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座談会
今後の看護婦はどうなるか(上)
著者: 橋本寬敏1 原素行2 三沢敬義3 木下正一4
所属機関: 1聖路加国際病院 2東京都立広尾病院 3東大附属病院 4学術書院
ページ範囲:P.37 - P.44
文献購入ページに移動○橋本 看護婦制度の改善の話が出てからもう4年になるわけですが,この10月には第1回の国家試験が行われるというふうに大分具体的になつている。この看護婦制度の改善,或は看護婦の教育については,看護婦側からの意見は大分出ておるけれども,医者側からは極めて少ないのです。大事をとつて黙つておられるのか,雲行きをみておられるのか,とにかく少ないのですね。ところが看護の問題は病院の管理,或は経営からみれば大切なものである。殊に病院診療というものが診療の基本の形であるとするならば,それを完全にする看護も亦非常に重要なものである。だから病院管理に当つている院長は看護という職業の発展,これからの体制の変化ということについて相当皆関心をもつている筈だと思います。そこで,院長で,しかも看護婦の教育,或は看護婦の業務,或は制度について関心をもつておいでになる方にお集まり願つて,その話を聞くことが丁度今の時期に適つたことだ,こういうことになつたのです。
一番先きの問題は,日本で最近行われた看護婦の新制度,新体制についての原則論から一つ伺いたいと思います。これを実行するには今の世の中では非常に難しいということはあるんですが,実行ということは次の問題にして,一番先にやはり概念といいますか,イデオロギーと申しますか,この変り方が医者からみてどうかということを先に述べていただいた方がいいんじやないかと思います。
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