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雑誌目次

雑誌文献

病院28巻2号

1969年02月発行

雑誌目次

特集 病院と図書館

中央図書館—国家公務員共済組合連合会中央図書室

著者: 加藤彰

ページ範囲:P.27 - P.30

はじめに
 病院に所属する図書室が十分拡充されて,診療に従事する各職種の人々の要求を満足させることができることが理想であろうが,現在の医療制度のもとで,直接収入につながらない図書室の整備に多大の費用を費すことができないのが現状であり,とかく置き去りになりがちな部門である.かといって,それでよいのだと考えられる方はないと思う.
 この矛盾を埋めるために,国家公務員共済組合連合会は,全国に存在する直営する29病院,管理する10病院の合計39病院の総意をまとめて,中央図書室を設立した.各病院で日常必要とする図書を備えるのは当然であるが,経済上にも一定の限界があり,あまり使用頻度の多くないものまで各個の病院でもつよりも,中央図書室を設けて図書を集中して,共済病院全体として充実した図書室をもち,全国ネットで有効に利用しようという趣旨で,昭和35年に虎の門病院内に設立された.

国立病院国立療養所文献情報センターの概況

著者: 臼田正堅

ページ範囲:P.43 - P.44

はじめに
 近年,医学の進歩と発展向上に伴って,医学分野における種々な文献の需要の数が日ごとに増加の一途をたどっている.
 そして病院の業務たる診療に欠くことのできない頭脳的な地位を占め,役割を演じて,病院の医療技能の発展向上にもっとも寄与するところが大きいとされている医学関係の文献情報を業務とするところをだれでもがほしいと思い,また願っているであろう.

グラフ

図書室—虎の門病院,国立京都病院

ページ範囲:P.5 - P.7

 医師の研究,教育や医療の進歩のために,病院の図書室の役割は大きい.しかしわが国においては,病院経済の制約が強く,図書室が貧弱なことが多い.病院発展の1つの要素として,今後図書室の充実にも力がそそがれるべきであろう.
 その例として,虎の門病院の中央図書室と国立京都病院の図書室をたずねてみよう.

座談会

病院図書館の中央化

著者: 小野田敏郎 ,   吉田幸雄 ,   長谷川泉

ページ範囲:P.19 - P.26

 図書室の活用のされかたをみると,その病院の医療の質がわかる——長年病院に出入りしてきた人のことばである.冊数を誇ったところで,死蔵ではしかたがない.1人でも多くの医療関係者に,効率よく,効果的に活用されるには……ひとつ大きな視野に立って,病院の図書館について論じていただこう.

図書館の運営と管理・2

図書の閲覧・貸し出し

著者: 三竹年世子

ページ範囲:P.35 - P.39

はじめに
 図書室の仕事としては,(1)受け入れ,(2)整理,(3)利用,と大きく分けられるが,そのうち利用の中には閲覧,貸し出し,レファレンス,その他のサービスなどがある.
 日本では比較的最近まで,図書館といえば倉庫的存在にすぎず,その第一の任務は資料の収集と管理であった.しかしこの数年来,専門図書館はもちろん,一般図書館においても,もっぱら利用部門,いわゆる閲覧,貸し出し,レファレンス,複写また視聴覚機器の貸し出しなどに力を入れてきたようである.

図書館の運営と管理・3

図書の分類と整理

著者: 梨本孝子

ページ範囲:P.39 - P.42

はじめに
 共通の目的を有する構成要素から成る複合体として病院があり,構成要素の一部のサービス部門として,病院図書室も置かれている.こうした中で病院図書室自体も,病院という複合体のめざす共通目的にその活動方向を進めていかなければならないのであるが,従来の静的なサービスと異なり,動的なサービスということに主力を注ぐべく前向きの積極的な活動こそ,その方向とすべきであると考えている.また,大規模な大学の医学図書館は図書館のエリートともいわれ,すばらしい活動をみせているが,中小規模の病院図書室もまた,これら大学医学図書館を中央館として,適応しかつ学び,Special Libraryとしての方向づけを確立すべきと考えている.
 こうした考えから,今日ここに与えられた図書の分類と整理という大きな課題について,日常の業務から簡単に述べて皆さまのご意見などもうかがいたいと思っている.

グラフ

半世紀の躍進—秋田赤十字病院

ページ範囲:P.8 - P.11

 秋田赤十字病院は大正3年に創設されてより,50年あまりを歩んできた.その間,移転,進駐軍の接収などを経て,40周年には3階建ての病院となったが,昭和43年8月,新病院が落成した.
本館は地下1階,地上6階,343床,外来1日800人.別館は地下1階,地上4階で,秋田県赤十字血液センター,高等看護学院,看護婦宿舎を収容している.総工費約7億4000万円.(秋田市中通1丁目4-36,竹本吉夫院長)

病院管理のパイオニア・2

神崎 三益—武蔵野赤十字病院長

著者:

ページ範囲:P.12 - P.12

 神崎先生の第一印象は熱血漢ということである.がっちりしたからだに闘志がみなぎっていた.新しいアイディアを活かし,ただちに病院管理に実践する.この熱気のもとで,病院全体が活気を帯びる.何年も前のこと,はじめてお会いしたとき,まず日赤精神を説かれたのが印象的であった.近くへ寄ってみると,この写真のような暖かさを感じる."運搬車を泣かしちゃいかんよ.ねェ"と,廊下や病室の入口に段がつくのに気を配っておられた.

病院の広場

日ごろ考えていること

著者: 藤井昌富

ページ範囲:P.17 - P.17

 幸運な学会日和であったと思う.北から南から来た人から,蒼い空,蒼い海は,なんとはなしに南国の情緒が感ぜられたことをその謝辞のなかから受け取った.明治百年とNHKの"龍馬が行く"のドラマは,学会を別にしても旅情をかきたてる要因にもなったことであろう.思わぬ人数にふくれあがった第7回自治体病院学会ではあった.会員の皆さまに深謝するしだいである.投稿を依頼されたので好機とばかりに私見を書きつづらせてもらいます.

病院図書館

—吉田秀夫著—「医療保障入門 その歩みと課題」

著者: 川上武

ページ範囲:P.42 - P.42

矛盾する医療保障問題の本質に迫る
 いま日本医療をささえる2本の柱である,医療制度・医療保障の分野には,小手先の改善では解決困難な矛盾が山積している.前者はインターン問題に端を発した医学生運動の激化に,後者は昨年末に厚生省より発表された"医療保険の抜本的改革試案"をめぐる動きに代表される.とくに後者は健保特例法(1967年秋より実施)で明らかにされた意図を,医療保険ぜんたいにおしひろめようとするものである.その要点を一言でいえば,戦後の民主化の動きのなかでまがりなりにも充実され,社会保障的性格をもちはじめてきた医療保険に,再び自由診療の拡大を導入しようとする試みである.
 これは表面的には医療保険の赤字問題ということより立案されたようになっているが,これにより医療の原則である"万人が平等に医療をうける権利"が侵害され,やがては医療の自殺行為につながっていくにちがいない.そういう意味では,医療費を中心とした医療保険の問題に限局せず,医療ぜんたいのあり方とも深く関係してくる.この実施にあっては,こんごの医療関係者・患者などの反対運動いかんによって,その内容が変えられねばならない.そのためにも,その本質および歴史的背景はすべての医療関係者の必須の知識であり,こんごさらに混乱が予想される医療の分野で,どう生きていくかの指針としてかくことのできないものとなってきた.

—David H.Clark著 鈴木 淳訳—「精神科医の役割 管理療法」

著者: 岡田靖雄

ページ範囲:P.89 - P.89

病院精神医学の標準を示す
 本書は,1967年11月から1968年3月までWHO派遣顧問医としてわが国にきていたイギリスの精神科医クラーク博士の"AdministrativeTherapy-The role of the doctorin the therapeutic community"(1964)の訳である.
 管理療法とはなにか?"私は管理療法を管理的諸技法を用いて精神病院の患者を治療する技術であり,または治療共同社会のなかで医師の真の役割を達成する技術であると定義する"(序).つまり,その内容は精神病院における治療的人間関係をいかにつくりあげていくかであり,著者はマクスウェル・ジョンズの"治療共同社会"を中心においている.

病院を考える・1

まぼろしのkey-stones

著者: 鈴木淳

ページ範囲:P.47 - P.51

死にいたる‘病院’
 病院という外国語はフランスではl'Hôpital,英米ではHospitalである.これらのことばは死語である.すくなくとも,いままでに一度は捨てられたことがある.
 それはフランス革命のころであった.フランスの最盛期,ルイ王朝がけんらんと花咲ける日々,パリの街々には捨て子4万,病弱浮浪者4万,傷病者2万5000が頼るべき人もなく,食を求めてさまよっていた.時の大王ルイ14世は社会不安を防ぐためにいくつかの病院を建てたが,新設病床数は医療需要をはるかに下回っていたし,新病院も既設とおなじ運営方法で管理された.

アメリカを回って

アメリカの地域病院の新しい役割

著者: 牧野永城

ページ範囲:P.53 - P.57

はじめに
 日本病院協会主催の第2回トラベリングセミナーに,アドバイザーとして参加させていただいた.2週間ナース一行とともに西海岸のいろいろの病院やNursing homeを見学し,さらにその後2週間,一行から離れて単身で東海岸にむかい,途中,昔自分がインターンや外科のレジデントをしていた病院などを含めて,いろいろの病院を尋ねて回った.5年半ぶりに再会したアメリカだったが,この間に起こっていたいろいろの変化は,予期以上でたいへんな勉強になった.見学の収穫を大ざっぱに分けてみると,(1)一般地域病院の医療領域に関する考えが拡大されてきていること(2) Keiser Health Planにみられる将来の予防医学の展望(3)病院で急速に進んでいる技術革新(4) ICU, CCUの考えかたがすでに実験期,模索の時代を過ぎて,その様式が定型化されてきていること(5)看護婦不足に対する処理のしかたが,ますます思いきって過去の医療上の常識を破りながら,現実的に進められていること(6)病院における医師の卒業後教育に関しては,Straight Internshipが漸次一般的になってきていることなどになるだろうか.
 ここでは編集者の注文で,以上の中から,特にいわゆる地域病院における医療概念の変化といったことを取りあげて述べてみる.

話題

"病院建築"発刊

著者: 伊藤誠

ページ範囲:P.57 - P.57

 ご存知のかたも多いことかと思うが,「社団法人日本病院建築協会」という団体がある.病院には機能上いろいろとむずかしい問題が数多くあるとされている.その病院の建築についていっしょに勉強し,また情報や資料を交換しあっていこうという趣旨の団体である.この協会が機関誌を持とうということになり,今度その第1号が出た.費用や人手の関係もあってきわめて薄い冊子でしかも季刊ではあるが,まずは堅実に出発し,おいおいたくましく育てあげていこうという意気込みである.
 ところで,第1号の内容は,①今問題の重症心身障害児(者)のために東京都が建設した初の本格的病院"府中療育センター"の建物紹介,②これまた最近問題の多い住宅団地における医療需要に関する調査研究の報告,③最近における内外の目ぼしい病院建築のリスト,④文献目録⑤ニュースその他,によって構成されている.

特別レポート

実習生のみた病院の人間関係

著者: 荻原桂子 ,   守屋博

ページ範囲:P.60 - P.64

 この感想文は,A病院で約3か月実習中に受けた印象の記録である.この実習生は,今春,立教大学の社会学科を卒業して,A病院にケースワーカーとして採用されたのであるが,仕事を始めるまえに,病院の職場を理解し,そこの職員と顔なじみになるという目的から,病院のあらゆる部門に実際に仕事をしてもらったのである.各職場には1週間ずつしか回れないが,それでも同じ仕事の仲間として話しあうことによって,いろいろのことを見出すことができたらしい.病院に慣れてしまうと,なんでもないことが,新しい目には強い印象として残るものである.この点がワーカーとしての仕事の上にも,役にたつのではないかと思っている.

病院建設の基本問題・10

救急医療施設—地域の医療需要と施設計画(5)

著者: 荻原正三

ページ範囲:P.65 - P.71

 以上,最近の救急医療需要の増大と質的変化が病院計画にどのような影響を与えているかについて検討してきたが,まとめると次のようになる.
(1)最近の救急医療需要は,ほぼ人口10万人あたり年間2500-3500人程度のところまで増加し,救急医療施設およびその施設網の早急な整備を必要としている.
(2)救急医療需要は都市の全域にわたって増加しているが,とりわけ大都市周辺部における増加傾向がいちじるしく,周辺部の施設整備の遅れが重大な問題となりつつある.
(3)救急医療需要の増大は,一般に考えられているような交通事故受傷者によるものだけでなく,急病,一般負傷によるものも多い.とくに近年一般医療施設の夜間,休日診療辞退が一般化する傾向にあり,救急施設にたんなる時間外の軽症患者が来院するケースがふえつつある.この傾向がすすむと本来の救急医療をさまたげる恐れもでてくる.
(4)救急医療需要は交通手段が発達し,都市に人口が集中し,都市の活動が昼夜をわかたず活発になり,従来の昼間しか機能を発揮できない一般医療体系との矛盾が激化すればするほど急速に増大しよう.したがって施設整備をかなり思いきって実施しないと常に後手にまわることになる.
(5)救急医療需要が発生する原因としては,交通事故,労働災害,運動競技,一般負傷,傷害(犯罪),自殺自損行為急病,その他(火災,水難など)および少し性格が異なるが出産が含まれる.

管理者訪問・13

千葉労災病院長 河合直次先生

著者: 岩佐潔

ページ範囲:P.73 - P.73

 先生は千葉大の外科の教授として早くから肺臓切除に手をつけ,患者は全国から集まってきた.その後癌の手術に腕をふるっていたが,今は労災病院の院長として災害医学を発展させることに取り組んでおられる.大正10年の東大卒であるから,前の国立ガンセンター総長 比企能達先生と同級である.
 外科をやる前に,まず黴菌学教室で4年近くをすごした.この教室も独立していないころであったが,有名な竹内松次郎先生の指導を受け,その後青山教授のもとで外科を勉強した.東大の講師のころ,教職員組合の三楽病院が建設されることになり,その設計に参加した.

イギリス病院管理うらおもて

"英国製"

著者: 一条勝夫

ページ範囲:P.74 - P.75

オールドファッションのかっ歩する街
 "英国製"という名のもつイメージは,最近は多少うすれたとはいえ,まだ相当に根深い.
 同じ舶来品でも,"ドイツ製""フランス製"というのとはそうとうに違うように思われる.しいて表現すれば,重厚さ,丈夫さということであり,言いかえれば,流行にとらわれないという意味で保守的であり,長持ちし,かつ紳士的な近代性も備えているという感じである.

病院と統計

患者の実態

著者: 前田行雄

ページ範囲:P.76 - P.77

 病院や診療所で受療する患者についての実態を調べるため患者調査が行なわれている.この調査は,全国の病院から1/10,診療所および歯科診療所から1/100の抽出率でランダムに抽出された施設に対して実施され,調査期日は7月中旬の1日(退院患者については,6月1日より30日)となっている.病院報告では,入院・外来別の患者総数しか知ることができないが,この調査では,患者の性,年齢,傷病名,治療費の支払い方法,在院期間なども知ることができる.
 昭和42年の患者調査は7月12日に実施された.今回はこの結果を中心にして,全国の医療施設における患者の実態を観察しよう.

霞ガ関だより

公的性格を有する病院の病床規制

ページ範囲:P.78 - P.79

 公的性格を有する病院の開設などの規制に関する必要病床数の算定方法の改正に関し,医療法施行規則の一部を改正する省令(昭和43年厚生省令第55号.以下"改正省令"という)が制定されるとともに,"医療法第7条の2第1項の必要病床数の算定において,病床の種別並びに市町村及び特別区の区分に応じて,人口に乗ずる数値を定める等の件"(昭和43年12月厚生省告示第508号.以下"数値を定める告示"という)および医療法施行規則第2条の4第1項第3号に規定する疾患を定める件(昭和43年12月厚生省告示第509号.以下"疾患を定める告示"という)が,それぞれ定められ,いずれも昭和43年12月28日に公布された.
 以下,公的性格を有する病院の病床規制の概略,今回の医療法施行規則の改正などの経緯,内容などについて簡単に紹介する.

見のがされやすい実務の知識

病院の暖房

著者: 上林三郎

ページ範囲:P.80 - P.80

 病院営繕担当者として苦労する問題に,冬期および夏期の冷暖房最盛期の際の設備の容量とその有効な使用方法がある.病院の建物の全部をくまなく24時間,一定の温湿度に空調できれば一番よいのであるが,現在の病院経済では不可能に近いことである.
 私どもの病院は,外来棟はパッケージによる暖冷房,病棟部はスチームによる直暖という方式をとっている.暖房時間および区域は,ハウスキーパーで毎日ボイラーに通知してくるが,手術室,放射線科などから緊急の場合は直接電話のかかることもある.ただこの場合,各部門の人たちの寒い,暑いの基準が,温度計の指示ではなく,ただなんとなく寒いくらいの感じで電話してくることが多いのである.

病院建築・4

東北大付属病院におけるICUの設計と運営

著者: 岩月賢一 ,   渡部美種

ページ範囲:P.83 - P.89

はじめに
 入院患者の中には,自分自身の用事やひとり歩きのできる軽症のものもあれば,一刻も目を離せない重症のもの,あるいはその中間のものもいるが,従来の病棟ではこれらの患者を各科別に収容して,それぞれのナースステーションの管理下において診療看護にあたっていたため,医師や看護婦の手が自然と重症患者に集中し,他の患者には十分に手がまわらない状態になることが少なくなかった.
 とくに重篤な患者には,酸素吸入やレスピレーターによる人工呼吸,あるいは持続的な心電図の監視などを必要とすることも少なくないが,このような場合にはそれぞれ必要な器具を病室に運び,医師もそのつど病室に出向かなければならない不便があった.しかし,必要な器具を1か所に集め,患者をここに収容すれば,このような不便を解消できるばかりでなく,これまでよりもいっそう有効かつ能率的な治療看護が期待できる.

ホスピタルトピックス

国際病歴会議に出席して

著者: 伊従茂 ,   酒井隆子

ページ範囲:P.91 - P.93

 わが国の病院管理としては,おそらく,これが最初の国際会議出席であろう.これを契機として,さらに一段と発展することが期待される.

精神病院の医療評価

著者: 鈴木淳

ページ範囲:P.94 - P.95

 病院医療の評価にはむずかしい問題が含まれている.精神病院には内因性精神疾患が過半数を占めているので,なおいっそうむずかしくなる.対象内容の複雑性ばかりでなく,評価法それ自身の普遍妥当性も確定されていない現在,精神病院医療の評価を提案することは二重の危険性をおかすことになる.
 しかし,その危険を承知しながらも,病院医療の質を判断することはだれかがしなければならないことである.Russell Bartonは評価の客観化に熱心な1人である.彼は54項をあげ,1項を3段階にわけ,2点,1点,0点を付し,全項の合計点数で病院の医療を評価しようとするものである.

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編集主幹ノート

著者: 吉田幸雄

ページ範囲:P.96 - P.96

 本号は"病院図書室"を特集しました.巻頭に小野田先生と私との座談という形式で総説にかえました.そしてその後に東京の代表的な病院図書室の管理を紹介しました.ただし,虎の門病院のものは,国立東京第二病院にある国立病院国立療養所文献センターと同様に,国家公務員共済組合病院の文献情報センターとして活動しているものです.
 したがって,病院単独のものとしては,厚生中央病院(332床),東京警察病院(546床),聖路加病院(366床)などの実例です.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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