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雑誌目次

雑誌文献

病院29巻3号

1970年03月発行

雑誌目次

特集 総合診療

主治医と総合診療

著者: 小原辰三

ページ範囲:P.25 - P.28

 総合診療と主治医というテーマで書けとのことである.お引き受けして,さてこの問題と取り組んで考えてみると,総合診療の中における主治医という点には,特に問題がなさそうである,すでに総合診療を行なっている病院では,日常の診療で組織診療という形式はスムーズに行なわれていて,ほとんど討議をすることはないと思う.
 それでもなおこのテーマが取り上げられたのは,病院でこの総合診療を実施する場合に,主治医の果たす役割や各科医長の診療責任,あるいは診療管理のあり方などについて,少しく考えてみるということと理解して筆をとったしだいである.

大学病院における総合診療

著者: 高橋晄正

ページ範囲:P.29 - P.34

 人間が生物的存在,精神的存在,社会的存在という階層のしくみをもった有機体であるかぎり,病気になった人間の診療にあたっては,常にそれを総体的にとらえる視点がなければならない.わが国の医療がそれを喪失したのは,1人の病人をいつもそのような視点からとらえるべきホームドクター制度をもたないことにある.そのために,病人は町の風評にほん弄される‘流浪の民’となってしまい,自己判断によって特定の専門を標傍した医師を訪れる.そこではその‘専門’のワク内で最大限の診療が行なわれることになる.
 だが,重い病気の病人を‘専門’から‘専門’へと受け渡しをするのは総合病院,特に大学病院においてであるが,そこにおいて各科のセクショナリズムを決定的なものとしているのは講座の独立性=密室性である。ヨーロッパ諸国において,大学病院や総合病院の診療科が,形式的にはわが国と同じように細分化されているにもかかわらず,それに基づく人間の疎外が起こらなかったのは,制度的には1人の病人は町のなかのホームドクターのもとに総合されていたことによるであろうが,より本質的には,中世の暗黒時代における神の権威に対して,それに続くルネッサンスの曙のなかで,人間性=自我の確立が行なわれたという意識革命の存在を忘れることはできないだろう.科学といえども,そこでは人間の幸福のために存在するものであり,科学の名において人間を傷つけることは最高度に恐れられなければならなかったのである.

癌の総合診療

著者: 坪井栄孝

ページ範囲:P.35 - P.38

癌診療の特殊性
 胃癌と称し,肺癌とよぶ以上,一般に受ける印象は,それはあくまで胃の病気であり,肺の病気である.さらにまた,外科領域の疾患でありあるいは放射線科に入院すべき患者と決められかねない.しかし,このように臓器別疾患として癌が取り扱われることができるのは,あくまでも癌がその原発臓器にのみとどまっている時期であり,この時期には癌は局所疾患としての取り扱いが許される.そして,癌が局所疾患としての態度を取り続けている間は悪性腫瘍としてではなく,他の良性疾患と同じように処置されてさしつかえないのである.しかし癌には‘転移’という非常に悪質な性格があり,原発臓器にとどまらず全身に播種して,かつ播種先で無限に増殖していく.
 このように原発臓器を逸脱した癌は,もはや局所のみに対する処置は無力に近く,この時期には悪性度の高い全身疾患としての本性をさらけだしてくるのである.その始まる時期は臓器により,または癌の性質により異なるが,局所疾患としてとどまっている期間はそう長くは期待できず,したがって実際の臨床ではむしろ癌を全身疾患として取り扱わねばならぬことのほうが圧倒的に多いのである.

小児の総合診療—その必要性と小児総合病院における2,3の実際面

著者: 尾村偉久

ページ範囲:P.39 - P.43

はしがき
 近代医療の特長は2つあるといえる.
 その1つは,近代科学進展の潮流と軌を同じくして,極大極小の深奥を究めるべく進展を遂げつつある医学の専門化・細分化に対応して,高度に専門分化した診療,高級精密化した特殊診療の実現をはかることであり(専門的医療),もちろんこれは医療の進歩向上のためには欠くことのできない重要なことである.

国立がんセンターにみる医療へのコンピュータ応用

著者: 永井與志雄

ページ範囲:P.44 - P.45

 医療におけるコンピュータの応用には,医療用諸器械の大半がアナログデータであるから,アナログ量の処理が不可欠であり,大量のアナログデータが使用される.たとえば心電図の波形はアナログデータであるから,これをAD・DA変換装置でディジタル量にコンバートしてコンピュータ処理を行ない,その結果を数字あるいは文字としてプリントアウトするか,再度アナログ量に変換して,カーブプロッタまたはブラウン管などに表示する.
 このようにして各種の診断・検査・治療の器械とコンピュータを結び,医療のコンピュータ応用によるシステマチックな医療によって,より高度な医療の開発と促進がなされているが,このためには,だれでも容易に使用できるアナログ量の入出力装置と,コンピュータと直結するためのインターフェイスのよりいっそうな開発が必要である.

座談会

病院における総合診療

著者: 牧野永城 ,   榊原仟 ,   浅井一太郎 ,   中島克三

ページ範囲:P.46 - P.57

専門家が協力して1人の患者の診療に力を注ぐ——これは,総合病院の診療体系の原則である.ところが,かつての大学病院にみられたセクト主義が,そのまま一般病院にまで持ち込まれ,スムーズな運用をはばむ例も多いときく.診療の再編成が検討されはじめたいま‘総合診療’とは何か,またどうあるべきかを話し合っていただくことにする.

グラフ

ある個人病院の姿—甲状腺疾患にとりくむ病院伊藤病院

ページ範囲:P.9 - P.13

個人の経営にゆだねられた病床数の少ない病院のあり方には,いろいろの問題がある.特定の疾患をとりあげて,その専門病院としで特殊性を示すのも,ひとの道であろう.伊藤病院は甲状腺疾患に主力をおいた63床の病院である.病床数は少ないが,医師は14名(常勤4,非常勤6,当直専門4),看護職員25,検査技師14,X線技師2,薬剤士3,その他25という陣容をそろえ,専門の診療機能の充実をはかっている.甲状腺疾患を専門としている野口病院(別府),隈病院(神戸)などと情報の交換,連携を行なっているという.(伊藤国彦院長,東京都渋谷区神宮前4-3-6)

病院管理のパイオニア・14

吉田 幸雄—厚生省病院管理研究所長

著者:

ページ範囲:P.14 - P.14

 病院管理研修所が昭和36年に病院管理研究所となり,その初代の所長に就任してからすでに9年たった.その間有力なスタッフをそろえ,研究所の活動を世界的なものにまで発展させた.
 話しずきなことは有名であり,講習会では1日に6時間の講義をこなしている.話がはずむととどまるところを知らないともいわれるが,病院史の中で日光菩薩・月光菩薩の話を聞いた方も少なくないであろう.

病院の広場

日本鋼管病院のコンピュータ使用準備

著者: 佐藤靖夫

ページ範囲:P.23 - P.23

 近い将来に,病院の管理運営面や医療用にコンピュータの使用が必要になってくる,日本鋼管病院でも,昭和42年に電子計算器導入委員会(医師と事務職で構成)を作って,当病院の第1期計画としては,どんな器械を,どういう方法で,いかなる目的に使用すべきかを研究した.医師も,事務職員も,手わけをして出張見学したり,器械工場を見に行ったりした.その結果,器械としてはFACOM 203型を使用して,健保請求業務と病院管理資料作成を目標とした.FACOM 203型を選んだ第1の理由は,病院経済上,月60万円の賃借料が適当であると判断したからである(この器械を導入すると,約60万円の労務費がういてくる).
 さて,この器械を使用する実際面を研究しはじめたところ健保請求業務というものが複雑きわまりないので,とてもこの器械では目的を達することができないという結果になった.しかし,この器械よりも容量の大きい器械を使用すれば,なんとか目的を達することができたのであったが,月に120万の支払いは,当病院として許されなかった.そこで,この委員会を解散し,その後は病歴室が中心となって研究を続けてき,昨年秋にはIBMを使用すれば目的を達することができると判断した.そこで,ただちに情報処理委員会という名でコンピュータ導入計画を再検討し,だいたい本年6月を実施目標とし,今月から練習を開始した.

Editorial

総合診療の基礎は主治医の確立から

著者: 吉田幸雄

ページ範囲:P.58 - P.58

 人類の医に必要な科学と技術は,この100年間,急速な進歩をとげ,その結果,人類は近代医学に万腔の信頼をおくようになった.しかし,その知識と技術には,絶対信頼できるものと,いまだ不確実なものとが存在する.しかも,医の本来の目的であるすべての人間の健康を守るために,各人ごとに適切にそれらが適応され,最も効率的に活用されてはいない.各国とも,この有効なシステムを創ることに苦慮しているのが現況である.
 まず第1に,最も有効な医師またはその他の関係者の養成の問題,その者を国民の分布にしたがって適切に配置する問題,そして最後に最もそれらの知識・技術が対象の1人ひとりの傷病者に適切に施されるシステムの問題について検討が進められている.

第8回全国自治体病院学会シンポジウム

自治体病院を考える

著者: 水野肇 ,   室賀不二男 ,   山村雄一 ,   松尾正雄 ,   原口忠次郎

ページ範囲:P.59 - P.71

 座長 日本の医療は,ただいま非常に混乱しておる.そういう中で,きょうお集まりの皆さまはそれぞれご苦労をおもちであろうと存じます.また壇にいらっしゃいます先生がたもやはりそれぞれの立場でたいへんご苦労があるわけであります.しかし,皆さまおよび私たち壇の上におります者として,共通点として申し上げられることは,やはり自治体病院というのは今ここで考えなければならないのではないか,ということではないかと思うんであります.考え方につきましてはいろいろご意見もあり,ご見解もあると存じますが,どうかきょうは,とにかく混乱した医療制度の中で自治体病院はどうあるべきかという,比較的大きいけれども,最も重要なテーマを中心に,できるだけ前向きのお話で進めさしていただきたいと思います.
 まず最初に,実際に行政の立場で,しかも長年ユニークな市長としていろいろなことをおやりになってこられました原口市長さんに,病院についてはどうお考えか,お話をうかがいたいと思います.

管理者訪問・24

公立刈田総合病院長 菅原 六夫 先生

著者: 東北大学

ページ範囲:P.73 - P.73

 今回から私が東北地方の‘管理者訪問’を引き受けることにした.さて,手近なところで,病院管理者としては,長年にわたってご活躍されている公立刈田総合病院の院長であられる菅原六夫先生を訪問することにした.
 刈田病院は,秋は紅葉の名所として,冬はスキーや樹氷などの観光地としてよく知られている宮城蔵王の玄関口で,人口4万1928人(昭44)を有する白石市に所在している.そのためか,仙台市よりは南にあたるにもかかわらず,寒さがいくぶん厳しいようである.特に訪問した日はあたり一面が真白き銀世界につつまれたので,ひとしお身にしみたのかもしれない.病院は1市2町の組合からなっていて,病床数299床,職員211名であり,この宮城県南地区の中核的医療機関である.

英国国営医療研究メモ・3

I.英国国営医療制度成立前史—B.国家的強制医療保険時代 国民保険法成立(1911年)から国営医療法成立(1946年)まで(続) 2.国営医療への道おもな提案について

著者: 姉崎正平

ページ範囲:P.74 - P.75

 国民健康(医療)保険(1911年制定された医療および失業保険から成る国民保険法は1924年健康((医療))保険法と失業保険法に分かれた)は,既に指摘した幾多の限界とともに,医療費(傷病手当金を含め)の保障あるいは補助に関する制度にとどまり,総合的な医療行政を欠いていた.そのため医療衛生行政を専門に担当する中央官庁設置の声があった.その実現は,第1次大戦が終盤にはいって設置された‘戦後復興計画に関する委員会’や‘復興省’での課題であった.さらに同大戦での徴兵検査における多数の医学的不適格者や1918年から1919年にかけての流冒の猛威により,既存の‘地方自治庁’の片手間の衛生行政の欠陥が暴露されるという苦い経験に促され,1919年保健省が創設された.
 保健省創設後ただちに保健大臣は‘医療およびその関連事業に関する将来計画’を答申させるたせるためドーソン卿を委員長とする委員会を任命した.この委員会は,翌1920年中間報告として,いわゆる"ドーソン報告"を答申した.これは1946年の国営医療法案までの国営医療に関する幾多の提案の嚆矢であった.

病院と統計

都道府県別病院の状況

著者: 前田行雄

ページ範囲:P.76 - P.77

 全国の病院の状況を病院報告によって観察してきたが,今回はこれを都道府県別にながめてみよう.

見のがされやすい実務の知識

病院の熱管理用計器

著者: 倉持一雄

ページ範囲:P.78 - P.78

 最近問題となっている,都心・産業地帯の大気汚染の激化は,冬季にはいりその気象条件とあいまって著しく,当局はスモッグ対策として,低硫黄分の重油使用を要望している.また,亜硫酸ガスの排出による大気汚染を予防する目的で,排出基準を制定し,大気の清浄化を図ろうとしているが,病院でのボイラーの使用は,一般事業場と異なって,暖房だけではなく,消毒・厨房・洗濯のほか医療器材の洗浄などの熱源用にも使用されている.したがって,低硫黄の重油を使うことは,60%の燃料費増加となって,生産エネルギーとしての蒸気単価があがる結果となっている.
 しかも,大気の清浄化という社会的問題と,現行医療費による困難な病院経営との板ばさみとなって,低硫黄分の重油使用に踏み切れない病院が多いと思う.

病院の職員教育 駿河台日本大学病院職員教育資料より・3

勤務心得(前号つづき)

著者: 田中栄一

ページ範囲:P.79 - P.79

 10.建物の維持,光熱水の管理
 1)院内の壁によりかかること,ならびに壁に手を触れることを禁止する.2)光熱水のムダを省くよう留意すること.3)各室最後の退出者は火元・水道などを点検のうえ退出すること.4)設備の異状を発見したとき,および冷暖房の温度が異常のときは管理課に連絡すること.5)ネズミ・ゴキブリなど,繁殖のおそれある不潔な生物をみたときは管理課に連絡すること.6)エレベーターの使用は,患者・外来者を優先すること.近接階へは階段を利用すること.エレベーターの押しボタンを乱打しないこと.

病院経営戦前戦後・3

健康保険(3)

著者: 山元昌之

ページ範囲:P.80 - P.80

 庶民にとって医療費の負担は,背からたいへんな問題だ.戦前でも,自費で3等室に10日入院すると,3月家計に苦しむといわれた.
 第1次欧州大戦の後,わが国は債務国から一挙に債権国に変化した.その結果一部の産業には異常な好況をもたらしたが,その反面,物価は騰貴し,失業問題が深刻になり,国民大衆は窮迫に追い込まれた.米騒動が起こったのもその当時だ.

病院建築・15

至誠会関西病院の移転新築

著者: 山口敬二 ,   弘照夫 ,   長谷川俊一

ページ範囲:P.83 - P.87

まえがき
 この病院の経営主体は東京女子医科大学同窓会による社団法人至誠会で,東京に本部を置き,全国各地方主要都市の同窓会支部の拠点として,卒業生の活動研修のための集会をも兼ねうるものである.今次大戦の初期に,男子医師の不足に伴う国民医療の確保の使命を帯びて,昭和16年7月に,木造2階建て延べ1035m3(定床数60床,診療科目:内科・小児科・放射線科・産科・婦人科)の規模をもって診療が開始され,戦中・戦後を通じて広く市民に観しまれ発展を続けてきた.
 幸い戦災を免れたものの,20余年の経過は既に木造建築の耐用年限をこえ,その間の補修資材の入手難も加わり,腐朽・老化ははなはだしく,また近年は維持管理のための年間経費はかなりの額にかさんでくるとともに,周辺の病院が新築または増改築されるため,収入減とあいまって改築に踏み切ることとなったのである.

招待席

病院と政治

著者: 荘寛 ,   石原信吾

ページ範囲:P.88 - P.94

現代は,激動の時代といわれている.病院界もまた激動の渦中に立たされている.このような状況の中で病院の政治的方面に活躍される荘寛氏(東京・荘病院長)にそのあり方についてズバリ聞いてみることにする(石原).

精神病院の管理・3

ある精神病院の人事管理—その経験と思考

著者: 長谷川渙

ページ範囲:P.95 - P.102

人事管理についての基本的な考え方
 昭和25年,精神衛生法が公布され,精神病鑑護法と精神病院法が廃止されてから20年を経過した.この20年間,特に後半の10年間で,精神病院は量的にも,また質的にも大きく変わった.精神病院も,病院であるという点で,他科の病院と異質な存在ではなく,あたかも外科病院は外科病院としての特徴をもち,婦人科病院は婦人科病院として特徴があると同じ意味で,精神科の特徴があるにすぎない.
 精神科の特徴は,疾病の特性と,精神病院発達の歴史的経過に伴って生まれた社会的認識(現在はかなり改善されてはいるが——)によって形造られる.精神病院の特徴を生み出す特性とはどのようなものか.おもなものを拾えば次の数項目に要約できると思う.

レポート【投稿】

大学医局について(1)

著者: 島内武文 ,   車田松三郎

ページ範囲:P.103 - P.109

 わが国の医科大学付属病院の医局は,多くのわが国の医師を育ててきた場として,一般医療,ことに病院のあり方に大きな影響を与えてきたばかりでなく,直接間接にわが国の医学教育・研究の中心として,はたまた臨床医師の供給のプールとして,社会的にも重要な役割を果たしてきており,それだけにまたその功罪とその改善が慎重に検討される要がある.
 大学病院の医局の特徴であり,近来その改善ないし解体を叫ばれているところの要点は,講座(または教室)医局制ということにある.すなわち医局は通常医学部の講座に直結する付属病院各診療科ごとに,教授を中心として形成され,その診療科ならびに関連の医学部講座(教室)に属する助教授・講師・助手・副手(旧制)ならびにいわゆる無給医などの医師を中核とし,日常の運営には関連の大学院研究生やレジデンツ(研修医)・インターン(実地修練生)・見学医なども包含している.いわば講座ないし教室の主任たる科長(教授)を中心とし,当該科の患者の診療に従事する者の団体ということができる.大学医学部付属病院の規程には‘各診療科に医局をおき,医局に医局長をおいて主任(教授)を補佐する’と定め,主任の命をうけてその管理的事務に従事させている.

私の病院の経験から

研修(教育)病院として青医連を受け入れる—静岡県立中央病院

著者: 清川安彦

ページ範囲:P.110 - P.111

 かつてある病院長会議に出席していた時のことである.会議なかばに数十人の青年医師連合という(学生も加わっていたと思うが)ヘルメット群がはいりこんできて‘会議粉砕,会議粉砕’‘ナンセンス’の連呼に囲まれたことがあり,事の行きがかり上,私1人が矢面に立った形になり,論戦を展開したことがある.
 その集団的圧力は確かに大きい,が,言っていること,‘何故に斯くするや’の理論にはなんら深さがないとみた.その後数回,数人ずつの青医連グループと話し合うが,その言い分には私個人として,自身若かったころに持った不満と共通するものも少なくないのを知った.

霞ガ関だより

救急病院・診療所の交通事故患者取り扱い状況

著者:

ページ範囲:P.113 - P.115

 昭和36年に死因順位の第5位を占めるにいたった"不慮の事故"による死亡は,37年にインフルエンザのため,一時第6位になったが,38年以降連続第5位を占め,国民の健康をおびやかすハザードの1つとして重要な意味をもつにいたっており,しかもこれを年齢階級別にみると,1歳から34歳まではいずれも死因の第1位となっており,若・壮年層にとってはきわめて重要な死因となっていることは大方の周知のとおりである.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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