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文献概要
特集 病院に残る古きもの 病院に残る古きもの・2
医師の話し方
著者: 守屋博1
所属機関: 1順天堂医院管理部
ページ範囲:P.33 - P.33
文献購入ページに移動陰語には,実用性と虚色性とある.医師の使うドイツ語まじりの特有の会話は,そのどちらであろうか.むろん,医師の陰語のうちには,患者に聞かせたくないものもある.しかし,患者にしてみると,自分の目の前で自分の運命に関することをベラベラと,しかも単なる研究的興味で話されることは,なににもまして気になるものである.しかもたまには,ドイツ語のわかる患者もいないわけではないので,たまに耳にはいったドイツ語から,思いもかけぬ想像をして,すっかり悲観してしまうことがなきにしもあらずである.こんな会話は,患者の前でないところで行なうのが医師としてのエチケットではあるまいか.
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