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特集 使い捨て物品
使い捨てか再使用か—経済性からの追究
著者: 神門昇三1
所属機関: 1虎の門病院用度課
ページ範囲:P.23 - P.26
文献購入ページに移動従来われわれの考え方からすれば,物は大切に使うべきであり,それが使える間は繰り返し最後に使えなくなるまで使うことが美徳であり,戦前の教育もそのように行なわれてきたのである。したがって,物を捨てることは,もったいないという感情が常に働いているのであって,捨てることに抵抗を感じる。これも,従来は物資に乏しく人手をかけて繰り返し使う,その人手は安いという気持があって,物が大事にされ人手は重視されなかった時代の影響である。その関係を示すと,物資>人手という形になる。
一般的に物が中心になり,人手はそれに従属している感じであった。病院で使用する消耗品についても,1度使用済みのものを人手を使って分解,掃除をして点検し組み立て,再び使用のルートに乗せている。これは使用のための組立,整備のための人手のほかに分解,解体などの手間が加わっており,最近まで良質・安価な労働力が容易に得られたので,物中心にすべてのことが考えられてきたのである。
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