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文献詳細

雑誌文献

病院29巻8号

1970年08月発行

文献概要

特集 ニッパチ問題

ニッパチ問題の分析的把握

著者: 石原信吾1

所属機関: 1虎の門病院事務部

ページ範囲:P.25 - P.30

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まえがき
 ニッパチ問題とは何であるか,また,それはどのようにして発生し,どのような経過をたどって今日に至っているかというようなことは,病院関係者ならだれでも,そのだいたいは知っているであろうし,本号でも他の筆者の解説があるので,ここでは触れない.ただ,ニッパチ問題のもつ意味とか影響とかは,現在のわが国の医療あるいは病院のあり方を考え,またその今後のゆくえを予測するうえで,見のがすことのできない重要性をもつものと思われる.そういった観点から,ニッパチ問題の本質はどこにあるのか,あるいは,そのあらわれ方の特徴はどういう点に認められるか,また,今後そこからどういう問題が派生してくるかというようなことを検討してみようとするのが本稿の目的である.そして,分析的把握と題した趣旨は,単なる主観的・印象的な見方では,そうした目的は達せられないと考えたからである.
 ニッパチ問題に対する理解や評価のしかたにはいろいろの差があって,病院関係者の間でも一致しない.それは立場の相違によるものであって,立場が違えば事柄の理解やそれに対する態度に違いがでてくることはやむをえない.ただし,実体認識の差がその根底にあるとすれば問題である.実体は実体として,その認識を誤ってはならない.しかも,その上に立って,立場の相違は,なお理解や評価の差を生むのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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