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文献詳細

雑誌文献

病院27巻8号

1968年08月発行

文献概要

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滅菌の原理と実際(8)

著者: 牧野永城1

所属機関: 1聖路加国際病院外科

ページ範囲:P.15 - P.15

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V.加圧蒸気滅菌器(つづき)
5.イジェクター,または真空ポンプによる減圧装置
 前号では加圧蒸気滅菌器の装置の一つであるサーモスタット弁(トラップとも呼ばれる)について述べたが,同じく滅菌器内の残存空気を除去する方法にイジェクター方式および真空ポンプによる方式があり,わが国では好んで使われている。イジェクターは流体の噴射による圧力差によって生ずる吸引力を利用して缶内の空気を除く方法で,3-4kg/cm2の蒸気圧を使用した場合,(−)300mmHg位の真空度が得られるという。真空ポンプ装置でも大体同様の真空度が得られる。しかしPerkinsによれば,通常のイジェクターや真空ポンプ装置では,滅菌器内に約50-60%の空気が残存し,たとえ(−)500mmHgの真空度を得てもなお器内に1/3の空気が残存するので滅菌が不完全になりやすく,質のよいサーモスタット弁を利用した,蒸気と空気の比重の差によって生ずる重力落下の性質を使って空気を排除するいわゆる重力型の滅菌器のほうが優れているという。しかしまた最近ではいわゆるハイバキュウム装置を使って(−)700mmHgくらいの真空度まで得られる滅菌器もできて,この場合の滅菌効率は高いともいわれる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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