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文献詳細

雑誌文献

病院28巻12号

1969年11月発行

文献概要

病院の広場

精神病院の機能

著者: 松井紀和1

所属機関: 1山梨日下部病院

ページ範囲:P.17 - P.17

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 精神病院くらいいろいろな方式や運営がなされているものは,他の科にはちょっとないのではあるまいか.こういう多様性は,医学が進歩したからか遅れているからかは,ちょっとむずかしい問題で,一概にこうだとは言えない.医学が発達していけば,ある一定の最低線はレベルアップされていくことは予想されるが,しかし,それでもなお多様性は残っているというより多様性を増すかもしれない.そこに精神病院のひとつの宿命的なものがあるように筆者は感じている.これは決して困ったことではなく,むしろこの傾向を機能分化として進めていくほうが有益ではないかとすら考えている.
 ある方式が現代のトップレベルだとして,各病院がそれに右へならえというのでは,なるほどある一定線は保持できようが,もっときめの細かい医療は望めないように思う.やはり病院運営にあたる者やそこに働く医療担当者の得意,不得意なども考えて,ある一定線以上のことは特長を大いに生かすような方式がとられるほうが患者のためにも望ましいであろう.ただし患者側の適応が十分考慮されて適正に配置されるよう,地域全体としての病院間の連絡協調がスムーズにいくという前提がなければ,このやり方は生きてこないのは言うまでもない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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