icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院29巻13号

1970年12月発行

文献概要

特集 病院に残る古きもの 病院に残る古きもの・1

臨床大家と病院長

著者: 尾村偉久1

所属機関: 1国立小児病院

ページ範囲:P.30 - P.32

文献購入ページに移動
 ‘病院に残る古きもの’の1項目として本題が取り上げられたが,この項目に関するかぎり,わが国の現状では,古きものとして一部に残存しているというような生やさしいものではなく,社会全般の基本観念がいまだそこに停滞している状態であるといえるように思う.ただ本題の論述者として私に白羽の矢を立てられたことは,私が三十余年前にわずかに数年間の臨床医としての経験を有する以外は,もっぱら衛生行政,特に病院統括の行政に従事したうえで,この7年前から本題の標的となっている病院長--病院管理者になっていることがその理由ではないかと推察しているのであるが,実は臨床大家であってしかもりっぱな病院管理者でもある多くの先輩を知っている身にとっては,まことにつらい役割でもあり,また我田引水のそしりをまぬがれないことと,大いにちゅうちょしたしだいである.
 しかしながら本題がわが国病院管理の改善発展に関する基本的な課題として常に問題となっていることを思えば,社会一般の啓蒙という意味であえて筆をとるしだいである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?