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文献詳細

雑誌文献

病院29巻6号

1970年06月発行

文献概要

英国国営医療研究メモ・6

II.国営医療の問題点—B.国営医療事業運営費財源の国庫一般会計負担方式をめぐる議論(自由診療・差額徴収導入に対する賛否)

著者: 姉崎正平1

所属機関: 1病院管理研究所

ページ範囲:P.58 - P.59

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 前号に記したごとく,英国の医療組織において純粋に国有国営なのは病院部門のみで,地方衛生部は地方自治体に属し,開業一般医・歯科医・薬局・眼鏡店は国の代理機関との契約である.しかし,これら3部門の保健・医療事業は,包括的に保健大臣の管轄下に統合されているという点では,国営事業といえる.この国民保健事業(the National Health Ser-vice)運営費の財源を見る時,国営事業としての性格がより明白になる.次ページに最近1年間の,国民保健事業の財源と費用を金額と百分比で示す.
 この表に見るように,国営保健事業の財源の86%以上が,中央・地方政府の一般会計によってまかなわれており,10%弱が国営医療税ともいうべき使用者も分担する被用者・自営業者・無職・性別・18歳以上・未満別一律の拠出金,したがって患者が医療や入院サービスを受けるとき直接支払う自己負担分は,わずか4%である.それは私費および差額病床に対する徴収,そしておもに成人の歯科治療費および眼鏡代の差額徴収である.なお,1962年来廃止されていた薬剤処方箋料が1968年6月復活したので,今後は自己負担分の比率が若干ふえるかと思われるが,経年的傾向としては,拠出分および自己負担分の比率が減り,一般会計分の比率がふえている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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