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文献詳細

雑誌文献

病院29巻7号

1970年07月発行

文献概要

特集 一般病院におけるリハビリテーション部門

リハビリテーション部門の採算

著者: 伊藤邦彦1

所属機関: 1三愛会伊藤病院

ページ範囲:P.39 - P.41

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はじめに
 現在,日本のリハビリテーション(以下リハと略記)に対する認識は,欧米に比べて技術の面においても,また体系化の面においても,残念ながらかなり遅れているといわざるをえない.しかしリハの医療行為は,不可欠のものとされていながら,現実では,OTのように健康保険の未点数化の分野や,PT,STその他の点で全く正しく評価されていない部分がそうとうあり,かつ体系づけられていないという大きな欠陥をもっている.したがって,純粋なリハ病院の運営は,その採算のうえからも,かなりキビしいものになっている.
 近年の疾病構造の変化に伴って,リハ医療の需要がますます増大し,かつ医療そのものの考え方に本質的な変化がきており,チームアプローチによって患者を治療するというcomprehensive medical careへと大きく前進しているのが現状である.本来,医療の本質は,かくあるべきものでありながら,それをやっていない.この点については,医師側にも責任はあるにしても,当局の責任は最も大きい.今こそ当局は,リハ医療保険を改善して,診療報酬体系の適正化をはからなければ,欧米からさらに引き離され,日本のリハ医療は大きく前進できないことは,あまりにも明らかすぎる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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