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雑誌目次

雑誌文献

病院28巻10号

1969年09月発行

雑誌目次

特集 第19回日本病院学会臨時増刊号

第19回日本病院学会進行計画表

ページ範囲:P.18 - P.18

昭和44年度日本病院学会評議員会議事摘録

ページ範囲:P.100 - P.100

 昭和44年度の日本病院学会評議員会は,学会第1日の午後5時30分より,水戸市の県民文化センターで,出席者40名で開催され,内藤学会長のあいさつに始まり,次の事項を審議決定した.

九州病院見学旅行団募集

ページ範囲:P.117 - P.117

 日本病院協会病院見学旅行係(東京都千代田区二番町2,番町共済会館内)では次の要領で参加者を募っている.1)期日;10月28日(火)〜31日(金),2)見学病院;国立別府(山本清人院長),大分県立(徳岡三郎院長),大分日赤(荒巻逸夫院長),県立延岡(船渡護院長),宮崎県立(泉谷武近院長),3)集合地;28日午後5時別府神和苑集合,4)参加費;会費・昼食費・雑費など1万3000円.5)人員;先着順55名,6)申込;病院名・職名・氏名を記入した用紙に参加費現金にて同封のうえ,上記旅行係まで.

編集主幹ノート

著者: 吉田幸雄

ページ範囲:P.118 - P.118

 第19回日本病院学会の抄録集を,1冊にまとめてお手元にお届けできることをうれしく思います.例年のとおり,グラフは学会風景,一般演題の抄録,パネルおよびシンポジウムの抄録,それに学会裏ばなしや,編集幹事の学会発表の内容についての批判を編集しました.出席された方は,学会の思い出の記録に,出席されなかった方には,学会の模様を知ることができるはずです.
 今年は演題が多く,一般演題83題に,パネル1とシンポジウム7題という,3日間充実した内容でした.このうち本号では,誌面の関係もあって,シンポジウムの‘GraduateEducation’と‘わが国の病院建築の水準と建築費’の2題は別の号に掲載予定ですのでご了解ください.この2つとも聴衆に感銘を与えたものでした.また茨城県知事の特別講演は‘茨城県の歴史と将来’という遠大なもので,遠い神代の時代から説き起こされ,今や鹿島開発へと躍進しようとしているという,感銘の深いお話でしたが,誌面の関係で割愛させていただきました.

日本病院学会評議員名簿—昭和44年度(5月現在)

ページ範囲:P.119 - P.119

1.日本病院協会会員
関東
栗山重信(国立東京第一病院名誉院長)
橋本寛敏(聖路加国際病院長・日本病院協会長)

グラフ

第19回日本病院学会—1969.5.21-23水戸

ページ範囲:P.9 - P.16

 第19回日本病院学会は,茨城県立中央病院・内藤比天夫院長の会長のもとに,水戸市の県民文化センターで3日間にわたって開かれた.7つのシンポジウム,パネルディスカッション,専門集会,特別講演のほか,80題をこえる一般演題が発表されたが,"病院をよくしたい"というきょうの問題をかかえて,参会者は真剣であり,熱心であった活発な討論もなごやかなうちに行なわれていた.時節がら平和で協力的な学会ということが印象的だった.

一般演題の部 5月21日(第1日)演題1-32

1.病院の使命と付属老人ホームなどの建設,他

著者: 諸橋芳夫 ,   桑島斉三 ,   中村和之 ,   林広作 ,   嶋田真佐 ,   関本武司

ページ範囲:P.19 - P.38

 公的病院の使命としては,診療・教育・公衆衛生活動・研究などがある.
 公的病院は地域医療機関の基幹となり,民間医療機関のなしえない高度の設備をもって,救急・リハビリテーション・未熟児・成人病などの高度の医療を地域住民に施すことと,民間医師の研修の場として,ポストグラデュエートの研鑚に協力し,あるいは臨床検査施設をじゅうぶんに開放利用せしめて,地域医療の水準を高めること,医師および看護婦らのパラメディカルの教育などが使命である.

5月22日(第2日)演題33-70

33.室料差額について,他

著者: 鎌田利雄

ページ範囲:P.39 - P.62

 病院管理総合部会は過去1年(43年4月−44年3月)間に11の病院と一地方勉強会を行なったが,その中で討論した室料差額について,その概略を述べてみたい.室料差額は官公立病院から大学病院,私立個人病院に至るまで各病院の格差こそあるが,病院独自の徴収をしている.近年,病院は増・改・新築により設備と構造の近代化を迫られている.患者に快適な環境と疾病の早期治癒の促進のため,あらゆる努力を傾注してもそれにみあう報酬は全く無に等しく,入院患者の増加に伴って赤字が増加の一途をたどる.ここに差額の必要性が起こってくるわけである.
 差額の金額は一定しているので,各病院の経営状態により差がある.

5月23日(第3日)演題71-83

71.病院職員の移動実態の分析,他

著者: 金子信 ,   高田正隆

ページ範囲:P.63 - P.71

 わが国における経済の高度成長は,一面において労働人口の形態を大幅に変化させ,若手労働者の確保が困難となる一方,高年齢者層の各職場への進出がきわめて旺盛になっている.また他面において医療界も高度成長の影響を受け,各種公害病,交通災害,人口年齢の高齢化などにより受診需要がきわめて高くなっており,これに対しては毎年,病床施設の増床が実施されているが,医療従事者の養成確保は衆知のごとくたいへん困難であり,この場合について,国も,われわれ医療担当者も,利用者側も常に真剣に検討しているが,根本的解決の道はまだ遠いようである.
 このような背景の中で,日々多くなる患者の要求を満たし,かつ健全な病院運営を行なってゆくために,その基礎となる人員をいかに確保し,いかに有効に働いてもらうかが,私たち庶務課の任務と考えるので,私どもの病院の職員採用よび退職,またその年齢構成などが病院運営にどのような効果を与えているかを検討したので,私見を述べさせていただく.

専門集会の部

病院給食をいかにうまく食べさせるか—完全栄養と完全喫食の調和

著者: 目黒きよ ,   榊田博 ,   森田英子 ,   宮川哲子 ,   泉田紀伊子 ,   道下美智子

ページ範囲:P.72 - P.76

第1席温食と喫食率
 まず病院の温食実施状況を調査し,その実態をうかがった.調査対象は,京都・東京・茨城の3地方で,内訳けは法人・日赤・国立・私大の100床から500床以上までの総合病院・産院・精神などの病院である.

パネルディスカッションの部

病院におけるConferenceについて—診療,教育と研究の面から

著者: 日野原重明 ,   木島滋二 ,   高木誠 ,   四方淳一 ,   望月孝規 ,   守屋博

ページ範囲:P.77 - P.79

座長報告
 今回のパネルの目的は教育病院(大学病院を含む)におけるConferenceの実態報告と,そのあり方,実施上の意義と問題点などを,各病院の教育ないしは管理責任者から述べていただいた上,討議することである.
 内科系2人,外科系1人,病理系1人ならびに管理系1人という顔ぶれである.今日出演される講師の方がたは,いずれも病院の診療・教育・研究の立場から,それぞれの病院におけるConferenceのあり方につき長年検討された方がたであるだけに,ここでは内容的なパネルがなされうるものと思う.

シンポジウムの部

病院におけるメディカル・ソーシャル・ワーク

著者: 小野田敏郎 ,   浅賀ふさ ,   西村裕 ,   杉田峰康 ,   小谷光江

ページ範囲:P.80 - P.83

司会報告
 わが国のメディカル・ソーシャル・ワークはどのように始まり,どのように進歩し,将来これをどのように進むべきであるか.
 4人の演者のうち浅賀ふささんは40年前米国のシモンズ社会事業学校を卒業,ボストンのマサチュセッツ総合病院でキャノン女史から訓練をうけられ,昭和4年2月から聖路加病院でこの仕事を始められた歴史的な方である.西村裕さんは日本社会事業大学研究科を経られて,国立療養所において結核患者を対象に10余年のキャリアをもたれ,杉田峰康さんは米国コンコルディア大学の心理学科を卒業,イリノイ大学のソーシャル・ワークの大学院を経て,九大心療内科に6年間の研鑚をつまれ,また小谷光江さんは昭和23年にこの国にMSWの制度をしかれて以来,岡山の保健所と総合病院において30年間の修業をつまれた方で,わが国のMSWのサンプルのような方々からお話をいただけることは司会者として光栄である.

総合病院におけるリハビリテーション

著者: 徳岡三郎 ,   伊藤誠 ,   佐藤哲 ,   中村裕 ,   田口順子

ページ範囲:P.84 - P.85

第1席建築の立場から
 総合病院の機能の一部としてリハビリテーションが不可欠であることは既に広く認められている.しかし,今日までのところ,まだ病院の中に定着しきっていないというのが実情であろう.したがって建築の側からあるべき姿を描くことも困難な段階にあると考える.
 ここでは,検討の必要を感じている問題のうち,いくつかを提起するにとどめる.

人口移動の病院機能に及ぼす影響

著者: 黒田俊夫 ,   吉田幸雄 ,   松本啓俊 ,   浦良一 ,   一条勝夫

ページ範囲:P.86 - P.88

司会報告
1)戦後わが国は,急速な工業化と都市化が進み,その結果顕著な人口移動現象を起こしている.
2)その結果,医療の需要の地域的変化が生じ,人口増地帯では,既存の病院の増床,機能の充実,また新病院の出現があり,人口減地帯ではその反対の現象が生ずるはずである.

看護婦の労働時間と勤務体制

著者: 金子光 ,   岩田ワタ ,   渡辺千代子 ,   西山久美子 ,   石原信吾

ページ範囲:P.88 - P.95

司会報告
 看護婦の労働時間のきびしさは,看護婦不足との悪循環の上でますます深刻になってきている,それは看護職員の急激な増加またはばく大な資金投資なくして,この問題を明快に解決することは困難であるといえよう.しかし,そのいずれもが早急に,しかも満足する形で病院当局に与えられないものとすれば,なんらかの手段や工夫を生かして,現在の状態を少しでもよい方向にすすめ,働く者も管理者も歩みよって,よりよい線を出すことへの努力が必要であろうかと思う.病院の使命は,患者へのよりサービスであるからである.
 1日8-9時間まで,週44-54時間までを就業時間として特別に考慮されている労働基準法の‘ワク’が問題になるが,働く時間の総時間をとらえ,弾力性にとんだ形の勤務体制を,いわゆる正規の3交代制のみでなく考えられてきているところがある.欧米では早くから,看護婦の労働時間は週で決められていて,週40時間,42時間,44時間などであって,毎日の就労時間は必ずしも一様でない.病棟の動きによって長短をつけ,1日10時間や12時間の日があれば,また6時間や4時間の日もあるという具合で,週内の時間を守る方向の体制が組まれているところがある.いずれにしても働く時間とよいサービスとの関係の基礎は,人員配置の問題で,適正な人員配置が肝要である.このシンポジウムでは,その配置される人員の働きのしくみについて異なった立場から論することを目的として行なったものである.

病院における節約のポイント

著者: 石原信吾 ,   平野栄次 ,   渡辺孝 ,   米盛文雄 ,   米原勇 ,   武内杉治

ページ範囲:P.95 - P.100

司会報告
 "節約"というテーマは,元来消費経済的発想に立つものであり,‘身をつめて,物や人力の消費を減らす’ということを主眼とする.病院は医療サービスを生み出すことを目的とする生産経済であり,そうした消費経済的な意味だけで‘節約’の問題をとりあげるとするとポイントを誤ることになる.なお,‘節約’という言葉は‘ムダな物や人力の消費を減らす’という場合にも用いられることが,生産経済的にはこのほうが重要性をもつ.これは,むしろ合理化の問題であるが,今回の議論にはこの場合も含めて考えることにする.
 病院には,節約の対象となる問題は広範多岐にわたって存在するが,現実にはその対策は散慢になりやすい.したがって,そのポイントをまず探ることが肝要である.また,消費経済的観念から生産経済的観念への切りかえということも,もうひとつのネライとして,各講師の実地に即したお話をうかがいたい.

座談会

第19回日本病院学会をかえりみて

著者: 奥田幸造 ,   佐藤哲 ,   柏原誠 ,   岩田ウタ ,   内藤比天夫 ,   山中平守 ,   久保康平 ,   小野田敏郎 ,   松林富士男

ページ範囲:P.102 - P.108

造反もみられずのどかな学会
 吉田(司会)19回学会が終わったところで,新旧両会長ならびに幹事長,それに聴衆の代表の方にご出席いただき,今回の学会の運営についてのご批判,ならびに来年の学会に対するご希望を含めてお話し合いをいただくわけです.
 学会に参加しなかった読者は,この話し合いで今度の学会はどんな学会だったか想像もできますし,また学会の運営の裏話などをうかがって,出席した方がたが,これだけの学会ができるには,これだけの会長さん以下のご苦労があったという機微の点も拝聴して,それをさらにまた来年の学会の運営の参考にしたいという意味を含めて——学会の演題の内容については本号110ページ匿名座談会"第19回日本病院学会の印象"で話していただきましたので,ここでは全く学会の運営についてお話し合いをしていただきたいと思います.

第19回日本病院学会の印象

ページ範囲:P.110 - P.117

 日本病院学会も回を重ねること19回.病院学会ならではイメージもできあがり,確固たるものとなってきた.さて,来年20年めを迎えるにあたり,更なる発展と飛躍のためのひとつの忠言として,本誌編集幹事から,忌憚のないご批判・ご意見を発表していただこう.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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