文献詳細
文献概要
特集 日本の病院 日本の病院の歴史と現状
健康保険病院
著者: 山口寛人1
所属機関: 1全国社会保険協会連合会
ページ範囲:P.63 - P.65
文献購入ページに移動設立の事情
昭和2年にわが国に健康保険制度ができた.当初は労働者のみを対象としていたが,昭和16年には職員を対象とする健康保険ができ,17年には両者を統合するとともに家族給付も行なうようになった.このように健保制度は発達したものの,被保険者の利用度は現在に比べればはるかに少なかった.さらに第2次大戦のため医師の多くは軍医として召集され,また病医院の多くが戦災により焼失・破壊され,被保険者などが医療を受ける機会がますます少なくなった.そのため政管健保では,約1年分に相当する剰余金が生じた.
健保財政は黒字ではあるが,まことに憂慮すべき事態である.すなわち被保険者は保険料を毎月強制的に納入させられているのに,医療を受けられない"やらず,ぶったくり"状態にあった.この窮状を解決する一助として,剰余金を利用して医療機関を設けようということになった.
昭和2年にわが国に健康保険制度ができた.当初は労働者のみを対象としていたが,昭和16年には職員を対象とする健康保険ができ,17年には両者を統合するとともに家族給付も行なうようになった.このように健保制度は発達したものの,被保険者の利用度は現在に比べればはるかに少なかった.さらに第2次大戦のため医師の多くは軍医として召集され,また病医院の多くが戦災により焼失・破壊され,被保険者などが医療を受ける機会がますます少なくなった.そのため政管健保では,約1年分に相当する剰余金が生じた.
健保財政は黒字ではあるが,まことに憂慮すべき事態である.すなわち被保険者は保険料を毎月強制的に納入させられているのに,医療を受けられない"やらず,ぶったくり"状態にあった.この窮状を解決する一助として,剰余金を利用して医療機関を設けようということになった.
掲載誌情報