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雑誌目次

雑誌文献

病院28巻12号

1969年11月発行

雑誌目次

特集 事務の分掌

病院事務部の性格と分掌

著者: 石原信吾

ページ範囲:P.19 - P.23

まえがき
 病院という組織体がその機能を果たしてゆくためには,いうまでもなく,きわめて多種多量の業務を必要とする.ある部門が病院組織の1つの構成単位をなすということは,その部門がそうした病院業務のうちのある部分を分担するということである.事務部が病院内の1部門を形成するという場合も事柄は同じである.
 では,事務部がそこでみずからの守備範囲として分担する‘病院業務のうちのある部分’とは何であろうか.それが何であるにせよ,その業務の性格が,病院組織内における事務部の性格を決めるものであることはまちがいない.

病院規模と事務の分掌

著者: 落合勝一郎

ページ範囲:P.25 - P.28

はじめに
 医療の規模が小さく,医師が1人でなにもかもまかなって,それで十分間にあっていた,いわゆる1人医療のかつての時代には,医療には協力関係も,支配関係も,分業化もなく,医療の事務も最も原始的な形態で,それはそれなりに結構やってゆけたのであろう.
 この10年間,昭和34年以来の日本の経済力の発展はめざましいもので,有史以来かつてなかった高度経済成長の時代だといわれる.

内部牽制制度と分掌

著者: 一条勝夫

ページ範囲:P.29 - P.33

内部牽制組織の原則
 内部牽制組織は,企業が会計事務の処理において,不正や誤謬を防止するために必須のくふうとして検討されてきた.
 病院経営においても,日々多額の金銭の計算収納を行ない,各種の物品を購入し払い出しする段階において,誤謬の発生は当然に予想されるところであり,不正が行なわれる可能性はなしとしない.事実,薬局長やレントゲン技師長の汚職や,事務長・経理責任者の着服横領といった事例は珍しいことではない.

庶務課所管業務の特質

著者: 平野栄次

ページ範囲:P.35 - P.39

はじめに
 病院の庶務課(庶務係)という部門では実に種種雑多な仕事が処理されている,病院の開設に関する事項という病院を代表するような仕事から,所轄の警察や消防署との接触,地元の町会とのおつきあい,盗難の後始末,はては迷子の世話に苦情の承りというふうに他の部門でやらないことは何でもここで処理されるという特質をもっている.つまり実に幅の広い業務分担を負わされているのである.
 これはどの病院の業務分掌規程にも,庶務課(庶務係)の条項には必ず‘他のどの部門にも属さない事項’というような一項が盛られているからである.

医療事務の分掌

著者: 紀伊国献三

ページ範囲:P.41 - P.44

はじめに
 病院において,医事課すなわち医療事務課という組織は,わが国の病院においてのみみられる特有な組織なのではあるまいか.
 世界の病院管理のバイブルといわれる,マッケクレンの"病院の組織と管理"のどこを見てもわが国の医療事務に相当するような1つの組織は見当たらない.医療事務におそらく直訳すれば,英語でメディカルビジネスとか,ペーシャントビジネスとかになるのであろうが,アメリカの病院,いやそれ以外の国においても,医療に関する事務という機能達成のため組織を形成している例は,ほとんど聞いたことがない.

座談会

事務部分掌の問題点

著者: 井上昌彦 ,   東義晴 ,   大野菊衛 ,   安永貞雄 ,   片岡正 ,   石原信吾

ページ範囲:P.46 - P.55

病院の事務部が担当する業務は,‘医療サービス’という最終的には1つになる目的をもって動いてはいるが,その分掌のしかたによって数々の問題が生じてくる.合理的な業務の分担,各部門間の密接な連携など,事務の分掌をめぐって現場の方がたに話しあっていただくと……

グラフ

成人病はアフターケアまで—九州厚生年金病院成人病センター

ページ範囲:P.5 - P.9

九州厚生年金病院は昭和30年に発足したが,昭和39年に心臓センターを設置し,さらに昭和44年に成人病センターを併設した(鉄筋コンクリート,4階,3300m2).
成人病センターは心臓病,脳血管障害,喘息,肺気腫などにつき精密な検査,高度の治療を行なうとともに,患者に具体的な生活指導をし,退院後のアフターケアまでを含めている.高血圧や心臓病の患者は,退院後も入院時と同様のきびしい監視のもとにおかれる.患者の生活指導のために,機能回復訓練室や長期観察室などが置かれ,患者の個人差に合わせて"人生の設計"までめんどうをみている.

第七回日本病院管理学会

ページ範囲:P.10 - P.11

日本病院管理学会は地味な学会である.正会員の資格にも条件がある.しかし7回の総会をむかえて,会場を東京・厚生年金会館の小ホールにとるだけの発展をみせた.会期は9月1日,2日の2日間.特別講演2,シンポジウム1,一般演題33.一般演題も15分というゆとりがあり,討論も活発で,充実した内容であった.

病院管理のパイオニア・10

金子 光—前東京大学助教授(保健学科)

著者:

ページ範囲:P.12 - P.12

 病院管理における看護の確立に真剣に取り組み,看護課長としては看護行政に汗みどろとなり,また衛生看護学科(のちの保健学科)にはいっては看護の研究と教育に打ちこむ.その考えの鋭さ,正義感,熱情が,看護というものを人びとの胸にくいこませ,そして看護を表通りに出すのに力となってきた.

病院の広場

精神病院の機能

著者: 松井紀和

ページ範囲:P.17 - P.17

 精神病院くらいいろいろな方式や運営がなされているものは,他の科にはちょっとないのではあるまいか.こういう多様性は,医学が進歩したからか遅れているからかは,ちょっとむずかしい問題で,一概にこうだとは言えない.医学が発達していけば,ある一定の最低線はレベルアップされていくことは予想されるが,しかし,それでもなお多様性は残っているというより多様性を増すかもしれない.そこに精神病院のひとつの宿命的なものがあるように筆者は感じている.これは決して困ったことではなく,むしろこの傾向を機能分化として進めていくほうが有益ではないかとすら考えている.
 ある方式が現代のトップレベルだとして,各病院がそれに右へならえというのでは,なるほどある一定線は保持できようが,もっときめの細かい医療は望めないように思う.やはり病院運営にあたる者やそこに働く医療担当者の得意,不得意なども考えて,ある一定線以上のことは特長を大いに生かすような方式がとられるほうが患者のためにも望ましいであろう.ただし患者側の適応が十分考慮されて適正に配置されるよう,地域全体としての病院間の連絡協調がスムーズにいくという前提がなければ,このやり方は生きてこないのは言うまでもない.

病院図書館

—大森 文子・吉武 香代子 著—「婦長必携」

著者: 増田澄江

ページ範囲:P.23 - P.23

婦長の自己評価のための書
 本書を一読し,いちばん強く印象づけられたことは,「婦長の自己評価のための書である」という点である.
 長と名の付くものの貴任の重大さ,それはどんな少数であろうと.何人かの人間の運命を預る立場にあるからで,長のあり方により,そこで働く人間の能力は左右されるとまでいわれる.とくに病棟婦長の立場は中間管理者として,総婦長の方針をスタッフに伝え,スタッフの要求を総婦長に伝えるパイプの役割を持ち,婦長の伝達能力のいかんにより,パイプは上下に十分な機能を発揮することができる.その点本書は,婦長はいかにあるべきかを克明にとりあげ,事例を加えてわかりやすくまとめられているので,婦長業務の手引として,またナースや学生の管理テキストとしても,好適であると思う.病棟婦長であれば当然知らなければならないことを,私たちはあまりにも知ろうとしなかった.しかし現在管理責任を持つ多くは,そのことに少なからず行きづまりを感じているのではないだろうか.

—平野 栄次 著—「病院の設備管理」(病院管理新書9)

著者: 原素行

ページ範囲:P.109 - P.109

事務長・工学技術部主任の机上に本書を
 病院活動は医療・看護および患者生活の3大要素から成立する.したがって,病院事業が"人対人"に始まり,"人対人"に終わるのが,病院固有の性格である.病院の諸設備は病院活動のために1日として欠くことができないものとして,重要視されながら,やはり,業務をすすめるための手段に用いられる"物"と考えられ,しょせん物の管理は"従"の立場におかれ,一貫した幹線道路に面していないらしい.重要なる高度医療設備についても,同じことが言えよう.
 これに反して,生産業は利潤追及の企業であるから,大設備から工具にいたるまで,すべての物が経営上きわめてたいせつなものとして,企業運営の一環として扱われている.

管現者訪問・20

国保旭中央病院長 諸橋 芳夫 先生

著者: 岩佐潔

ページ範囲:P.57 - P.57

 千葉県の銚子から九十九里浜ぞいに汽車で5つめに旭駅がある.この駅前市街地を抜けて南に進むとたんぼの中に500床の大病院が建っている.はじめて行くと,どうしてこんなたんぼの中に,こんなりっぱな大病院があるのかとビックリする.
 昨年15周年を迎えたところであるから開院は昭和28年である.それは旧海上郡の8町村の一部事務組合によって造られ,一般35床,結核78床の,どこにでも見られる国保病院のひとつであった.これが国保病院としては例外的に大きい500床の近代病院に育ってきたのは,開院以来の院長である諸橋先生の力によるといわざるをえない.

イギリス病院管理うらおもて・10

原価計算

著者: 一条勝夫

ページ範囲:P.58 - P.59

病院の種類による原価の差
 イングランド・ウェールズのナショナル・ヘルス・サービスが病院経営に費やす費用は,1966年度で6300億であった.これは同じ時期におけるわが国の総医療費の病院に対する支払額にピタリ一致する.しかし,わが国の病院数は約2.5倍,病床数は約2倍であるから,1床あたりにしてみると,わが国の病院経営費用はイギリスの半分ということである.このことは1人あたり国民所得が半分であることと合致するわけである.
 総額が同じであり,平均値が似ているとしても,個々の病院についてみると著しく違う.新古とか,規模の大小設備投資の違いといったものよりも,どのような性格をもった病院であるかのほうが重大である.

病院と統計

病院統計の標本誤差

著者: 前田行雄

ページ範囲:P.60 - P.61

 病院や診療所についての調査のうち,医療施設調査,病院報告は,すべての施設について調査されたものであるが,患者調査の場合は,無作為に(くじ引きのような方法で)選ばれた1/10の病院,1/100の診療所について調査されたものである.前者を全数調査,後者を標本調査という.
 標本調査の特色は,全客体を調査しないため,経済的であると同時に結果が迅速に導かれるということである.また,全数を調べないために当然誤差(標本誤差)が生ずるが,無作為抽出による標本調査では,この標本誤差のおおよその大きさを知ることができる.標本誤差の大きさは,当然標本の大きさによって左右されるが,同じ標本数でも,抽出の方法,結果の推定方法によって異なってくる.

霞ガ関だより

公的病院木造建物保安度調査

ページ範囲:P.62 - P.63

 公的病院の建物は,近年,年々整備されてきているが,まだ木造部分も相当あり,その設立の時期から考えると,年々損傷の度を増し,災害の危険にさらされているものも多くあると考えられる.厚生省においては,昭和37年度に公的病院の木造建物の保安度調査を実施し,医療機関整備のための基礎資料としてきた.しかし,その後医療機関の整備は著しいものがあり,現状を早急に調査し,今後の医療機関の整備計画および改築補修基準策定の基礎資料とするために,昭和42年12月に本調査を実施した.
 調査対象としては,公的病院(都道府県,市町村日赤,済生会,国民健康保険団体連合会,厚生連および北海道社会事業協会の開設する病院)の木造の建物を対象とした.ただし,仮設的建物および昭和38年以降に新築した建物は除外した(昭和38年以降の新築建物のうち台風などにより補修を要する程度の被害を受けた建物は調査の対象とした).

見のがされやすい実務の知識

病院の簡易形エアカーテンの利用

著者: 倉持一雄

ページ範囲:P.64 - P.64

 エアカーテンは近年開発された装置であるが,日本ではそごう百貨店の玄関入口に取り付けたものが国産第1号機で,その効用は話題となったが,設備費が高価であり,そのうえ新築建物では,その機構の組み込みが計画できるが,既設建物は大改造が必要となるため,ほとんど普及していないのが現況である.
 しかし,その機構の一部を利用した簡易形エアカーテンは,既設建物あるいは設備に容易に取り付けられるため,その利用が多くなり,その後機構も改造されて,機能も向上し,用途範囲も広くなっている.今回はその原理を簡単に紹介すると同時に,病院への利用について述べてみたい.

緊急情報

新設医科大学—構想と動き

著者: 水野肇

ページ範囲:P.65 - P.74

関心の集まる新設医科大学の性格
 インターン問題に端を発した「医学部紛争」はやがて全学の紛争となり,大きな社会問題にまでエスカレートしていった.それから1年半たった現在,ぼつぼつ授業が再開されて,一見,平静になりはじめた医学部もある.しかし,あれだけ大きな問題をかかえ,全学スト,機動隊導入,内ゲバまでくり返したにしては,問題の本質は,一向に解決されたキザシはなく,どちらかといえば,"大学法による閉鎖や廃校へのおそれ"と"学生側がもう待てない"といった心境になりはじめて,授業再開になったという感が強い.
 医学部改革は,いうまでもなく非常にむずかしい.100年という歴史と伝統をもち,そのうえ,医学そのもののもつむずかしさ,学問としての医学の進歩,それに医療制度が微妙にからんで,そう簡単に改革ができるものではない.やはり,改革するには10年ぐらいの月日が必要で,その間少しずつ改良されていって,10年たってみて"この10年間に変わったな"という感じをもつというものであろう.

病院を考える・14

医業の公共性と公的医療機関の使命

著者: 前多豊吉

ページ範囲:P.77 - P.81

 医師法第1条‘医師は医療及び保健指導を掌ることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し,もって国民の健康な生活を確保するものとする’とあって,医業はおのずからその公共性を定義づけられており,このうち医療については,医師の責務と自覚されているが,保健指導をつかさどる点については,その主体性は確保されているとはいささか言いがたい.近年,日本医師会が地域保健活動を医師会運動の主流と考え,声を大にして指導しているのも,医業の公共性をあらためて再認識したからにほかならない.この保健指導が予防という仮面をかぶって保険医療に混入してきている現状は,逆説的には医療拡大を企図しているという見方も生じ,これらに対するケジメ即医師自身の医療に対する自覚が第1条遵法のたいせつなポイントになる.
 もし医師が保険医療の正常な発展を願うのであれば,医療と予防との区別をまず正確に把握しなければいけない.すなわち,公共活動としての保健—予防は治療医学の範囲縮小に連なるべきで,決して拡大の具ではないのである.したがって,もし拡大の具に供するならば,公共性は失われると知るべきである.私は保健指導・公衆衛生活動が行政的基盤のもとに行なわれている現状にも批判をもっているが,仮に現状を容認しても,その活動の第一線に立つべきは医師であって,それが医師会という団体と密着して行なわれるものであり,また現状ではそれが絶対不可欠の条件である.

第7回日本病院管理学会印象記

‘病院管理学’の広大さに驚く

著者: 川北祐幸

ページ範囲:P.82 - P.83

 暦の上での秋とはいえ,真夏を思わせる残暑のきびしい9月1日,2日の2日間にわたり,東京の厚生年金会館で,橋本寿三男先生の会長のもとに,第7回日本病院管理学会総会が盛大に催された.
 病院管理学というような‘——logy’があるのだろうか.たえず疑問に思い先輩諸先生方にお尋ねすれば,いとも明解に‘ない’といわれ,諸種雑多の中から煮つめあげるのだといわれてきた.なるほどプログラムを見て,その広範囲な事実にただただ驚くばかりだった.法学,建築学,工学,経済学と次つぎに演者により,病院との結びつきを論じられていくのを聴いて,自分自身がこれから,これらのものを専門に勉強してゆこうという浅い考えに恐ろしさが先にたってしまった.

病院建築・11

住友別子病院

著者: 松原孝史

ページ範囲:P.85 - P.90

病院の沿革
 この病院は,明治32年に在新居浜住友事業所の従業員とその家族の診療を主とし,兼ねて一般市民の診療のために開設された.その後,住友各社の事業発展によって,従業員およびその家族も年々増加し,それに伴って病院も順次増築を行ない,診療科10科,病床数262床の総合病院となったが,建物の大部分が木造建築であり老朽化が激しく,そのうえ近代医学の進歩に伴う十分な機能が発揮できなくなったので,隣接の地に355床,延面積約5100坪の規模で新築されたものである.

研究と報告【投稿】

外来予約制度について—2年間をふり返って

著者: 松尾月子 ,   柳原貴子

ページ範囲:P.93 - P.97

はじめに
 当病院外来の診療科目は, 内科,神経科,産婦人科,整形外科(形成外科),外科,脳外科,放射線科,耳鼻咽喉科,眼科,小児科,泌尿器科,皮膚科で,歯科を除く全科診療である.特殊検査・一般検査・注射は中央化されている.1日外来患者数は600-700名.外来受付時間は午前9時から12時まで.受付は中央受付であるが,内科の再来患者のみ,内科で窓口受付をしていた.
 従来は,時間内であれば無制限に受け付けていた.そのため,再来患者は診察順位を早くとるため,診察券を入院ちゅう知り合った患者を利用して早く出すとか,距離の近い者は,診察券を早朝に出して,いったん家に帰り食事をしてから来院するとか,いろいろと手の込んだやり方がふえるようになった.また窓口で順位争いが起こったり看護婦・事務員に親しい人を早くしているのではないのか,などの不平不満が起こってくるようになった.

病院事務部における技能職員と労務職員の実態について—病院事務部の研究(第2報)

著者: 車田松三郎

ページ範囲:P.99 - P.106

はじめに
 われわれは,病院事務部の職員構成について機能上から大きく3つに分けて分析することにした.すなわち,第1に一般に庶務や医事・会計・用度などを担当する事務員であり,第2に技能職員,第3に労務職員である.
 事務員についてはすでに第1報1)(病院26巻12号)において報告したので,今回は第2,第3について報告することにした.なお,ここで,技能職員とは,パラメディカルに属さないもので,国家試験や検定試験などによる資格の有無にかかわらず,職能上技能を主とするものに従事している職員である.その代表的なものとして,調理師・ボイラー技士・自動車運転手・電気士・電話交換手などがあげられる.また労務職員とは病院の中で特別資格の有無などに関係なしに,一般に単純労務作業に従事している職員である.そのおもなものとして,警備員・清掃婦・洗濯婦・炊事婦などがあげられよう.

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編集主幹ノート

著者: 吉田幸雄

ページ範囲:P.110 - P.110

 本号は"事務分掌"を特集しました.しかし座談会で日赤の東氏が指摘しているように,この特集の目的はまさに事務部業務の分掌ということです.本来日本語の‘事務’ということばは現在では混乱しています.広辞林を開いてみると,単なるtaskの意味のような解釈しか書いてありません.行政組織法でも,‘行政事務を分掌’ということばを使っているし,また役人を事務官と技官の2つに分けるなど,さまざまです.
 病院では,診療関係業務部と看護の部以外はすべてを一括して事務部と名づけてしまっているのは,診療とか看護というように病院の機能のうち,明確な専門的な仕事と認められるものを独立させ,その他のtaskは一括して事務部とするということで,この名称が用いられているものでしょう.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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