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病院と管理(その16)—病院医師は如何にあるべきか——その3
著者: 吉田幸雄12
所属機関: 1厚生省医務局医務課 2病院管理研修所
ページ範囲:P.15 - P.18
文献購入ページに移動日本の病院医師の型は,欧米の所謂閉鎖式closed systemである。即ち,日本の病院医師は病院専属として雇傭された俸給医師のみで占められている。然しながら,西欧においては,その外に開放式open systemという型がある。これは病院と雇傭関係にない,独立した開業医師が病院を利用しうるように約束された病院である。このことについて,既に前述(3卷2号参照)したが,日本では一般に,このopen systemというのは「如何なる開業医師も自由に病院を利用することが出来て,病院の利用法については一応制約が加えられるとしても,診療方針については制約がない」と解せられている向が多いが,の様な自由な利用に任せられる,いわば病院は単なる病人のホテル的存在でしかないというあり方は,アメリカでは強く排撃され,その様の病院はアメリカでは極く僅に残存するに過ぎない状態であり,亦College of Surgeonsではその様なものを病院としては認証していないものである。この式のものはunorganized open systemの病院といわれ,旧時代的なもので,近代社会的観念からは既に受け入れられないものになつてしまつている。従つて現在では次の二型が考えられている。
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