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文献概要
病院建築・35
わが国の病院建築の水準と今後の目標(1)
著者: 栗原嘉一郎1
所属機関: 1大阪市立大学工学部
ページ範囲:P.93 - P.97
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わが国の病院建築のレベルは,研究の蓄積などを通じてある程度の高さに達してきたことはだれしも否定できないであろう.しかし一方で,欧米の病院などと見比べると依然としていろいろな点で格差を感じさせられることもまた確かなように思われる.そのなかには,医療制度の根本的なしくみにかかわる部分や,国全体としてのいわば生活水準に負うべき性質のものも多いが,ちょっとしたくふうで容易に向上させうる部分も少なくないようにも思われる.
現在病院は一方では地域医療への指向が主張される反面,他方では専門分化の進行による専門病院化への指向も既に始まっている.また,病院内部では慢性的な人手不足を背景にして各種オートメーション化への動きも徐々に始まっている.第一次の近代化を終えた病院は,次の時代への新たな転換を求めて再び動き始めようとしているかにもみえる.
わが国の病院建築のレベルは,研究の蓄積などを通じてある程度の高さに達してきたことはだれしも否定できないであろう.しかし一方で,欧米の病院などと見比べると依然としていろいろな点で格差を感じさせられることもまた確かなように思われる.そのなかには,医療制度の根本的なしくみにかかわる部分や,国全体としてのいわば生活水準に負うべき性質のものも多いが,ちょっとしたくふうで容易に向上させうる部分も少なくないようにも思われる.
現在病院は一方では地域医療への指向が主張される反面,他方では専門分化の進行による専門病院化への指向も既に始まっている.また,病院内部では慢性的な人手不足を背景にして各種オートメーション化への動きも徐々に始まっている.第一次の近代化を終えた病院は,次の時代への新たな転換を求めて再び動き始めようとしているかにもみえる.
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