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文献詳細

雑誌文献

病院30巻12号

1971年11月発行

病院図書館

—吉村 昭 著—「日本医家伝」

著者: 島村喜久治1

所属機関: 1国立療養所東京病院

ページ範囲:P.89 - P.89

文献概要

医家は次々に入れ替わるが,医学は永久に亡びない
 長い暗い鎖国時代の終わり,長崎に上陸して来たヨーロッパ医学を,漢方医学の先人たちがどのように受けとめ,取り組み,消化してきたか.興味はあっても,かんたんに手にできる資料は少ない.シーボルトや杉田玄白の名は知っているが,はじめて屍体解剖を行なったのは山脇東洋で,蘭学事始で有名な‘解体新書’の真の訳者は前野良沢であったというような知識を,この本ではじめて知って,恥かしさ半分,楽しさ半分という思いであった.
 最近,‘医学もの’に積極的に取り組んでいる古村昭氏が,専門の小川鼎三先生らに資料をもらって書き上げた12人の医学列伝というので,史実性については信じるほかに方法がない.描写は,肩がこらないというよりも少し軽すぎる感じもするが,疲れたときなどの軽い読物で,しかもタメになるという近ごろ珍しい本といえるだろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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