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—大牟羅 良・菊地 武雄 著—「荒廃する農村と医療」
著者: 車田松三郎1
所属機関: 1東北大学
ページ範囲:P.113 - P.113
文献購入ページに移動われわれは都市に目を向けがちであるが……
日本の医療問題は最近日本医師会により提起された医療保険制度の抜本改正をはじめとして医師の偏在の問題,特に無医地区の増加など山積している.とかくわれわれは都市に目を向けがちであるが,日本には農村医療,特に医療不毛の地のあることを認識してほしい.その意味で,本書はまさに病院関係者にとってはもちろんのこと,広く一般の人にも読んでほしい本である.
著者の1人である大牟羅良氏は,戦後20余年ずっと農村をめぐって移りゆく農村の姿を観察し,国保連合会の機関誌"岩手の保健"の編集者として農民の声を活字にしてきた.昭和33年には日本のチベットといわれる岩手県の農民の姿を本にまとめた."ものいわぬ農民"(岩波新書)がそれである.本書はその後‘ものいわぬ農民’がどう変化したのか,読者の質問に答える意味もあって書かれている.かつて‘ものいわぬ農民’は,いろりを中心にして一家団らんのひとときをもち,その対話のなかから新しい共同体が生まれることを期待した.
日本の医療問題は最近日本医師会により提起された医療保険制度の抜本改正をはじめとして医師の偏在の問題,特に無医地区の増加など山積している.とかくわれわれは都市に目を向けがちであるが,日本には農村医療,特に医療不毛の地のあることを認識してほしい.その意味で,本書はまさに病院関係者にとってはもちろんのこと,広く一般の人にも読んでほしい本である.
著者の1人である大牟羅良氏は,戦後20余年ずっと農村をめぐって移りゆく農村の姿を観察し,国保連合会の機関誌"岩手の保健"の編集者として農民の声を活字にしてきた.昭和33年には日本のチベットといわれる岩手県の農民の姿を本にまとめた."ものいわぬ農民"(岩波新書)がそれである.本書はその後‘ものいわぬ農民’がどう変化したのか,読者の質問に答える意味もあって書かれている.かつて‘ものいわぬ農民’は,いろりを中心にして一家団らんのひとときをもち,その対話のなかから新しい共同体が生まれることを期待した.
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