめてきた。
 ところが病院側では,看護婦学校を卒業したばかりの看護婦にほとんどオリエンテーションも行なわず,いきなりチームリーダーにするところが多い。そして未経験の看護婦は技術的にははるかに熟練している准看護婦や看護助手を監督・指導しなければならない。

特殊病院

ノルウェーの精神病床

著者: 鈴木淳

ページ範囲:P.91 - P.91

 ノルウェーの面積は約50万km2でわが国の1.4倍であるが,人口は370万でわが国の大型県なみである。首都オスローでも48.5万の人口,第2の都会ベルゲンでは11.5万しかない。ひろい国土,すくない人口,それに北欧の風土は,わが国とちがった精神衛生の方式をうみだしている。
 医療行政の中央担当機関は社会問題省である。この省は保険局・福祉局・保健局の3局にわかれ,保健局は①人事②会計③結核④精神衛生⑤公衆衛生⑥薬務⑦歯科⑧病院の各課で構成されている。精神衛生課は,精神衛生・精神薄弱・てんかん・優生の4係にわかれる。

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

icon up
あなたは医療従事者ですか?