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文献詳細

雑誌文献

病院29巻6号

1970年06月発行

文献概要

病院経営戦前戦後・6

医師の俸給

著者: 山元昌之

所属機関:

ページ範囲:P.64 - P.64

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 "医師の技術料"ということばが目につくようになってから,何年たつだろうか.今日では,この用語が一般に熟してきたように思われる.‘医術’ということばは古くからある.これは通常,‘医学・医術’というように用いられ,‘医師が医学を実地に施用する’ことを意味する.‘技術とは理論を実地に応用する手段’のことだから,その意味では,医術は医学を実地に応用する手段だから,技術には違いない.
 しかし元来,医療は医師と患者との信頼関係の上に成り立つものだから,医術は単なる技術ではない.これは‘医は仁術’の術であって,‘人間愛を基盤として医学を実地に施用すること’を意味する.‘医師の技術料’ということばは,具体的には,医師の行なう診察・治療など医師の医行為に対する報酬のことだが,この技術料ということばは,医の本質たる人間愛の基盤を無視した香りが強く,まことに危険な用語である.日本語は,文字そのものが意味を持っているので,このような用語については特に慎重であってほしい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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