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—左奈田 幸夫 著—病院管理新書11「外来予約システム」
著者: 中島克三1
所属機関: 1関東中央病院
ページ範囲:P.62 - P.62
文献購入ページに移動わが国では,病院の外来で診察を受けるためには,かなり長い時間待たされるものだということが昔から一種の社会通念になっていたように思われる.患者の数がそれほど多くなかった時代には,おとなしく待っていてくれたので,割合にトラブルも少なかったが,10余年前に国民皆保険制度が実施されてからは,どこの病院でも急速に外来患者がふえてきて,いろいろと面倒な問題が起こるようになった.私が勤務している病院でも例外ではなく,今から数年前のことだが,ある外来患者が‘身近な問題’という題で,次のような随筆を書いているのを読んだことがある.
少し血圧が高くなったので,近くの関東中央病院に診療を受けに行ったところ,大変な患者の数で,病院はふくれ上がるほどの満員である.医師も看護婦も薬剤師も事務員も皆テンテコ舞いの形であるが,それにもまして気の毒なのは患者たちであって,ヨボヨボの老人が1時間も2時間も辛抱づよく待たされている.それだけで病気は悪化しそうに思われる.‘げに病院とは待つことと見つけたり’であるようである.——と,外来での待ち時間が長いことを批判しているが,同じようなことが多くの病院でも見られるに違いない.
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