icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院30巻11号

1971年10月発行

文献概要

病院の広場

喘息児のための専門病院誕生

著者: 久徳重盛1234

所属機関: 1名古屋大学医学部 2名古屋大学医学部分院 3日本小児科学会・アレルギー学会・精神身体医学会 4財団法人東海心身医学研究会

ページ範囲:P.21 - P.21

文献購入ページに移動
 近代医学がめざましい発達をとげたのに,かえって増加の方向をたどっている疾患に気管支喘息がある.自然治癒することも決して珍しくない疾患を,近代医学がコントロールしえなかったのはなぜだろうか.
 われわれ名古屋大学小児科アレルギー研究グループは,このような立場で気管支喘息の検討を開始した.約10年前のことである.第1に,従来定説のなかった気管支喘息の病因を理論化し,喘息の成因論として気管支喘息の全体医学説(久徳)を提唱した.近代医学が得意とする疾患は①身体疾患,器質性疾患であり,②多くの場合,病原体などによる身体損傷で,③治療は薬剤ないしは手術など限られた手段である.しかし喘息は①環境と体質が関与した機能失調性疾患で,②心,身,アレルギーのすべての面で,患者が易適応障害性の強いことが疾病の病態であり,③薬剤はあくまで補助的手段であり,特に重症例ほど,環境を調整することが著効を呈することがわかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら